保育士の過去問
令和3年(2021年)後期
子ども家庭福祉 問56
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問題
保育士試験 令和3年(2021年)後期 子ども家庭福祉 問56 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Y保育所のX保育士は2歳児クラスを担当している。ある日の夕方、迎えの際に、Zちゃんの母親がX保育士に「Zは食が細くてあまりご飯を食べません。わざとこぼしたり、立ち歩いたりして、イライラして叱ってばかりです。クラスの他の子どもたちはよく食べていると聞き、食事のたびに強いストレスを感じています」と話をした。
【設問】
次のうち、X保育士の対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「お母さんが叱りながら食べさせようとするから、Zちゃんは食事が嫌なんだと思います。このままだと発育に遅れが出ますよ」と諭した。
B 「他のご家庭のお母さんやお父さんもたいへんな状況の中で頑張っておられます。お母さんもZちゃんのために頑張ってください」と励ました。
C 母親のストレスを受け止めつつ、「年齢的に遊び食べが盛んになる頃なので、あまり気にしなくても大丈夫ですよ。どうすればよいか一緒に考えましょう」と話した。
【事例】
Y保育所のX保育士は2歳児クラスを担当している。ある日の夕方、迎えの際に、Zちゃんの母親がX保育士に「Zは食が細くてあまりご飯を食べません。わざとこぼしたり、立ち歩いたりして、イライラして叱ってばかりです。クラスの他の子どもたちはよく食べていると聞き、食事のたびに強いストレスを感じています」と話をした。
【設問】
次のうち、X保育士の対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「お母さんが叱りながら食べさせようとするから、Zちゃんは食事が嫌なんだと思います。このままだと発育に遅れが出ますよ」と諭した。
B 「他のご家庭のお母さんやお父さんもたいへんな状況の中で頑張っておられます。お母さんもZちゃんのために頑張ってください」と励ました。
C 母親のストレスを受け止めつつ、「年齢的に遊び食べが盛んになる頃なので、あまり気にしなくても大丈夫ですよ。どうすればよいか一緒に考えましょう」と話した。
- A:○ B:○ C:○
- A:○ B:○ C:×
- A:○ B:× C:○
- A:× B:○ C:×
- A:× B:× C:○
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この過去問の解説 (4件)
01
保育士は、相談支援によって、保護者自身が問題解決することをサポートすることが大切です。
ポイントは4つ
①保護者の話を傾聴する・・・相談している保護者の話に耳を傾けること。保育士を信頼し相談を持ち掛けてくれたことに感謝する気持ちを持つと、話は聞きやすいです。
②相談の主訴を見つけること・・・保護者が一番解決を望んでいる事をつかみ、その解決策を一緒に探す気持ちで、ポイントを探ります。食事の悩みなら、食事の何に悩んでいるのかという事です。
③経過を把握する・・・相談内容がいつごろから始まって、どのような経過をたどっているのか聴いてみると良いです。その中で、保護者の気持ちを受け止めることも大切になってきます。保護者の捉え方、子どもの成長とを照らし合わせながら話を聞くと、子どものつまずきにも気づけます。
④解決策を共有する・・・保育士と保護者の連携をとることで問題解決を図ることです。子どもにとって保育園も生活の場です。保護者と一貫性のある対応を心掛けることで、子ども自身の心も安定し、保護者も自分の意思でサポートを受けながら、問題解決に向かえます。
以上を踏まえて
Aの回答は、保護者の気持ちを受け止めての言葉とは思えません。保護者の子育てを
否定するような言葉は、信頼関係をなくしてしまいます。 よって×です。
Bの回答は、保育士は、保護者の育児支援をすることも大切な役割です。「一緒に頑張りましょう」という気持ちをもって話をすると良いです。「頑張って」は一見励ましの言葉に聞こえますが、育児をされている保護者の方は、充分頑張っておられます。そのことを念頭において話せると良いです。 よって×です。
Cの回答は、母親のストレスを受け止めること、子どもの発達段階を踏まえた言葉がげも良いです。保育士はともに子育てをする、いわばパートナーです。一緒に、、、という表現は保護者の気持ちも軽くしてくれる温かい言葉で良いです。 よって〇です。
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02
保護者支援を行う際には、
・保護者の気持ちに寄り添って話を聞くこと。
・どんなことを悩んでいてどうしてほしいのかを明確にする。
・いつから、どのように問題が起こっているのかを聞く。
・保育園でどう支援するか、家庭ではどうしてもらうのがいいかを提案する。
以上の内容をすべて心掛けなければいけません。
Aは不適切です。
母親のことを否定し、今後にも暗い見通しを立てているため、保護者をより辛い気持ちにさせてしまいます。
Cは適切です。
母親の気持ちを受け止めた上で、励まし、「一緒に考えましょう。」と呼びかけることで、母親の気持ちは楽になるでしょう。
Bは不適切です。
他の家庭との比較は、ますます母親を苦しめることになります。
Bが不適切で、Cは適切です。
この選択肢が正解です。
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03
正解は5(A× B× C〇)です。
保護者支援において以下の4点がポイントになります。
①話を傾聴すること(気持ちに寄り添い、話を聞きます)
②主訴を見つける(何に悩み何を望んでいるのかを明確にする)
③経過の把握(いつから、どのように問題が起こっているのかを把握することで解決策を考えることができます)
④解決策の提案・共有(保育園での支援内容や家庭での働きかけを提案します)
A→×
話の傾聴ができておらず、気持ちに寄り添えていません。否定されると保護者は不快な気分となり信頼関係がうまく構築できなくなります。
B→×
主訴を見つけることができていません。保護者が何に悩んでいるかを明確にし「頑張ってください」と保護者任せにするのではなく、一緒に解決策を考えていくことが求められています。
C→〇
話を傾聴し気持ちに寄り添い、発達の過程を伝えながら一緒に解決策を考えようとしています。
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04
保護者支援は、保育士の大事な仕事のひとつです。
この問題は子どもの食事面での悩みですが、時には、家族の悩みや不安を保護者の気持ちに寄り添いながら聞くこともあります。
保護者支援は、保護者の育児のサポートをすることが一番の目的であることを忘れずに普段から信頼関係を築くコミュニケーションも必要です。
A、Bの記述が間違っています。
Aの「お母さんが叱りながら食べさせようとするから、Zちゃんは食事が嫌なんだと思います。このままだと発育に遅れが出ますよ」という声かけは、母親を否定し、発達の遅れが出る、と不安を煽るもので決して言ってはいけません。
まずは、しっかりと保護者の話を聞き、保護者の気持ちに寄り添いましょう。
A、B、Cが間違っています。
Bの「他のご家庭のお母さんやお父さんもたいへんな状況の中で頑張っておられます。お母さんもZちゃんのために頑張ってください」は、他の家庭と比べている点でよくありません。
Aが間違っています。
対応としてまず、保護者の話をしっかり聞いた上で、保育園での様子や発達段階の特徴をを伝えることも良いでしょう。
その際は、子どもの成長を感じられるエピソードを伝えることがポイントです。
保護者は安心や信頼を感じられ、また相談してくれるようになります。
Bの記述は間違いなので、×が正しい答えです。
保護者は、日々の育児と仕事で疲弊しています。
頑張ってください、と励ますより、サポートしてく姿勢や一緒に手立てを考えていくことを伝えましょう。
正しい組み合わせです。
まず、気持ちを受け止めている点が良いです。
そして、年齢的に遊び食べが盛んになる頃なので、と伝えることで自分の子どもだけではないと感じられ安心できる対応です。
どのような事でも、保護者が保育士に相談するというのは勇気がいることで、また信頼をしてくれている証拠です。
指導する、教えるという態度は、関係を壊してしまうことがあります。
まずは、保護者の気持ちに共感して一緒に育てていくという気持ちで寄り添っていきましょう。
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