保育士の過去問
平成28年(2016年)前期
保育の心理学 問83

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問題

保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育の心理学 問83 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の理論に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  物は隠れていても存在し続けているという物の永続性の理解は、ピアジェ(Piaget, J.)が提唱した月齢よりも早い時期であることがその後の研究によって示されている。
B  誕生から3歳頃までの子どもは、触る、叩く、なめる等の感覚運動を通して世界を理解している。
C  前操作期の子どもは、イメージや言葉を用いて世界を捉えることができるようになるが、それは自己中心的で、知覚的特徴に影響されやすい。
D  外界の対象に働きかける際に、その対象を自分に合うように変化させて、自分の内部に取り入れることを調節という。
  • (A)○  (B)○  (C)×  (D)○
  • (A)○  (B)○  (C)×  (D)×
  • (A)○  (B)×  (C)○  (D)×
  • (A)×  (B)○  (C)○  (D)○
  • (A)×  (B)×  (C)○  (D)×

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

A :〇
ピアジェは、生後8~12か月に獲得し始めるとしました。その後、3ヶ月半の乳児でも獲得していることがベラージョン博士により示されました。

B :×
誕生から2歳頃までと考えられています。この時期、自他の区別はありません。

C :〇
前操作期(2歳~7歳)は物事を自分のイメージを使って区別して認識できるようになります。論理的思考力・共感力などは未発達な場合が多く、自己中心的な思考・行動パターンになります。

D :×
ピアジェは人が生まれてからいろいろなものを認知し、学んでいく過程を「シェマ」「同化」「調節」の3段階に分けました。このうち「調節」は、対象に合わせて自分の方を変えて、対象を取り込みやすくする働きです。

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02

Aは○です。
適切な記述です。

Bは×です。
感覚運動が盛んに行われる時期は、2歳くらいまでと考えられています。

Cは○です。
適切な記述です。

Dは×です。
人間の認知の枠組みをシェマと呼び、外界からの刺激はその枠組みに合わせて認識されます(同化)。
一方で、その枠組みを変化させないと認識できない刺激に対したときは、シェマを変化させて外界からの刺激を認識します。これを調節と呼びます。

よって正解の組み合わせは3となります。

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03

正解:3

A―〇
B―×
C―〇
D―×

B.
誕生から2歳頃の子どもは、感覚と運動を共応させることを覚え、それを通して外界の存在を知り、外界と意識的に関わり始めます。
この時期を感覚運動期とよびます。

C.
前操作期(2~7歳頃)には、イメージや言葉を用いて世界を捉えることができます。
表象機能がより発達し、ごっこ遊び(象徴遊び)や延滞模倣が盛んに見られますが、しばしば現実と自分の思考内容を混同することがあります。

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