保育士の過去問
令和4年(2022年)前期
社会福祉 問15
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問題
保育士試験 令和4年(2022年)前期 社会福祉 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、ソーシャルワークの理論に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A パールマン( Perlman, H. H.)は、「状況の中の人」という視点から、心理社会的アプローチを確立した。
B ホリス( Hollis, F.)は、診断主義アプローチと機能主義アプローチを折衷し、問題解決アプローチを示した。
C ジャーメイン( Germain, C. B.)とギッターマン( Gitterman, A.)は、利用者の適応能力の向上と利用者を取り巻く環境の改善を行い、生活の変容を試みるエコロジカルアプローチを体系化した。
A パールマン( Perlman, H. H.)は、「状況の中の人」という視点から、心理社会的アプローチを確立した。
B ホリス( Hollis, F.)は、診断主義アプローチと機能主義アプローチを折衷し、問題解決アプローチを示した。
C ジャーメイン( Germain, C. B.)とギッターマン( Gitterman, A.)は、利用者の適応能力の向上と利用者を取り巻く環境の改善を行い、生活の変容を試みるエコロジカルアプローチを体系化した。
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この過去問の解説 (4件)
01
正解は5です。
【ポイント】
ソーシャルワークの理論に関しては、提唱者とその内容(キーワード)を
尋ねられることが多いです。全員の内容を覚えるのは難しくても、過去問
によく出てくる提唱者とその内容はセットにして押さえておきましょう。
A、✕
設問文はホリス( Hollis, F.)の説明をしています。
[詳細]
ホリス( Hollis, F.)
★キーワード:「心理社会的アプローチ」「状況の中の人」
ホリスが構築した心理社会的アプローチとは、個人と社会のつながりを示す
「状況(環境)の中の人」という概念を中心として、クライエントの環境面と
心理面の関連性から働きかけていくアプローチです。
B、✕
説明文はパールマン( Perlman, H. H.)の説明をしています。
[詳細]
パールマン
★キーワード:「問題解決アプローチ」「6つのP(4つのP)」「MCOモデル」
・ケースワーク(個別援助)における『問題解決アプローチ』を提唱しました。
問題解決アプローチとは、クライエントは問題を自ら解決できる能力をもつ
存在であるととらえ、クライエント自らが問題解決できるように働きかける
ものです。
・個別の援助を構成する要素のこと英語の頭文字のPで表しました。
① Person(クライエント)
② Problem(クライエントと生活環境の間にある問題)
③ Place(援助が行われる場所、施設や機関)
④ Process(援助過程)
1986年には2つのPが加わり6つのPとなりました。
⑤ Profession(専門職ワーカー)
⑥ Provision(社会福祉援助を可能とする制度や政策)
・MCOモデル(ワーカビリティ)とは利用者の問題解決能力のことを示して
います。3つの要素から構成されたもので、頭文字をとってMCOモデルと
呼ばれています。(3つの要素とは、①Motivation(モチベーション):動機、
②Capactiy(キャパシティ):能力、③Opportunity(オプチュニティ):機会 の
ことです)
C、〇
[詳細]
ジャーメインとギッターマン
★キーワード:「生活モデル」「エコロジカルアプローチ」
・ジャーメインとギッターマンが提唱したものが「生活モデル」で、その
アプローチ方法をエコロジカルアプローチ(生態学的アプローチ)
と言います。
エコロジカルアプローチとは、サービスなどを受ける対象者を環境と
切り放された個人と捉えるのではなく、対象者を職場や地域、家族、
近隣といった集団生活の一員であり、環境との相互作用関係がある者と
捉え、援助を行おうとするアプローチのことを意味します。
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02
正解は5です。
A.×
設問文はホリス( Hollis, F.)の説明をしています。
パールマン( Perlman, H. H.)は心理社会的アプローチだけでなく、機能的アプローチを合わせた問題解決アプローチを提唱しています。またケースワークの4つの構成要素のことをさす「4つのP(人〈person〉・問題〈probrem〉・場所〈place〉・過程〈process〉」もキーワードとして覚えておきましょう。
B.×
説明文はパールマン( Perlman, H. H.)の説明をしています。
ホリス( Hollis, F.)は「状況の中の人」という視点をもとに心理社会的アプローチを提唱しました。また、ホリスはソーシャルワークが対象としている課題について、対象者の病理のみから発生しているのではなく、環境との相互関係の結果という見方を強調しています。
C.〇
設問の通りです。エコロジーとは生態学という意味をもちます。エコロジカルアプローチとは人と環境の相互作用に着目し、人と環境を調整することで問題解決をはかります。
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03
A→「状況の中の人」とは人と環境はつながりのあるものだということを示していて、ホリス( Hollis, F.)がこの概念を説明しています。
◆ホリス( Hollis, F.)
アメリカのソーシャルワーク研究家。
「状況の中の人」「心理社会的アプローチ」がキーワード。
心理社会的アプローチでは援助関係の形成とコミュニケーションが大切とされています。また、対象者の問題や課題は病理・環境の相互関係の結果であるという見方をしています。
B→これはパールマン( Perlman, H. H.)を説明したものです。
◆パールマン( Perlman, H. H.)
アメリカのソーシャルワーク研究家。
「問題解決アプローチ」「6つのP」「MCOモデル」がキーワード。
問題解決アプローチとは1950年代にパールマンによって体系化されたアプローチで、対象者自らが問題解決する力を持った存在で、それを達成できるよう働きかけるものです。
その中でパールマンは「6つのP」「MCOモデル」を大切にしています。
「6つのP」
①Person(対象者・援助を必要とする人)
②Problem(援助を必要とする人と生活環境の間にある解決すべき問題)
③Place(援助が行われる場所、施設や機関)
④Process(問題解決に至るまでの行動や選択過程)
⑤Profession(援助をおこなうための正確な知識を持つ人)
⑥Provision(社会福祉援助を可能とする制度や政策)
「MCOモデル」(ワーカビリティ)
これは対象者の問題解決能力を示しています。以下の3つの頭文字をとって「MCOモデル」と呼んでいます。
①Motivation(モチベーション)=動機。対象者が問題解決に取り組むための意欲のこと。
②Capactiy(キャパシティ)=対象者が問題解決をすることができる能力のこと。
③Opportunity(オプチュニティ)=機会。対象者が問題解決に向かっていくチャンスのこと。
C→設問文の通りです。
ジャーメインとギッターマンが提唱した「生活モデル」へのアプローチ方法をエコロジカルアプローチ(生態学的アプローチ)と言います。
これは、人とその周辺環境を一体的にとらえて、人と環境が相互に影響し合うというところに注目して援助を行う方法です。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
正解です。
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04
A:この文章はホリスについて説明しています。ホリスはアメリカの研究者で心理社会的アプローチを提唱しました。「状況の中の人」「人と状況との全体関連性」に注目しました。主著に「ケースワーク:心理社会療法」があります。
B:この文章はパールマンについて説明しています。パールマンは問題解決アプローチを提唱しました。「ケースワークは死んだ」という論文も有名です。
C:設問の通りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
正解です。
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