保育士の過去問
令和3年(2021年)後期
子ども家庭福祉 問57
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問題
保育士試験 令和3年(2021年)後期 子ども家庭福祉 問57 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Mちゃん(1歳、女児)は母親と2人で暮らしている。母親は元夫から受けたDVが原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)およびパニック障害があり、保育所を利用しながら地域で暮らしている。最近母親の症状が安定していないのか、Mちゃんの衣服やおむつを替えないまま、保育所へ登園してくることがあった。
週明けの月曜日、N保育士がMちゃんのおむつを取り替えようとしたところ、おむつかぶれがひどく、化膿した状態になっていた。
【設問】
次のうち、N保育士の対応として、不適切なものを一つ選びなさい。
【事例】
Mちゃん(1歳、女児)は母親と2人で暮らしている。母親は元夫から受けたDVが原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)およびパニック障害があり、保育所を利用しながら地域で暮らしている。最近母親の症状が安定していないのか、Mちゃんの衣服やおむつを替えないまま、保育所へ登園してくることがあった。
週明けの月曜日、N保育士がMちゃんのおむつを取り替えようとしたところ、おむつかぶれがひどく、化膿した状態になっていた。
【設問】
次のうち、N保育士の対応として、不適切なものを一つ選びなさい。
- お迎えに来た母親と会話をする中で、最近の家庭の様子について傾聴する。
- 児童相談所との情報共有を前提として、保育所長と相談をする。
- どうしておむつかぶれができてしまったのか、母親に明確な説明を求める。
- 母親に家庭での様子を聞いた上で、子育て短期支援事業についての情報を提供する。
- 保育所内の会議で検討した上で、母親の許可を得ずに、市町村に状況を伝える。
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この過去問の解説 (4件)
01
答えは3です。
1→〇
話の傾聴をし、状況把握に努めることは正しいです。
2→〇
関係機関や保育所長への相談は虐待が疑われる家庭への支援において最も重要です。
3→×
「どうして(オムツかぶれが)できたのか」と原因を母親に求めることは、不適切です。
精神的に障害のある保護者への対応はデリケートであり、責めたり否定をするような言葉は望ましくありません。このような対応は信頼関係の悪化にも繋がる可能性があります。
4→〇
関係機関と連携し、適切な支援が受けられるよう情報を提供することは必要な保護者支援です。
5→〇
「子どもの最善の利益」を考え子どもの命を守るためには、保護者の同意がなくても市町村(児童相談所や保健センター)への情報提供を行うことがあります。また、虐待が疑われる場合は必要機関への通告が義務となっています。
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02
虐待が疑われる状況にある子どもへの対応は、大変デリケートな問題です。
まず、おさえておくべき点は、先輩保育士、主任、所長にすぐに相談すべきことであるという点です。
この事例では、
児童の家庭環境について、母親の精神状態についても、園側が理解し、保育士との信頼関係が出来ていることが前提での回答になると思います。
①は、母親に普段通り会話をする中で、家庭の様子や母親自身の精神状態を知ることは大切です。よって適切です。
②冒頭でも述べたように、所長との相談は重要です。所長が判断すれば、児童相談所との共有も必要になります。よって適切です。
③どうしてなのか説明を促すことは、母親を追い詰めることになり兼ねず、もし本当に虐待が発生していた場合、より悪化する危険があります。よって不適切です。
④母親からの状況を聞き、受け止めたうえで、母親と子どもにとって最善の方法を見つけ、自治体と協力しながらアドバイスや提案をすることも保育士の役割です。よって適切です。
⑤子どもの最善の利益の原則から考えて、虐待が疑われる場合は、保育所が市町村に状況を伝える権利があります。よって適切です。
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03
虐待が疑われる状況にある子どもにどう対応するのかと言うことは、かなり難しいので、絶対に一人で対処しようとしてはいけません。
保護者の話を傾聴する姿勢は大切です。〇です。
かなり難しい問題なので、保育所長や先輩保育士などに相談することは適切です。よってこれは〇です。
「明確な説明を求める」ことは、母親を追い詰める可能性があるので、適切ではありません。×です。
支援策について提示することは良い判断だと言えます。〇です。
「子どもの最善の利益」を守るためには、保護者の許可なく連絡してもよいことになっています。〇です。
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04
虐待の疑いがある子への対応についての問題です。
保育士は、虐待の疑いのある子どもを見つけた場合、行政や児童相談所に通報する義務があります。
虐待の問題は、デリケートな問題であるので、園長や主任などに相談して慎重に対応しましょう。
正しい対応です。
虐待のサインは、保護者の言動や態度からも発せられることがあります。
保護者の話をよく聞き、コニュニケーションを取ることが大切になります。
正しい対応です。
担任だからとひとりで抱え込まず、保育所長、園長に相談しましょう。
不適切な対応です。
保護者を追い詰め、関係を壊してしまうことになります。
それがきっかけで保育園に来なくなってしまうことも考えられますし、虐待を加速させてしまう可能性もあるのでこのような対応は避けましょう。
正しい対応です。
保護者が助けを必要としている場合は、積極的に関係機関に繋げられるように情報を提供することも大切です。
保育所全体で検討した結果、必要であれば保護者の許可がなくても市町村に報告することができます。
連携を取りながら問題に取り組んでいきます。
虐待の問題はとてもデリケートですが、日頃から保護者とのコミュニケーションをとり、子どものことをよく見ていれば潜在的な虐待のリスクに気づけるかもしれません。
子どもが健やかに成長していけるように虐待のサインを見逃さないようにしましょう。
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