保育士の過去問
令和3年(2021年)後期
保育の心理学 問76
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問題
保育士試験 令和3年(2021年)後期 保育の心理学 問76 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、子どもの模倣に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
生まれて間もない新生児期において、( A )とムーア(Moore, M. K.)は、視覚的に捉えた相手の顔の表情を、視覚的に捉えられない自己の顔の表情に写しとること、たとえば、「舌の突き出し」や「口の開閉」など、他者の顔の表情をいくつか模倣できることを示した。
ピアジェ(Piaget, J.)は、観察した他者の動作を直後に再現することを( B )、目の前には存在しなくても以前に見た他者の動作を再現することを( C )と呼んだ。( C )では、他者の行為をある期間、記憶を保持し、それを自分の中にイメージできる( D )能力が必要となり、これは( E )遊びにも必要な能力である。
【語群】
ア:メルツォフ(Meltzoff, A.N.) イ:ローレンツ(Lorenz, K.)
ウ:言語 エ:社会模倣 オ:延滞模倣 カ:象徴
キ:表象 ク:即時模倣 ケ:平行
生まれて間もない新生児期において、( A )とムーア(Moore, M. K.)は、視覚的に捉えた相手の顔の表情を、視覚的に捉えられない自己の顔の表情に写しとること、たとえば、「舌の突き出し」や「口の開閉」など、他者の顔の表情をいくつか模倣できることを示した。
ピアジェ(Piaget, J.)は、観察した他者の動作を直後に再現することを( B )、目の前には存在しなくても以前に見た他者の動作を再現することを( C )と呼んだ。( C )では、他者の行為をある期間、記憶を保持し、それを自分の中にイメージできる( D )能力が必要となり、これは( E )遊びにも必要な能力である。
【語群】
ア:メルツォフ(Meltzoff, A.N.) イ:ローレンツ(Lorenz, K.)
ウ:言語 エ:社会模倣 オ:延滞模倣 カ:象徴
キ:表象 ク:即時模倣 ケ:平行
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2です。
メルツォフとムーア
生後間もない新生児において舌出し模倣という模倣行動が行われることを発見しています。
新生児における模倣行動は口を開ける、口をすぼめるなどが確認されていますが、乳児と比べると非常に限定的であり、これらの新生児模倣は生後2ヶ月程度で消失するという結果も報告されています。
新生児模倣の最初の考え方は
ピアジェの理論
「経験の蓄積によって模倣を学習する」というものでした。
それが鏡を見たわけでもないのに、新生児が顔の動かし方を知っているのはこの理論には当てはまらなくなります。
そこで、いくつかの仮説がだされました。
AIM仮説、、、
ミラーニューロン仮説、、、等
ピアジェの認知発達段階の捉え方
即時模倣…時間をおかずにすぐに他者を模倣すること
遅延模倣…時間をおいてから、他者の模倣をすること 例おままごと、ごっこ遊び
遅延模倣が起きる過程
表象機能…イメージ全般のことで、このイメージを経て象徴遊びに繋がっていきます。
象徴遊び…イメージを具現化したもので、おままごとや、ごっこ遊び等です。
象徴遊びが遅延模倣の代表的な例です。
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02
正解は2(Aア Bク Cオ Dキ Eカ)です。
A→ア(メルツォフ)
メルツォフとムーアは、新生児が他者の行動をまねる模倣行動が行われることを発見しました。これを新生児模倣といいます。模倣には口周りの筋肉を使った模倣が多いとされています。
B→ク(即時模倣)
ピアジェは「認知発達段階説」を唱え、思考発達段階を4つ提唱しています。
その中で、すぐに真似できることを「即時模倣」と呼んでいます。
C→オ(延滞模倣)
即時模倣とは反対に、時間をおいてから他人の行動を真似することを「延滞模倣」といいます。
D→キ(表象)
表象とは、イメージを脳内に保存することをいい、目の前にないものを別のもの(ブロックや積み木)を使って、表現する機能のことを「表象機能」といいます。
E→カ(象徴)
象徴遊びとは イメージ(表象)機能を使って遊ぶことを言い代表例ではおままごとが挙げられます。
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03
誰がどのような理論を提唱したかという問題は、よく出されます。
教科書や問題集に出てきたものは覚えておきましょう。
B、C、D、Eが間違いです。
Bのピアジェの提唱した理論は、発達段階説は、感覚運動期・前操作期・具体的操作・形成的操作期の4つの段階に分かれると言われます。
そして、その中に即時模倣が出てきます。
即時模倣とは記述の通り、観察した他者の動作を直後に再現することです。
正しい組み合わせです。
A、B、Dが間違いです。
Aには、アのメルツォフが入ります。
メルツォフは、ムーアと共に、生後間もない新生児において舌だし模倣が行なわれている事を発見しました。
これを新生児模倣と呼んでいます。
A、B、C、D、Eすべて間違いです。
Cについて、正しくはオの延滞模倣です。
ピアジェの提唱した「模倣」の一つで、ごっこ遊びも延滞模倣の一種です。
延滞模倣は、象徴機能(シンボル機能)によって可能となります。
A、C、Eが間違いです。
Eには、カの象徴が入ります。
ピアジェの提唱した「延滞模倣」は、象徴機能がないとできないのですが、象徴機能とは目の前にないものを別のもの(言葉、記号など)を使って表現する機能のことです。
理論と言われると難しいイメージですが、実際の子ども達の発達を見ていく上で大切な視点なので、興味を持って覚えられたらと思います。
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