保育士の過去問
令和3年(2021年)後期
保育の心理学 問86

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問題

保育士試験 令和3年(2021年)後期 保育の心理学 問86 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、中高年期における家族関係に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  親は子離れにあたって、親子関係を再編させること、夫婦の生活や職業上の達成に再焦点化すること、自身の高齢期に関心を持ち始めることなどの変化が必要とされる。
B  親は、子どもが家から巣立っていく時期に、子どもを送り出すことの淋しさや、子どもの世話をするという目的を失った喪失感で、抑うつ症状や心身症などを示すことがある。
C  定年退職や、自分にとって重要な他者の死に遭遇した際に、その人間関係の喪失が深い空虚感をもたらすものとなる。自分の周りに社会的ネットワークを築いていた人ほど、このような危機に効果的に対処することができると考えられる。
D  個人が有する社会的ネットワークで、身近で日頃から頼りにしている人との関係をどのように維持しうるのかという観点でモデル化したものが、ソーシャル・コンボイと言われる。生涯発達の各時点におけるコンボイの成員数や、種類には変化が生じると言われる。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は1です。

A.〇

子離れは、親の過保護や過干渉を受けずに子どもが自立していくため必要なことです。

子離れができていないと、親子とも互いに依存しあう状態になってしまいます。

親は子どもの自主性を尊重するとともに、自身についても生活を充実させていく工夫が大切になります。

B.〇

子育てがひと段落した後に心身に不調が現れる状態のことを、「空の巣症候群」と呼びます。

趣味など家庭以外に目を向けたり、人と話すなどといったことにも予防・改善の効果があるといわれていますが、症状が改善せずうつ状態へつながる可能性もあるため、医療機関への相談が必要となる場合もあります。

C.〇

社会的ネットワークが希薄な人ほど、数少ない人間関係が喪失したときに空虚感や絶望感を抱きやすくなります。

家庭、友人、職場、地域など、人とのつながりを多く持つことで、孤立を防ぎ喪失体験にも対応しやすくなると考えられます。

D.〇

ソーシャルコンボイとは、社会的ネットワークを円状に図式化したものです。

中心が個人、その周りには家族や親友など長期的に安定した関係を持つ人々が入り、外側にいくにつれて親密度が下がり、その時々の役割に基づいて変化する関係になります。

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02

正解は1(A〇 B〇 C〇 D〇)です。

A→〇

 問題文の通りです。

 子離れには親の自立も重要なポイントです。 子離れを子育ての一つとして捉え、親自身が自分の生活を充実させていく必要があります。

B→〇

 問題文の通りです。

 長年育ててきた子どもが離れ、虚無感に襲われたり抑うつ状態になってしまうことを「空の巣症候群」といいます。

C→〇 

 問題文の通りです。

 仕事や家族に依存し、狭いコミュニティーの中で生活してきた人にとって、それらを失うことはかなり喪失感を感じることになります。社会的ネットワークを広く持ち、いろいろな人との交流をすることで、喪失感を感じながらも乗り越えていけるといわれています。

D→〇

 問題文の通りです。

 周りの人に支えられながら、苦難を乗り越えていくことをコンボイモデルと言います。

ソーシャルコンボイは、内側(家族や恋人)と外側(友人、職場の人)があり、外側に行くにつれて時間的変化が生じやすいといわれています。

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