保育士の過去問
平成27年(2015年)
保育の心理学 問96
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問題
保育士試験 平成27年(2015年) 保育の心理学 問96 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】は、子ども理解に関する記述である。A~Dを示す語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
【事例】
A 女の子はピンク色が好きで、男の子は青色が好きだと思う。
B 自分はピーマンが嫌いだったので、子どもはみんなピーマンが嫌いだと思う。
C ある子どもに対して苦手意識をもっていると、その子どもも自分のことを苦手と感じていると思う。
D 良い子としてふるまい過ぎて、年齢に比して背伸びをしていると思う。
【語群】
ア 経験に基づく基準の偏り
イ ストラテジー
ウ 投影
エ 課題解決における試行錯誤
オ 早期自立
カ 逃避
キ 過剰適応
ク ステレオタイプ
【事例】
A 女の子はピンク色が好きで、男の子は青色が好きだと思う。
B 自分はピーマンが嫌いだったので、子どもはみんなピーマンが嫌いだと思う。
C ある子どもに対して苦手意識をもっていると、その子どもも自分のことを苦手と感じていると思う。
D 良い子としてふるまい過ぎて、年齢に比して背伸びをしていると思う。
【語群】
ア 経験に基づく基準の偏り
イ ストラテジー
ウ 投影
エ 課題解決における試行錯誤
オ 早期自立
カ 逃避
キ 過剰適応
ク ステレオタイプ
- (A)イ (B)ア (C)ウ (D)オ
- (A)イ (B)エ (C)ウ (D)オ
- (A)ク (B)ア (C)ウ (D)キ
- (A)ク (B)ア (C)カ (D)オ
- (A)ク (B)エ (C)カ (D)キ
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この過去問の解説 (4件)
01
ちなみにイの「ストラテジー」は戦法、戦略を指します。
Bは、自分の食事の経験を元に判断が偏っているので、「自分の経験に基いて基準が偏ってしまうこと」を指すアの「経験に基づく基準の偏り」が該当します。
Cのような心の働きをウの「投影」と言います。
ちなみにエの「課題に対する試行錯誤」は、課題に対して改善するように相手に働きかけたりすることを指すのでCに該当しません。
また、カの「逃避」は「向き合うことが困難な現実から目をそらし、別の現実や想像などに目を向けること」を指します。
Dは、「集団に適応するため、いい人になろうと過剰に振る舞うこと」を表すキの「過剰適応」に合致しています。
オの「早期自立」とは「早く幼児期における基本生活習慣の形成されること」を指します。
このことから組み合わせると、3が正解です。
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02
A、ク ステレオタイプ
ステレオタイプとは、先入観や固定観念のことを言います。
問題文にある事例は代表的なもので、その他にもランドセルの色が女の子は赤で男の子は黒という観念であったり、保育士と言えば女性、消防士と言えば男性というようなものがありました。
現在ではこういった性別に関係するステレオタイプな観念は薄れつつあります。
B、ア 経験に基づく基準の偏り
子どもはある程度の年齢になるまでは相手の気持ちになって考える、ということができません。
あくまでも自分自身の経験が基準であり、そのために基準には偏りが生じます。
C、ウ 投影
心理学における投影とは、自身に芽生えた感情のうち特に負の感情について自己防衛をするために作用するものと言われています。
事例にあるような、自分が相手に対して抱いた苦手意識を相手も同じような感情を抱いていると思うことで、自分の感情を正当化するような働きがあります。
D、キ 過剰適応
人間はその場に適応するために、いわゆる「空気を読む」ということの連続で暮らしています。
この能力は生きるために必要なことであり、当たり前のことのようですが、適応するために過剰に気を遣いすぎたりして、心身に影響が出てしまう状態のことを言います。
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03
A 「女の子はピンク色が好きで、男の子は青色が好きだと思う。」など、社会環境によって蓄積された固定観念や先入観のことを「ステレオタイプ」と言います。
B 「自分はピーマンが嫌いだったので、子どもはみんなピーマンが嫌いだと思う。」など、自分の経験を基準に物事を捉えることを「経験に基づく基準の偏り」と言います。
C 「ある子どもに対して苦手意識をもっていると、その子どもも自分のことを苦手と感じていると思う。」など、他者に対して感じている自分の負の感情を正当化するために働いている心理状態を「投影」と言います。
D 「良い子としてふるまい過ぎて、年齢に比して背伸びをしていると思う」など、実年齢に比して過剰に落ち着いていたり、いい子にふるまおうとすることを「過剰適応」と言います。このタイプの人はストレスを溜めやすい、必要以上に我慢をしてしまうなどの傾向があります。
以下は補足です。
「ストラテジー」とは目的を達成するための戦略や戦法のことを言います。
「課題解決における試行錯誤」とは、ある問題を解決しようと相手に働きかけたり情報を集めたりすることを言います。
「早期自立」とは、幼児期において基本的な生活習慣が早く形成されることを言います。
「逃避」は、向き合うことが難しい状況から自分を守ろうと、目をそらしたり、現実から逃げようとする自己防衛反応です。
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04
ク ステレオタイプ
女の子はピンク色が好きで、男の子は青色が好きだと思うなどの先入観を言います。
同様に自分の先入観で子どもを見てはいけないということです。
ア 経験に基づく基準の偏り
自分はピーマンが嫌いだったので、子どもはみんなピーマンが嫌いだと思うなど、経験が役に立つことはありますが、あくまで目安です。
ウ 投影
ある子どもに対して苦手意識をもっていると、その子どもも自分のことを苦手と感じていると思う、等、自分が感じていることが相手もおなじように思っているのではないかと考えてしまいます。
キ 過剰適応
良い子としてふるまい過ぎて、年齢に比して背伸びをしていると思うことです。自分自身よりもその場の空気を優先してしまうので、背伸びしている、落ち着いているように見えてしまうかもしれませんが、我慢をしてしまっていたり、ストレスを溜めやすい場合があります。
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