保育士の過去問
令和3年(2021年)後期
保育の心理学 問94

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問題

保育士試験 令和3年(2021年)後期 保育の心理学 問94 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、妊娠中及び出産後の精神医学的問題に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  妊婦の抑うつや不安は、子どもの死産、早産、低体重出生などのリスクとなる可能性が高い。
B  授乳中の母親への向精神薬の投与は、母乳を介しての子どもへの影響を考慮して、全面的に行われるべきではない。
C  出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に認められる妊婦を「特定妊婦」という。
D  産後うつ病は、出産直後から2週間程度で改善し、症状は子どもの発達には影響しない。
E  親が我が子を愛おしく思い、親として守ってあげたいと思うといった、子どもに抱く情緒的絆を持ちえていない状態を「反応性アタッチメント障害」という。
  • A:○  B:○  C:○  D:×  E:×
  • A:○  B:×  C:○  D:×  E:×
  • A:○  B:×  C:×  D:○  E:○
  • A:×  B:○  C:×  D:○  E:○
  • A:×  B:×  C:○  D:×  E:○

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2(A〇 B× C〇 D× E×)です。

A→〇

 問題文の通りです。

 妊娠期間中8~10人に1人はうつ病を発症するといわれています。うつ病を発症すると、早産(妊娠37週未満での出産)や低出生体重児(出生児体重2500g未満)の発生割合の上昇に関連するとされています。

B→×

 向精神薬の投与は問題ありません。

 向精神薬が母体を通して与える子どもへの影響は1%未満と言われています。  

C→〇

 問題文の通りです。

 児童福祉法では、特定妊婦について「出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦」と定義されています。

D→×

 産後うつは、産後3カ月以内におよそ10%の人がなるといわれています。喪失感や自責感などの症状が見られ、1カ月以上続きます。その間に、母親と子どもの愛着形成が行われず、言葉の遅れ等に繋がることもあります。 

E→×

  反応性アタッチメント障がいとは、虐待や育児放棄等により生育不全や対人交流の乏しさ、恐れや過度の警戒を持つ子どものことを言います。およそ5歳ぐらいまでに発症されるといわれています。

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02

正解は2です。

A.〇

妊娠中に強い不安を感じたりすることは、胎児の成長にも影響を与えると考えられています。

妊娠中は、不安やつわりなどの体調の変化、ホルモンバランスの変化などが要因となり、うつの症状が出やすいとされています。

日々のストレスを和らげることや、周囲のサポートが必要になります。

B.×

向精神薬とは、抗うつ剤、睡眠薬など、精神に作用する薬のことです。

医師の処方を受け、適切に使用するにはほとんど影響はないとされています。

C.〇

妊娠中や産後に、支援が必要とされる妊婦を「特定妊婦」といいます。

児童福祉法により定められています。

家庭の事情や、経済的な理由、妊婦の精神・身体的状況などで育児の困難が見込まれる場合に、行政に特定妊婦として認定され、公的サポートを受けることができます。

D.×

産後うつは、出産直後から産後一年以内に発生するうつで、数カ月以上の長期にわたって症状が続くこともあります。

うつ状態のまま子どもとの関わりが不十分になってしまうと、子どもの言語や心の発達にも大きな影響を与えるといわれています。

家族や公的機関、医療機関などへの相談やサポートを受け、無理をしないことが大切です。

E.×

「反応性アタッチメント障害」とは、乳幼児と養育者の愛着関係が築けていないことで起こる子どもの行動などのことを言います。

虐待やネグレクトなどが原因とされています。

過度に不安が強い、他人とコミュニケーションが取れない、逆に過剰に馴れ馴れしく接する等の行動がみられることがあります。

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