保育士の過去問
平成29年(2017年)前期
保育の心理学 問100

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育の心理学 問100 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
自閉症と診断されている3歳2か月の男児が、次年度から保育所に入所してくることになった。

【設問】
次のうち、この保育所での対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。


A  保護者から本児の行動の特徴を詳しく聴いた。

B  本児が利用できる社会資源について調べた。

C  保護者面談では、育児の大変さを訴える保護者の話に耳を傾けた。

D  ストレスを与えないようにと、入所まで保育所に本児を来させないように保護者に伝えた。

E  本児が保育所の様子を事前に知ることができるように、保育所内の様子を写真に撮って保護者に渡した。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

A 〇 適切です。

保護者から本児の行動の特徴を詳しく聴きます。

子どもの理解が必要です。

B 〇 適切です。

社会資源は、この子どもが使用できるサポートやサービスなどのことを言います。

自閉症の場合は、使用できるサービスが自治体などで、異なります。

C 〇 適切です。

保護者面談では、育児の大変さを訴える保護者の話に耳を傾けることで、保育者と保護者の信頼関係を築くことが、子どものために必要です。

D × 不適切です。

事前に来所することで、あらかじめ保育所に慣れておくことで、ストレス軽減につながることもあります。

E 〇 適切です。

本児が保育所の様子を事前に知ることができるように、保育所内の様子を写真に撮って保護者に渡すことで、保護者も子どもの安心につながります。

参考になった数5

02

正解は1です。

A 適切です。子どもに寄り添った保育をするためにも本児の行動を把握し、特徴を理解することは大切です。

B 適切です。社会的資源とは、この場合、本児のサポートをしてくれる人やサービスのことを言います。保育所だけでなく、発達支援事業所や保健センターなど様々な機関と連携を取りながら子どもの支援をしていくことが大切です。

C 適切です。自閉症などの発達障害を抱える子どもを持つ保護者はあらゆる面で子育ての大変さや不安を抱えていることが多いです。保護者の不安な気持ちなどに寄り添い、話を聴くことは保育士の役割としてとても大切なことです。

D 自閉症の特性として、環境の変化に対して敏感であり、人によってはパニックを起こす人もいます。事前に見学に来てもらったり、一時保育を利用してもらうなど、少しずつ保育所に慣れていける環境を作ることが必要です。

E 適切です。本児が保育所の様子を事前に知ることができるように、保育所内の様子を写真に撮って保護者に渡すのも自閉症の特性を押さえた保育として良い方法です。

参考になった数1

03

解答は1です。

A、〇
 自閉症児にはいくつかの特徴的な行動(こだわりの強さ、落ち着きがない、周囲の音に敏感等々)がありますが、児によってその詳細に違いがあります。これまでの生活の中で、どのようなこだわりがあるのかや、どのような音が苦手なのか等、具体的な特徴を押さえておくことで新しい環境に入るサポートのヒントとなるでしょう。

B、〇
 社会資源とは社会のあらゆるもののことを指しますが、この事例においては自閉症児とその家族をサポートしてくれる人やサービスのことを言います。
 今回の事例では、保育所にて自閉症児を次年度から受け入れをすることがテーマとなっています。
 しかし保育所で出来ることだけに目を向けるのではなく、地域の療育センターや自閉症児向けの民間サービス等、保育所以外でも育児をサポートしてくれる場があるということを伝え、保護者の育児負担を軽減することや自閉症児がその後社会へと適応するためのサポート手段を紹介することも保育所の役割の一つです。

C、〇
 子どもが健常に育ったとしても保護者は育児に関して悩みや不安があるものです。
 自閉症児については「育てにくさ」を感じる場面も多く、悩みや不安はさらに多いはずです。保護者の声にも耳を傾け信頼関係を築くことが大切です。

D、×
 自閉症児にとって突然の環境の変化はパニックの要因となりやすいです。時間が取れるのであれば、入所前に何度か保育所に来所し、慣れる時間を設けると入所時のストレスがいくらか軽減されることになるでしょう。

E、〇
 Dの解説にも書いたように、自閉症児は環境の変化に加えて、見通しの立たない状況が苦手です。また、言葉で伝えるよりも身振り手振りや写真などのように視覚的に説明するほうが理解しやすいのです。
 そのため事前に保育所の様子や一日の流れがわかるような写真を見せて伝えておくことで、先の見通しが立つようにしておくというのはとても効果的です。

参考になった数1