問題
【事例】
T保育所の5歳児クラスのJ君は、言葉があまり話せず、走ることも苦手でオムツも取れていない。靴を脱ぐことも給食を食べることも、とても時間がかかる。周りの子どもたちは、J君が自分でできることは見守ったり声をかけたり、励ましたりする様子が日頃から見られている。
そんな中、運動会では5歳児クラスが2つのグループに分かれて紅白リレーを行うことになった。早速、練習が始まったが、J君が入るグループはいつも大きな差がついて負けてしまう。クラスの保育士は、どんなルールでリレーを行うとよいかをクラスの子どもに聞いてみた。クラスの子どもから、
「J君の前と後ろを足の速い子にする」、「J君は走る距離をみんなの半分にする」といった意見が出た。J君もうれしそうに話を聞き、みんなで練習をがんばろうとの話になった。
【設問】
保育士の振り返りとして、「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」に照らし、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 子どもたちから、J君が入ると負けてしまう、J君はリレーに参加しないほうがいいといった意見が出るかと思ったが、クラス全員でリレーを楽しめる方法につながる意見が出て良かった。
B J君がみんなと同じようにリレーをできないのは不平等になるので、参加させないほうがいいのではないか。
C J君のリレーへの参加については、引き続き様子を見て、必要な対応を考えていこう。
D リレーへの参加について、J君の保護者の気持ちはどうなのか、クラスの子どもの意見も伝えながら聞いてみよう。
E J君のリレーへの参加について、他の職員に相談すると負担をかけてしまう。クラスの保育士だけで対応することにしよう。