保育士の過去問
平成27年(2015年)
社会的養護 問32

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問題

保育士試験 平成27年(2015年) 社会的養護 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、1887(明治20)年に石井十次によりまとめられた「岡山孤児院十二則」の考え方に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  家族主義とは、収容した孤児や貧児を元の家族へ戻すという考え方である。
B  委託主義とは、収容した幼児や虚弱児の養育を農家等に委託するという考え方である。
C  満腹主義とは、収容後に食事を無制限に食べさせることで、盗癖の過半はなくなるという考え方である。
D  実行主義とは、言葉ではなく職員自身が自ら実行して、院児を導くという考え方である。
  • (A)○   (B)○   (C)○   (D)×
  • (A)○   (B)×   (C)○   (D)×
  • (A)○   (B)×   (C)×   (D)○
  • (A)×   (B)○   (C)○   (D)○
  • (A)×   (B)○   (C)×   (D)○

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。Aから順に説明します。

A 不適切です。
 家族主義とは、孤児や貧児を元の家族に戻すことではありません。
 石井十次は英国のバーナードホームに習い、保育者1人を母親役として10人程の子ども達と共に生活する小規模宿舎をいくつも建てました。彼らは家族のように生活しながら信頼関係を築き、養育されたのです。これを家族主義といいます。

B 適切です。
 文面の通りです。「幼児及び虚弱なる者は岡山県下の子どもなき農家に委託教育す」とあります。これは現在の里親制度に繋がります。
 石井十次は、特に低年齢である場合、家庭的な環境の元で養育されるのを望んだようです。

C 適切です。
 文面の通りです。石井十次は、盗癖などの素行の悪さの原因を食不足としました。まずは空腹を満たし、情緒を安定させることを養育の一つとして掲げました。

D 適切です。
 文面の通りです。「子どもは言う様にはせずして、する様にするものなり」とあります。子どもの行動は職員の行動の反映である、との考えから、職員は模範となる生活態度や、行動を見せます。子どもはそれに習い、良い行動をしていきます。

 よって正解は4となります。

 参考に、残りの十二則を簡単にまとめます。

 児童の虚言は養育者の体罰によるものとした「非体罰主義」
 キリスト教の教えをベースにした聖書教育の「宗教主義」
 人前で児童を叱ることをしない「密室主義」
 毎朝の集会で聖書をベースとした講話をする「洗米教育」
 この時代では小学校入学の就学率は低かったものの、岡山孤児院では普通教育を受けさせた「小学校教育」
 卒業する院児の自立のための「実業教育」
 活きた人間を作るためには、児童自らいろんな土地に赴き、視野を広げることの大切さを説く「旅行主義」
 岡山孤児院の運営のために、慈悲の心に訴え有志者に寄付金を募る「托鉢主義」

以上です。

参考になった数104

02

家族主義、委託主義、満腹主義、実行主義、非体罰主義、宗教主義、密室主義、旅行主義、米洗主義、小学教育、実業、托鉢主義
これらが、岡山孤児院十二則です。

参考になった数35

03

A.×
家族主義とは、子どもを小さな集団に分けて、その集団専門の担当者を置き、家庭での生活のような暮らしを提供することです。よってAは×です。
B.正しい
C.正しい
D.正しい
よって組み合わせより正解は4となります。

参考になった数25