保育士の過去問
令和元年(2019年)後期
保育実習理論 問155

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問題

保育士試験 令和元年(2019年)後期 保育実習理論 問155 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
母子生活支援施設で実習をしているPさん(21歳、女性)は、実習指導を担当する職員からQさん(20歳、女性)とWちゃん(1歳6か月、男児)の母子の自立支援計画の作成をするよう指示された。
Qさんは外国で生まれ育ち、3年前に就労目的で日本にやってきた。職場で日本人の男性と知り合い、結婚し、Wちゃんを出産したが、その直後から夫はQさんに対して暴力を振るうようになった。そのため、QさんはWちゃんを連れて逃げだし、DV被害者を対象としたシェルターに保護された。その後、現在の母子生活支援施設に入所して1か月が経った。Qさんは日本語での日常会話や簡単な読み書きしかできない。Wちゃんは元気に施設の近くにある保育所に通っており、新しい生活に慣れてきた。しかしQさんは、身近に相談できる友人がいないため、将来の生活に対して漠然と不安を感じている。Wちゃんのためには夫のもとに戻った方がよいのではないかと考えたり、怖いので戻りたくないと考えたり、混乱している状況である。また、現在のところ、夫との離婚は考えていない。

【設問】
次のうち、Pさんが作成する自立支援計画の1か月以内の取り組みの内容として、最も適切な記述を一つ選びなさい。
  • 本人の意向を尊重し、夫との関係修復を目標とする。
  • 養育の負担を減らすため、Wちゃんを児童養護施設に措置し、Qさんは日本語の修得を目指す。
  • DVによるQさんの心理的被害への治療に取り組む。
  • Wちゃんに適切な養育環境を提供するため、里親委託を目指す。
  • 夫との関係を断ち切るために、Qさんと夫との離婚調停を進める。

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この過去問の解説 (3件)

01

1は不適切です。
Qさんの意向を尊重するのはもちろんですが、夫からのDV問題が解決していないままの状態では、Qさんへの暴力、そしてWちゃんへの虐待につながる恐れも出てくるので慎重に考えていくことが必要です。

2は不適切です。
現状ではQさんとWちゃんの間の母子関係に不安は見受けられないので、なるべく母子を離さずに問題を解決していく道を探していく必要があります。

3は適切です。
DV被害を受けた心の治療が先決です。
治療が落ち着いた段階で、先のことを考えていきます。

4は不適切です。
現状では、Wちゃんは元気に保育所に通っているとのことなので、無理に環境を変えることはかえって不安定にさせてしまう恐れがあります。

5は不適切です。
本人が夫との離婚を考えていないという記述があるので、本人が望まない決定を押し付けてはいけません。

よって正解の適切な記述は3となります。

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02

正解は3です。

1 DVが解決していない状態での夫との関係修復はQちゃんのためにも避けた方が良いです。

2 WちゃんとQさんの親子関係は悪くないため、2人を引き離すことはWちゃんの不安にさせてしまう可能性の方が高いです。2人を引き離さずに問題を解決していく方が良いでしょう。

3 適切です。DVにより心理的な傷を受けたWちゃんやQさんの心理的ケアを優先させることが必要です。

4 前述にも記したようにQさんには子育てへの不安は見受けられません。Wちゃんのためにも親子を引き離さずに問題解決に努めることが大切です。

5 Qさんは夫との離婚を考えていません。本人の意思を尊重しながら別の方法で問題を解決していく必要があります。

参考になった数4

03

正解は3です。

1 ×

D V被害にあっているとのことから、
引き合わせるには危険があります。
また、Qさんは混乱している状況であるので、
今の意向だけで判断することは
難しいと考えられます。

2 ×

Wちゃんは、元気に保育園を利用、
新しい生活にも慣れてきています。
現状の支援が適切であり、
QさんとWちゃんを引き離す必要性は
低いと考えられます。


3 ○

漠然とした不安を抱えていること、
混乱している状態であることから、
D V被害から心理的に被害を受けている
可能性が考えられます。
まずはその治療が優先されます。

4 ×

Qさんは混乱している状況にあり、
また、現在のところ
離婚を考えていないとのことなので、
1ヶ月以内に取り組むべき課題とは考えにくいです。

参考になった数2