保育士の過去問
平成29年(2017年)前期
子どもの保健 問115

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問題

保育士試験 平成29年(2017年)前期 子どもの保健 問115 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
4歳のM君は、6か月前から保育所に通っている。M君の母親は、担当保育士にM君が危険な行動を頻繁にすることを訴えた。例えば家では高いところから飛び降りたり、ガラス戸に突進したり、外出時も車の方に駆け出すなどをするという。保育所では、現在までに訴えのような危険な行動は見られず、発達については特段の問題はないと捉えている。

【設問】
次のうち、担当保育士が行うべき対応について適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。


A  お迎えの場面での母親に対する子どもの行動をよく観察する。

B  母親に育児について他に困っていることがないかを尋ねる。

C  現時点では地域の支援機関を検討する必要はない。

D  保育所では問題行動がないので、危険な行動は気にしないように母親に伝える。
  • ( A )○   ( B )○   ( C )×   ( D )×
  • ( A )○   ( B )×   ( C )○   ( D )×
  • ( A )○   ( B )×   ( C )×   ( D )○
  • ( A )×   ( B )○   ( C )○   ( D )×
  • ( A )×   ( B )○   ( C )×   ( D )○

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

A 適切です。Mくんの問題行動は、保育所でなく家庭で起こっているとのことなので、お迎えの時の母親への態度や言動はよく観察しお互いの関係について把握する必要があります。

B 適切です。Mくんの行動以外に母親が悩んでいることや気にしていることがあるかもしれません。会話の中でさりげなく聞くことが大切です。

C Mくんの行動について、担当保育士と母親だけの間だけで解決しようとせず、保育所全体で対応を考えたり、地域の支援機関に相談し連携を取りながら支援をしていくことが大切です。

D 母親の悩みを「気にしないように」と伝えるのは母親の思いを否定しているようにも受け取れます。母親の悩みに寄り添い、一緒に解決しようとしていくことが大切です。

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02

解答は1です。

A、〇
 現時点で保育所では母親の言っているような行動は見られず、発達についての問題もなさそうとのこと。
 となると、保育所に入ってから6か月ということで環境の変化に慣れきっておらず母親への甘えたい気持ちや気を引きたいがためにこのような行動をしている可能性があります。
 保育所では見られない行動の原因を知るタイミングとしてお迎え時の様子観察はよい機会です。

B、〇
 今回相談を受けたこと以外にも母親は悩みを抱えているかもしれません。他に困っていることを聞き出す中で、今回の問題につながるヒントを得られることになるかもしれません。相談された内容に真摯に向き合いつつ、困っていることをさらに聞き出し受容することで母親の不安を軽減できるよう努めるのも保育士の役割です。

C、×
 家庭での行動とはいえ危険な行動を繰り返すM君の様子は気がかりです。療育センター等、利用できる地域支援については調べておき、いつでも情報提供できるよう準備しておく必要があります。

D、×
 現時点では、保育所では相談されたような行動は見られていませんが、今後保育所でも同様の行動が見られるようになる可能性は大いにあります。
 家庭での行動に変化があれば知らせてもらい、また保育所での行動にも変化があれば母親に知らせるようにし、連携して見守っていく必要があります。

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03

正解は1です。

A 〇 適切です。
家庭と園での子どもの姿が違う場合は、お迎え時の母親と子どものかかわりなどから、どのような状況なのか、考えることができます。

B 〇 適切です。
他にも困っていることを知ることで、母親が子どもをどのように理解しているのか、子どもがどのような特性があるのか知るきっかけになります。

C × 不適切です。
保育所での情報共有はもちろん、地域の支援機関を検討する必要があります。

保育所では危険な行動は見られず発達にも特段の問題はありませんが、母親の訴えもあることから、家庭・地域と連携を取りながらM君をみていく必要があります。
また、母親に地域の支援機関を紹介していきます。

D × 不適切です。
母親に気にしないと言うのではなく、家庭では危険行動をとる、という事から、今後は保育所内でも注意していきます。
園で見られないことでも、保護者との連携は子どもを理解するうえで必要なことです。

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