保育士の過去問
令和2年(2020年)後期
保育の心理学 問80

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問題

保育士試験 令和2年(2020年)後期 保育の心理学 問80 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、子どもの認知発達に関する記述である。( a )~( d )の下線部分に関連の深い語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

4歳児クラスではお店屋さんごっこの準備をしている。お店で売る品物が出来上がったところで、保育士は子どもたちにお金を作るための折り紙を渡し、一人10枚ずつ取るように伝えた。Rちゃんは、折り紙を1枚ずつ指でさしながら、( a )「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。」と声に出して唱えて( b )「10枚だぁ。」と、嬉しそうにつぶやいた。折り紙をもらった子どもたちは、お金を思い浮かべながら( c )硬貨や紙幣を作った。お店の準備が整い、売り買いが始まると、子どもたちは「いらっしゃいませ。」「これください。」「○○円です。」「○○円のおつりです。」と、日常生活で目にするお店でのやりとりを再現した。
このようにごっこ遊びの展開では、( d )現実を手がかりにしながらイメージを膨らませるとともに、自分がイメージしたことを言葉で表現し、相手の気持ちを推測してイメージを調整する力が必要とされる。

【語群】
ア 数の保存   イ 計数  ウ 見立て  エ 想像
オ 基数の原理  カ 模写  キ 指数   ク 空想

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。
  
a イ 
「計数」とは、数をかぞえることです。

b オ 
「基数の原理」とは、物を数えた時に、最後の数が全体の量を表すことです。

c ウ 
「見立て」とは目の前にあるものを、その場にない別物に見立てることです。

d エ 
現実を手掛かりにしながらイメージを膨らませるのは「想像」です。

参考になった数47

02

正解は2です。

(a)イ 計数
「1、2、・・・、10。」と
声に出して唱えて、
折り紙を数えている場面なので、
「計数」であると考えられます。

(b)オ 基数の原理
子どもが、「計数」を
身につけるためには、
いくつかの発達過程を経る必要があります。
心理学者であるゲルマンは、
次の5つの原理
(5原則と言われることもあります。)
を明らかにしました。

1. 一対一の原理
2. 安定した順序の原理
3. 基数の原理
4. 抽象性の原理
5. 順序無関係の原理

上記のとおり、
「基数の原理」は、
ゲルマンの5原理の一つです。
折り紙を数えると最後の数は10でした。
この「10」が折り紙の枚数になります。

(c)ウ 見立て
折り紙をもらって、
「お金を思い浮かべながら
硬貨や紙幣を作った」ので、
折り紙をお金に見立てていると考えられます。

(d) エ 想像
ごっこ遊びの中で、子どもは、
「現実を手がかりにしながら
イメージを膨らませる」こと、
つまり想像する力を働かせ、
発達させていきます。

空想とは、頭の中に、
現実にはありえないこと、
関係のないことを
思い浮かべることをいいます。

また、模写とは、
あるものにまねて写しとることを
いいます

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03

解答. 2
a. イ 計数
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。」と
声に出して唱えていることから、
「計数」であると考えられます。

b. オ 基数の原理  
基数の原理とは、
ゲルマンが説いた5つの原理の一つで、
「最後に数えた数が、全体の数だと理解できる」
ことを言います。
今回のケースでは、
Rちゃんは折り紙を数え終わった後、
「10枚だ」と言っていますので、
「基数の原理」に当てはまります。

ちなみに、ゲルマンの5つの原理とは、

① 一対一の原理
② 安定した順序の原理
③ 基数の原理
④ 順序無関係の原理
⑤ 抽象性の原理

の、5つがあります。

c. ウ 見立て
お金を思い浮かべながら、
その場にない硬貨や紙幣を作っているので、
「見立て」に当たります。
「見立て」は、その場にあるものを、
その場にはないものに見立てることです。

d. エ 想像
ごっこ遊びで、現実を手がかりにしながら
イメージを膨らませる過程は「想像」に当たります。

アの「数の保存」は、あるコップに入れた水を、
別のコップに入れ替えたとしても、
その水の量は同じだと理解できることです。

カの「模写」は、描かれた図形などを認識し、
別の紙に写しとることです。
  
クの「空想」は、現実には存在しない世界などを、
頭の中に思い浮かべる段階のことです。

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