保育士の過去問
令和3年(2021年)前期
子どもの保健 問112
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問題
保育士試験 令和3年(2021年)前期 子どもの保健 問112 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
M君(3歳、男児)の家族は、2か月前に引っ越してきた。M君は保育所入所初日、母親と別れるや、母親を振り返ることもなく複数の保育士に駆け寄り、足にしがみついたり、後追いをした。そのため、それぞれの保育士は抱っこをしている必要があった。言葉の遅れはないようだが、あまり子どもらしくない言い回しを使うことがあった。園に慣れると他の子どもと楽しそうにやり取りをして遊ぶこともできるようになったが、たえず大人の視線や反応を気にしている様子がみられた。帰りの時間、他の子どもの父母が迎えに来たのを見かけると、自分から話しかけ、ついて行ってしまいそうになった。自分の母親が迎えに来ても、ブロック遊びを中断しなかった。
【設問】
次の文のうち、M君についての理解や対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A M君に、社交的で積極的な気質があることを評価して、その後の保育でその面を維持し、より伸ばす保育を心がける。
B 緊急性はないのでM君の行動を今後半年程度、慎重に観察する。
C M君は、新しい状況で緊張や不安が強いため、職員になだめを求めていると理解し、M君の職員への接近をできるだけ受け止めるようにする。
D M君の背景として、社会的ネグレクトも考えられるため、園長も含め園内で児童相談所通報の選択も含めた議論を早急に行う。
【事例】
M君(3歳、男児)の家族は、2か月前に引っ越してきた。M君は保育所入所初日、母親と別れるや、母親を振り返ることもなく複数の保育士に駆け寄り、足にしがみついたり、後追いをした。そのため、それぞれの保育士は抱っこをしている必要があった。言葉の遅れはないようだが、あまり子どもらしくない言い回しを使うことがあった。園に慣れると他の子どもと楽しそうにやり取りをして遊ぶこともできるようになったが、たえず大人の視線や反応を気にしている様子がみられた。帰りの時間、他の子どもの父母が迎えに来たのを見かけると、自分から話しかけ、ついて行ってしまいそうになった。自分の母親が迎えに来ても、ブロック遊びを中断しなかった。
【設問】
次の文のうち、M君についての理解や対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A M君に、社交的で積極的な気質があることを評価して、その後の保育でその面を維持し、より伸ばす保育を心がける。
B 緊急性はないのでM君の行動を今後半年程度、慎重に観察する。
C M君は、新しい状況で緊張や不安が強いため、職員になだめを求めていると理解し、M君の職員への接近をできるだけ受け止めるようにする。
D M君の背景として、社会的ネグレクトも考えられるため、園長も含め園内で児童相談所通報の選択も含めた議論を早急に行う。
- A:○ B:○ C:○ D:○
- A:○ B:○ C:○ D:×
- A:× B:○ C:× D:×
- A:× B:× C:× D:○
- A:× B:× C:× D:×
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は【4】です。
この【事例】からはM君は
・母親と離れることが苦でない
・職員やほかの子の両親へアプローチを行う
ということが読み取れ、母親との愛着関係がうまくいっておらず、ほかの大人への要求をしている可能性が推測されます。
A:×
「社交的で積極的な気質」があるようにも見えますが、大人の視線をたえず気にするなど気になる点があります。個性でなく、どうしてそのような行動をしているのか、背景を探る必要があります。
B:×
緊急性がないとは言えません。
C:×
母親との愛着関係がうまくいっているかを確認し、大人との接し方を教えていく必要もあります。
D:〇
母親が迎えに来ても、遊びを中断しないなど気になる点があります。職員間で共有し状況に応じた対応をとる体制を整えなければなりません。
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02
正解は4です。
A ×
事例より、複数の保育士に駆け寄ったり、他の子どもの父母が迎えにくると自分から話しかけたりする様子がわかります。
一方、保育所入所日にもかかわらず、母親と別れても振り返ることもなく、迎えに来てもブロック遊びを中断しない様子もみられます。
しかし、保育士が抱っこをしている必要があったり、他の子どもの父母に付いて行ってしまいそうになったりするなど、社交的な気質であることとは違う一面もみられています。
B ×
事例の情報だけでは緊急性がないとは判断できません。
生命を脅かすような状況がないか、安全が確保されているかどうか、慎重に観察していく必要があります。
C ×
母親と別れ、複数の保育士に駆け寄り、足にしがみついたり、後追いをしたとの様子から新しい状況で緊張や不安が強いとも受け取れます。
しかし、母親を振り返らない、絶えず大人の視線や反応を気にしている様子があるなど、単に職員になだめを求めているわけではないと考えられます。
D ○
社会的ネグレクトとは、十分な養育環境しか与えられず、愛情などの基本的な情動欲求が養育者により満たされることが持続して欠落している状況を指します。
入所日当日から、Mくんが、母親と離れる時に振り返らず保育士の後追いをしたり、あまり子どもらしくない言い回しを使うことがあった、大人の視線や反応を気にする様子がみられた、他の子どもの親についていってしまいそうになった、母親が迎えにきてもブロック遊びを中断しなかった、との情報から、社会的ネグレクトが示唆され、適切な対応を要するものと考えられます。
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03
A × 一見社交的のように見えますが、母親がきても反応が薄いことから、その背景にはどのようなものが隠れているのか知る必要があります。
B × 緊急性がないとはいいにくいです。
また、半年の間にどのような変化があるかわからないことから、もっと短いスパンで観察していく必要があります。
C × 何かしらの強い不安をかかえているように思えます。
大人の目を気にしているところもあるため、単になだめを求めているわけではありません。
D 〇 母親がきても反応が薄いことから、ネグレクトも視野にいれ、適切な対応が求められます。
これらのことより正解は4となります。
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