保育士の過去問
平成27年(2015年)
社会福祉 問70
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問題
保育士試験 平成27年(2015年) 社会福祉 問70 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Y児童養護施設に入所しているFちゃん(12 歳)の母親Gさん(39 歳)は、統合失調症で入退院を繰り返している。そのGさんから苦情の電話が入り、Fちゃんの担当保育士Pは面談の約束をした。約束の日、保育士Pは、Gさんの訪問時に相談室に案内した。保育士Pは、Fちゃんの担当になって日が浅く、Gさんと会うのは初めてだった。また、保育士Pは、Y児童養護施設において、苦情受付担当者となっている。
【設問】
次の文は、この相談時の保育士Pの対応に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 通常の相談と異なり苦情の対応なので、保育士Pは初対面のあいさつも簡単に済ませて、苦情内容を聴取し、どんな事柄に関して訴えられているのか確かめるために質問を繰り返した。
B 保育士Pは、Gさんの怒りの感情を表出させるべきだと考え、Gさんの話が支離滅裂な内容となっているにもかかわらず、何時間も傾聴を続けた。
C Gさんが相談室に入ってからもなかなか話すことができず沈黙を続けていたが、その間、保育士Pはその表情や仕草を見ていたものの、無理に話させようとはしなかった。
D Gさんが統合失調症であり、保育士Pは対応に自信がなかったので、同席した主任保育士にほとんどの相談対応を代わってもらい、保育士Pはかたわらに同席して苦情対応の仕方を学んだ。
【事例】
Y児童養護施設に入所しているFちゃん(12 歳)の母親Gさん(39 歳)は、統合失調症で入退院を繰り返している。そのGさんから苦情の電話が入り、Fちゃんの担当保育士Pは面談の約束をした。約束の日、保育士Pは、Gさんの訪問時に相談室に案内した。保育士Pは、Fちゃんの担当になって日が浅く、Gさんと会うのは初めてだった。また、保育士Pは、Y児童養護施設において、苦情受付担当者となっている。
【設問】
次の文は、この相談時の保育士Pの対応に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 通常の相談と異なり苦情の対応なので、保育士Pは初対面のあいさつも簡単に済ませて、苦情内容を聴取し、どんな事柄に関して訴えられているのか確かめるために質問を繰り返した。
B 保育士Pは、Gさんの怒りの感情を表出させるべきだと考え、Gさんの話が支離滅裂な内容となっているにもかかわらず、何時間も傾聴を続けた。
C Gさんが相談室に入ってからもなかなか話すことができず沈黙を続けていたが、その間、保育士Pはその表情や仕草を見ていたものの、無理に話させようとはしなかった。
D Gさんが統合失調症であり、保育士Pは対応に自信がなかったので、同席した主任保育士にほとんどの相談対応を代わってもらい、保育士Pはかたわらに同席して苦情対応の仕方を学んだ。
- (A)○ (B)○ (C)× (D)×
- (A)○ (B)× (C)○ (D)○
- (A)× (B)○ (C)× (D)○
- (A)× (B)○ (C)× (D)×
- (A)× (B)× (C)○ (D)○
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この過去問の解説 (3件)
01
Bは、A同様に統合失調症により話の内容が支離滅裂になっている可能性もあるので、Gさんが落ち着いて話せるように話を整理しながら話すなどの工夫が必要です。そのため×です。
Cは、統合失調症の方は場面緘黙がある人も多く、
話そうとしてもなかなか話し出せない人もいます。
その場合は見守り、相手が話し出すのを待ちましょう。そのため○です。
Dは、自分で対応しきれないケースは主任保育士に代わってもらい、同席して苦情対応をしたのはベターな決断です。普段から保護者対応にあたる保育士は先輩保育士などから学び、イレギュラーなケースなどは苦情が大きくなる前に、責任者に代わってもらうなども保護者対応において大切なことです。
よって、これも○です。
組み合わせると、5が正解です。
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02
この事例のポイントは、統合失調症という病気を正しく理解しておくことです。
厚生労働省ホームページを参考に解説します。
統合失調症とは、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。
それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)という症状を併せ持っています。
A、×
病気の有無に関わらず、初対面であるならばきちんと挨拶を交わして、信頼関係が築けるよう努めるのが適切です。
B、×
話したい内容がまとまらず支離滅裂になってしまうのは統合失調症の特徴の1つです。
傾聴を続けるのではなく、伝えたいことを一緒にまとめるようなつもりで聞き取りをすることが効果的です。
C、◯
無理に言葉を促す必要はありません。相手の様子を観察しつつ、相手がいつでも話せるよう待つ姿勢でいることが大切です。
D、◯
統合失調症の患者さんへの関わり方に不安があるのなら、無理に自身で対応しようとしないことも1つの手段です。
経験のある先輩がどう接するのかを見て学び、理解してからのほうがGさんにとっての負担も軽減されるはずです。
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03
A 不適切です。
保育士Pさんは、母親Gさんと会うのは初めてです。加えてGさんは統合失調症であり、自分の考えをうまくまとめて伝えるのを得意としません。
まずは、話しやすい雰囲気作りを心がけ、Gさんとの心の距離を縮め、なるべく安心した
状態で話してもらえるように努めます。
B 不適切です。
支離滅裂な話の内容とは、母Gさんの統合失調症の症状の現れだととれます。家族であれば、つじつまの合わない話でもゆっくり耳を傾ける時も必要です。しかし、今回は家族ではなく、擁護施設のFちゃんの母と保育士との苦情解決であるため、この状態では苦情の解決に至りませんので、不適切です。
Gさんの伝えたい思いを汲むためには、Aの解説や、C・Dの記述のような行動を心掛けます。
C 適切です。
無理に話させようとすると、Gさんは焦りやストレスを感じ、思考の混乱を招く恐れがあります。Cの行動は適切です。
D 適切です。
苦情対応とは、話し合いを設け、最終的に問題を解決する事を目的とします。Gさんは統合失調症のため、対人関係に敏感でもあり、ストレスを感じやすい状態です。
主任保育士に代わってもらい、かたわらで対応の仕方を学ぶのは、GさんにとってもPさんにとっても合理的と言えます。
よって、正解は5です。
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