保育士の過去問
令和3年(2021年)後期
保育の心理学 問83
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問題
保育士試験 令和3年(2021年)後期 保育の心理学 問83 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、認知の発達に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ピアジェ(Piaget, J.)は、子どもが世界を認識する過程には、( A )に異なる4つの段階があると考えた。まず、誕生から2歳頃までは「感覚運動期」と呼ばれ、子どもは身近な環境に身体の感覚や動作を通して関わり、外界を知っていく。次に、2~7歳頃は「( B )」と呼ばれ、イメージや言葉を用いて世界を捉えることが可能になるが、物の見かけに捉われやすく論理的な思考には至らない。学童期に相当する「( C )」では、量や数の( D )を理解して脱中心的な思考が可能になる。その後、おおよそ12歳以降は最終段階である「( E )」にあたり、記号や数字といった抽象的な事柄についても論理的な思考が可能になっていく。
【語群】
ア:質的 イ:前操作期 ウ:量的
エ:形式的操作期 オ:抽象的操作期
カ:保存 キ:永続性 ク:具体的操作期
ピアジェ(Piaget, J.)は、子どもが世界を認識する過程には、( A )に異なる4つの段階があると考えた。まず、誕生から2歳頃までは「感覚運動期」と呼ばれ、子どもは身近な環境に身体の感覚や動作を通して関わり、外界を知っていく。次に、2~7歳頃は「( B )」と呼ばれ、イメージや言葉を用いて世界を捉えることが可能になるが、物の見かけに捉われやすく論理的な思考には至らない。学童期に相当する「( C )」では、量や数の( D )を理解して脱中心的な思考が可能になる。その後、おおよそ12歳以降は最終段階である「( E )」にあたり、記号や数字といった抽象的な事柄についても論理的な思考が可能になっていく。
【語群】
ア:質的 イ:前操作期 ウ:量的
エ:形式的操作期 オ:抽象的操作期
カ:保存 キ:永続性 ク:具体的操作期
- A:ア B:イ C:オ D:カ E:エ
- A:ア B:イ C:ク D:カ E:エ
- A:ウ B:エ C:オ D:キ E:ク
- A:ウ B:エ C:ク D:カ E:オ
- A:ウ B:ク C:エ D:キ E:オ
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2(Aア Bイ Cク Dカ Eエ)です。
A→質的
ピアジェは認知発達理論で子どもが世界を認識する過程には質的に異なる4つの段階があると唱えました。
B→前操作期
2~7歳ごろまでを「前操作期」と呼び、目の前に物がなくても、想像することができるようになったり自分の思いを通そうとする自己中心性が現れる時期のことを言います。
C→具体的操作期
学童期にあたる7~11歳ころまでを「具体的操作期」と呼び、自分以外のことを考えて発言や行動できるようになる時期といわれています。
D→保存
具体的操作期では数的概念が理解できるようになり、量や数の保存を理解し、重さや長さ、距離などの比較も出来るようになります。
E→形式的操作期
11歳以降は「形式的操作期」と呼ばれ、自分でやったことがなくても脳内でイメージをして相手に伝えることが出来るようになります。
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02
ピアジェによる発達段階に関する問題です。
ピアジェは子どもの認知機能(思考の発達)は、外界を認識するシェマ(スキーマ構造)の質的変化が4つの段階を経て進むと考えました。
ピアジェの認知発達段階
・感覚運動期(0-2歳頃まで)(永続性・表象徴機能の獲得)
自分の目の前にあるものを見たり触れたりすることにより、外の世界に適用していく時期です。行動の結果から少しづつ行動を修正していき、行動パターン(シェマ)を獲得していきます。
・前操作期(2-7歳頃まで)(象徴機能の獲得・直感的思考・自己中心性)
象徴機能が発達する時期です。物事を他のものに見立てて遊ぶことができます。ごっこ遊びなどを楽しむ時期でもあります。
物の見かけに惑わされやすく、論理的思考は十分ではないです。
また、この時期の特徴として自己中心性が挙げられます。他者の視点や立場に立つことは難しい時期です。
・具体的操作期(7-11歳頃まで)(論理的思考・脱中心化・保存性)
具体的な物事に対してのみ、論理的思考(具体的操作)ができるようになってくる時期です。物の形や状態を変形させても重量や体積は変化しない「保存性」や、ある変化を考えた時条件を変えるとその変化と逆の方向に変化が起こって元の状態に戻る「可塑性」について理解できるようになります。
また、「脱中心化」が進み、他者の視点や立場に立って考えられるようになります。
・形式的操作期(11歳頃以降)(抽象的思考・仮説的思考)
具体的なものがなくても頭の中で思考が出来るようになる時期です。経験からだけではなく、仮説を立てて考えることができるようになります。
上記より( A )~( E )にあてはまる用語は以下になります。
A→ア.質的
B→イ.前操作期
C→ク.具体的操作期
D→カ.保存
E→エ.形式的操作期
こちらが正解です。
ピアジェの認知発達段階では、それぞれの段階でどのような特徴があるのかを理解しておきましょう。
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03
ピアジェの認知発達4段階についての問題です。
よく出題されるところなので、問題を解いた上で自分でまとめ、繰り返して覚えましょう。
C、Eが間違いです。
Cの正答はクの具体的操作期になります。学童期の頃に見られます。
正しい組み合わせです。
ピアジェは、認知発達を4つの段階にわけました。
感覚運動期(0〜2歳)
自分の目の前にあるものを見たり触れたりすることにより、外の世界に適用していく時期。
行動の結果から少しづつ行動を修正していき、行動パターン(シェマ)を獲得していきます。
前操作期(2〜7歳)
イメージや言葉を用いて世界を捉えることが可能になりますが、物の見かけに捉われやすく論理的な思考には至らない時期です。
自己中心性・保存性の未発達・アミニズム的嗜好が見られます。
具体的操作期(7〜11歳)
量や数の保存(保存性の習得)を理解し、脱中心的な思考が可能になります(脱自己中心性)。
形式的操作期(11歳〜)
抽象的嗜好ができるようになり、具体的イメージを描くことができるようになります。
また、知識、経験を応用し、結果を予測して行動・発言できるようになります。
すべて間違っています。
Aについて、ピアジェは子どもの認知機能(思考)の発達は、外界を認識するシェマの質的変化によって4つの段階にわけました。
よって、Aの正答はアの質的に、なります。
A、B、Eが間違いです。
Eについて、オの抽象的操作期というものはありません。
12歳頃の段階は最終段階の形式的操作期になります。
すべて間違いです。
Bについて、イの前操作期が正しい答えです。
この時期は、まだ自己中心性やアミニズム的嗜好がみられます。
アミニズム・・・人間以外の生物を含む、木や石など、すべての物の中に魂が宿っているという思考。
ピアジェの認知発達の4つの段階を覚えながら、その段階の特徴も一緒に覚えるようにしましょう。
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