保育士の過去問
平成28年(2016年)後期
児童家庭福祉 問60
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問題
保育士試験 平成28年(2016年)後期 児童家庭福祉 問60 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
X君(4歳)が、児童発達支援センターに通所を開始して2か月が経過した。送迎は母親であるYさんが行い、父親のZさんは送迎に来たことは一度もない。X君はもともと0歳から保育所に通っていたが、3歳の時に保育所から専門機関の受診をすすめられ、知的障害の診断を受け、その後、この児童発達支援センターを利用することとなった。しかし、YさんはX君の障害をなかなか受け入れられず、療育手帳の取得にも消極的であった。
担当保育士は送迎のたびにYさんに声を掛けているが、いつも暗い表情であまり話をしようとしない。また、他の保護者との交流がほとんどない状況である。一方、X君は、言葉の理解やコミュニケーションが困難であるが、徐々に児童発達支援センターでの生活に慣れ、それまでは介助が必要であった排泄や食事が自分一人でできるようになった。しかしYさんによると、家庭では「Xは排泄がうまくできないから」とオムツを使用し、さらに食事も「Xが自分でしないから」とYさんがすべて介助をしているようであった。
【設問】
次の文のうち、担当保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A Yさんに対し、一刻も早くX君の障害を受け入れて、しっかりと子育てに向き合うように伝える。
B どうしたら家庭においてX君が自分で食事や排泄をするようになるかを、Yさんと共に考える。
C Yさんの気持ちや状況を理解するために、Yさんの話に注意深く耳を傾けるようにする。
D Zさんに連絡し、今のX君やYさんの状況を知らせつつ、父親であるZさんが育児や家事に協力しなければならないと伝える。
【事例】
X君(4歳)が、児童発達支援センターに通所を開始して2か月が経過した。送迎は母親であるYさんが行い、父親のZさんは送迎に来たことは一度もない。X君はもともと0歳から保育所に通っていたが、3歳の時に保育所から専門機関の受診をすすめられ、知的障害の診断を受け、その後、この児童発達支援センターを利用することとなった。しかし、YさんはX君の障害をなかなか受け入れられず、療育手帳の取得にも消極的であった。
担当保育士は送迎のたびにYさんに声を掛けているが、いつも暗い表情であまり話をしようとしない。また、他の保護者との交流がほとんどない状況である。一方、X君は、言葉の理解やコミュニケーションが困難であるが、徐々に児童発達支援センターでの生活に慣れ、それまでは介助が必要であった排泄や食事が自分一人でできるようになった。しかしYさんによると、家庭では「Xは排泄がうまくできないから」とオムツを使用し、さらに食事も「Xが自分でしないから」とYさんがすべて介助をしているようであった。
【設問】
次の文のうち、担当保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A Yさんに対し、一刻も早くX君の障害を受け入れて、しっかりと子育てに向き合うように伝える。
B どうしたら家庭においてX君が自分で食事や排泄をするようになるかを、Yさんと共に考える。
C Yさんの気持ちや状況を理解するために、Yさんの話に注意深く耳を傾けるようにする。
D Zさんに連絡し、今のX君やYさんの状況を知らせつつ、父親であるZさんが育児や家事に協力しなければならないと伝える。
- ( A )○ ( B )○ ( C )× ( D )×
- ( A )○ ( B )× ( C )× ( D )○
- ( A )× ( B )○ ( C )○ ( D )×
- ( A )× ( B )○ ( C )× ( D )○
- ( A )× ( B )× ( C )○ ( D )○
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この過去問の解説 (3件)
01
保護者に対して上から決めつけるように「指導」することは避けます。また、障害の受容は簡単なことではなく、時間もかかります。保育士は、身近な子育て支援者として、保護者の孤立感、子育ての負担、心の葛藤などに寄り添うことが肝要です。
B ○
共に考える姿勢が大切です。
C ○
思いや気持ちを、ありのままにしっかりと受け止め、傾聴することが大切です。
D ×
保護者に対して上から決めつけるように「指導」することは避けます。また、このケースではYさんとZさんの関係性もわからず、子どもにとって最善の利益となる結果が導かれるかは不明であり、そのリスクも考慮するべきです。
以上のことから、正解は 3 です。
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02
A × 不適切です。
障害の受容には様々な過程があり、一刻も早く受け入れるように助言するのではなく、保護者の心情に寄り添うことが大切です。
B ○ 適切です。
家庭における支援の方法を考えることは保護者と同じ目線で支援する事であり、適切です。
C ○ 適切です。
保護者の話を聞くことは悩みや不安を共有し、信頼を築くことになります。
D × 不適切です。
父親であるZさんには保育環境を把握したうえで、連携を図るようにします。まず、母親の気持ちや抱えている問題に寄り添うことが大切です。
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03
A 保護者の不安な気持ち、障害を受け入れ難い気持ち等を共感し受容することが大切です。
B 適切な対応です。保護者の困りごとに寄り添いながら一緒に子育てについて考えていくことは大切です。
C 適切です。相談業務において保護者やクライアントの気持ちに寄り添い傾聴することが大切です。
D 家庭にはさまざまな状況があり、それを個人の思いで無理に正そうとするのは良くありません。
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