保育士の過去問
令和3年(2021年)前期
子ども家庭福祉 問57

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問題

保育士試験 令和3年(2021年)前期 子ども家庭福祉 問57 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、以下の問に答えなさい。

【事例】
X保育所で5歳児クラスを担当しているY保育士は、送迎時にクラスのZ君の母親の表情が暗く、Z君へのきつい対応が気になっていた。母親に何度か声をかけたが「大丈夫です」と答えるばかりだったので、しばらく様子を見守っていた。ある日、改めてZ君の母親に声をかけると、母親は突然泣き出した。Y保育士が別室に案内し、落ち着いた後、主任保育士とともに話を聞いたところ、深刻な表情で「半年ほど前から夫からのひどい暴言が続き、たまに暴力も受けている。子どもに対する暴言・暴力はないが、離婚を考えている。でも、怖くて夫に言い出せない。」と話した。

次の文のうち、Y保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  公平な判断のためにZ君の父親の話も聞く必要があるので、後日父親を連れて保育所に来るように説得する。
B  今後もいつでも相談に乗る旨を伝え、担当と主任保育士だけでなく保育所全体で支援できるよう、職員間で情報を共有し、職員全員でZ君と母親の支援を図る。
C  Z君には両親が必要なので離婚をするのではなく、夫婦で十分に話し合うことを提案する。
D  Z君の母親の不安や夫に対する恐怖などの気持ちを受け止める。

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この過去問の解説 (3件)

01

解答. 3

A:×です。

母親の話では暴力もあるようですし、慎重な対応が求められます。

他人に話したことを父親に知られると、大変な事態に繋がる恐れがあります。

専門の相談機関を紹介するなど、適切な対処が必要です。

B:○です。

適切な対応です。

保育所全員で支援する必要があります。

C:×です。

離婚を考えているという母親の気持ちを否定した提案をするのではなく、

受け止めたうえでの支援が求められます。

D:○です。

適切です。

まずは、気持ちを受け止めることが大切です。

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02

正解は3です。

A ×

事例の内容から、保育園の送迎は母親が主となっていることが伺われます。

関係が思わしくない父親を、保育園に来るよう説得するのは現状では難しいと考えられます。

B ○

虐待への対応においては、親自身が困りことを抱えている場合もあり、保護者への支援が大切です。

また、ひとりの保育士が抱え込むことなく、保育園の職員全体で関わることが原則です。

C ×

Z君のお母さんは、夫との離婚を考えているが、怖くて言い出せないと話をしています。そのように感じているお母さんに話し合いを提案するのは、この場面には相応しくないものと考えられます。

まずは、母親の思いを受け止め、理解に努めることが大切です。

D ○

事例によると、表情の暗い母親に何度か声をかけたところ、ある日突然泣き出し、困りごとについて話をしています。

日常的に関わりを持っていたからこそ、Z君のお母さんは気持ちを打ち明ける場を持つことができたと考えられます。

保育士は表出している不安や恐怖などの気持ちを受け止めることが大切です。

以上より、A:×  B:○ C:× D:○となり、3が正解となります。

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03

A × 

父親は暴力をふるっているということなので、慎重な対応が求められます。保育園側にも危害を及ぼしたり、さらに暴力がひどくなる可能性もあるため、保育士としての対応は得策ではありません。

B 〇

保育士一人で抱えるのではなく、保育園で情報共有を行い、園全体で支援していく必要があります。

C ×

家族、夫婦の問題であり、保育士が重要なことについて判断をしたり、提案したりすべきではありません。

D 〇

まずは、母親の不安や恐怖を受け止め話を聞き、適切な対応が出来るように園全体で話あう必要があります。

これらのことから、正解は3です。

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