保育士の過去問
平成29年(2017年)前期
子どもの保健 問114

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

保育士試験 平成29年(2017年)前期 子どもの保健 問114 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、検査に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。


A  侵襲的な検査には、血液検査、脳波検査、超音波検査などがある。

B  抗てんかん薬のバルプロ酸やカルバマゼピンでは、定期的に血中濃度を測る。

C  甲状腺機能低下症では、意欲低下、注意集中困難、思考の遅延がみられる。

D  てんかんなどのけいれん性疾患では、脳波検査で棘波、棘徐波が出現する。

E  頭部のCT検査やMRI検査などにより、脳の画像診断を行う。
  • ( A )○   ( B )○   ( C )×   ( D )○   ( E )×
  • ( A )○   ( B )×   ( C )○   ( D )×   ( E )○
  • ( A )×   ( B )○   ( C )○   ( D )○   ( E )○
  • ( A )×   ( B )○   ( C )×   ( D )×   ( E )○
  • ( A )×   ( B )×   ( C )×   ( D )○   ( E )×

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

解答は( A )×   ( B )○   ( C )○   ( D )○   ( E )○です。

A、×

 医療における「侵襲」とは検査や処置の際に患者の体にかかる痛みや負担のことをいいます。

 生体機能検査が侵襲的検査として挙げられ、負荷試験や肝・腎臓機能検査はこの検査に分類されます。

 問題文にある超音波検査・脳波検査は生体機能検査のため非侵襲的検査と言えます。血液検査において注射針が刺さる痛みはありますが、我慢できる痛みのため低侵襲的検査と言われます。

B、〇

 バルプロ酸もカルバマゼピンもてんかんによって起きた痙攣の時に使用する抗痙攣薬です。

 バルプロ酸を使用する際の副作用として肝機能障害・高アンモニア血症を伴う意識障害等があります。バルプロ酸を投与する際の注意点として肝機能とアンモニアの測定を投与開始からほぼ毎月6か月間、その後も年に3~4回程度行い異常値の早期発見が大切です。

 カルバマゼピンも使用した際の副作用の事例が多く聞かれます。具体的には排尿困難・感覚異常・低ナトリウム血症等が挙げられ、長期の使用中でも併用薬によっては血中濃度の上昇による有害事象が発生する場合があり血液検査が必要です。

C、〇

 甲状腺機能低下症とは、慢性的な甲状腺の炎症などにより甲状腺ホルモンが出なくなり、活動性が低下することによってむくみや全身のだるさ、活気がなくなる病気です。

 初期の時点ではほとんど症状がみられませんが、進行するにつれて問題文にあるような意欲低下・注意集中困難・志向の遅延などがみられるようになります。

D、〇

 通常、脳内の神経細胞の電気刺激は興奮と抑制がバランスよく保たれています。しかし、てんかん発作では脳内の電気刺激バランスが崩れ、大脳皮質の神経細胞に過剰な興奮が突然起こってしまいます。問題文にある棘波(きょくは)や棘徐波(きょくじょは)とはてんかん発作時に見られる脳波の波形の種類です。

E、〇

 現在、脳の画像診断は頭部CT検査とMRI検査が主流です。

 CT検査のメリットはMRI検査よりも安全性が高く手軽におこなえる点です。その代わりにMRI検査よりも細かい部分が見えにくいというデメリットがあります。

 それに対してMRI検査のメリットはCT検査と比較して細かい変化がわかりやすいという点があります。それに加え骨への影響がありません。デメリットとしては強力な磁石を使用するためペースメーカーのように体内に金属が埋め込まれている場合は使用することができません。さらに検査自体に時間がかかることや、専門の技師がいないと検査ができないこと等がデメリットとして挙げられます。

参考になった数18

02

正解は( A )×   ( B )○   ( C )○   ( D )○   ( E )○です。

A 侵襲的な検査とは、患者の身体に傷をつけて行う検査のことを言います。血液検査は血管に針を刺すため、侵襲的な検査の中に分類されます。脳波検査、超音波検査は、患者の身体に傷は付けないので、非侵襲的検査になります。

B 適切です。抗てんかん薬のバルプロ酸やカルバマゼピンはけいれんを抑えるための薬です。副作用として、肝機能障害・高アンモニア血症を伴う意識障害、低ナトリウム血症等があるため、定期的に血中濃度を測る必要があります。

C 適切です。甲状腺機能低下症とは、慢性的な甲状腺の炎症などにより甲状腺ホルモンが出なくなり、活動性が低下する病気です。主な症状として、意欲低下、注意集中困難、思考の遅延、全身の疲れやむくみなどが見られます。

D 適切です。てんかんなどのけいれん性疾患では、脳波検査で棘波、棘徐波が出現します。これは、脳内の電気刺激バランスが崩れているためです。

E 適切です。頭部の異常はCT検査やMRI検査などにより、脳の画像診断をします。

参考になった数13

03

正解は( A )×   ( B )○   ( C )○   ( D )○   ( E )○ です。

A × 不適切です。

侵襲的検査とは体に傷(ダメージ)をつけて行う検査です。

血液検査は針をさして採血するので、侵襲的検査に含まれます。

脳波検査と超音波検査は体に非侵襲的検査に含まれます。

B 〇 適切です。

てんかんの治療においては、数年から、ときには数十年にわたって抗てんかん薬を飲み続けることがあります。

C 〇 適切です。

甲状腺機能低下症とは、慢性的な甲状腺の炎症などにより甲状腺ホルモンが出なくなります。

意欲低下、注意集中困難、思考の遅延がみられます。

D 〇 適切です。

てんかんなどのけいれん性疾患では、脳波検査で棘波(きょくは)、棘徐波(きょくじょは)が出現します。

棘は「とげ」と読みます。

E 〇 適切です。

頭部のCT検査やMRI検査などにより、脳の画像診断を行います。

MRI検査は磁石と電波で、CT検査は、放射線によって画像を得ます。

参考になった数9