保育士の過去問
令和4年(2022年)後期
保育原理 問7

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問題

保育士試験 令和4年(2022年)後期 保育原理 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
R保育所の1歳児クラスのS君(1歳2か月)は、好き嫌いをほとんどせずに離乳食をよく食べています。この頃は自分で食べたい気持ちが強いようで、担当のG保育士は、S君が食べ物を手づかみで食べながらテーブルや床にたくさんこぼしてしまうことが気になっています。また、S君の前にご飯、おかず、汁ものなどすべてを並べてしまうとS君は好きなものから手を付け、最後にご飯だけを食べることもあります。
G保育士がスプーンでご飯やおかずを順番にS君の口に運ぼうとすると、たいていはG保育士の援助を嫌がって差し出されたスプーンを手で払ったり、怒って泣き出すこともあります。

【設問】
次のうち、G保育士のS君への対応として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  今はS君の思いや気持ちを満足させることが重要であり、応答的に言葉をかけながら手づかみ食べを見守っていく。
B  好きなものから食べる習慣がつくと偏食につながる可能性があるので、バランスよく食べるために、保育士が順番に食器を並べて、しばらく管理する。
C  S君がこぼした際には「こぼれちゃったね。次はお口に入るかな」など励ます言葉をかけ、楽しく食事をすることを心がける。
D  S君が保育士の援助を嫌がっても、構わずにそのまま食べさせる。
  • A:○  B:○  C:○  D:×
  • A:○  B:×  C:○  D:×
  • A:○  B:×  C:×  D:○
  • A:×  B:○  C:×  D:○
  • A:×  B:×  C:○  D:×

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この過去問の解説 (2件)

01

保育指針の中にはこのような記述があります。

乳児保育(0~2歳児クラス)の保育のねらい及び内容として、

「健康な心と体を育てるためには望ましい食習慣の形成が重要であることを踏まえ、

離乳食が完了期へと徐々に移行する中で、様々な食品に慣れるようにするとともに、

和やかな雰囲気の中で食べる喜びや楽しさを味わい進んで食べようとする気持ちが育つようにすること」

A 今はS君の思いや気持ちを満足させることが重要であり、応答的に言葉をかけながら手づかみ食べを見守っていく。

〇です。

どの時期でもですが、自らすすんで食べようとする姿を認めてあげることが大切です。

S君の行動を認めてあげることが、和やかな雰囲気や進んで食べる意欲につながっていきます。

B 好きなものから食べる習慣がつくと偏食につながる可能性があるので、バランスよく食べるために、保育士が順番に食器を並べて、しばらく管理する

×です。

「好きなものから食べる習慣がつくと偏食につながる可能性がある」ということには根拠はありません。

また、「バランスよく食べるために食器を管理する」という箇所が不適切です。

例えば「一度に食器を並べると、食事の多さに子ども気持ちが後ろ向きになってしまう」「体が食器にぶつかるなどし危険を伴うので順番に配膳する」など個々の様子に応じた対応が必要になってくる場面はあります。

しかしS君の場合は自ら食べる意欲があることから、自分で好きに食べ進める環境を用意してあげることが大切です。

バランスの良い食事の為の「三角食べ」などの食事上のマナーなどは。

発達段階が上がるにつれて徐々に伝えていくことはあります。

C S君がこぼした際には「こぼれちゃったね。次はお口に入るかな」など励ます言葉をかけ、楽しく食事をすることを心がける。

〇です。

こぼしてしまうこと自体は意欲的に食べ進めた結果のことなので、

こぼれてしまったことを注意するのではなく、肯定的な言葉かけをすることによってS君が自分の口に入れられるように促すことが必要です。

D S君が保育士の援助を嫌がっても、構わずにそのまま食べさせる。

×です

子ども本人が不快に思うことを続行することが不適切です。

「和やかな雰囲気の中で食べる喜びや楽しさを感じる」ことが大切になってきますので、

食事の時間が楽しくなくなってしまうような関りは適切とは言えません。

よって、

A:○  B:×  C:○  D:×

となる選択肢が正解です。

選択肢1. A:○  B:○  C:○  D:×

不適切です。

選択肢2. A:○  B:×  C:○  D:×

適切です。

選択肢3. A:○  B:×  C:×  D:○

不適切です。

選択肢4. A:×  B:○  C:×  D:○

不適切です。

選択肢5. A:×  B:×  C:○  D:×

不適切です。

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02

この時期の子どもは、様々な食品に慣れるとともに和やかな雰囲気の中で食べる喜びや楽しさを味わい、意欲的に食べようとすることがねらいになります。

そのことを踏まえて選択肢をみていくと解答に近づけるでしょう。

選択肢1. A:○  B:○  C:○  D:×

B「好きなものから食べる習慣がつくと偏食につながる可能性があるので、バランスよく食べるために、保育士が順番に食器を並べて、しばらく管理する。」は×間違いです。

この対応では意欲が育ちません。S君は泣いたり嫌がっている様子があるので不適切な保育と言えます。

 

 

選択肢2. A:○  B:×  C:○  D:×

正しい組み合わせです。

園全体が子どもの思いや気持ちを大切にする姿勢だと、たくさんこぼしてしまうことや食事のペースに関して、担当保育士もおおらかな気持ちで対応することができます。

 

選択肢3. A:○  B:×  C:×  D:○

C「S君がこぼした際には「こぼれちゃったね。次はお口に入るかな」など励ます言葉をかけ、楽しく食事をすることを心がける。」は○正しい対応です。

うまくいかなかった事や苦手なことでも信頼する保育士に励まされることで頑張れることが増えていきます。

選択肢4. A:×  B:○  C:×  D:○

A、B、C、Dすべて間違いです。

D「S君が保育士の援助を嫌がっても、構わずにそのまま食べさせる。」は×不適切な対応です。

ねらいの中に和やかな雰囲気の中でとありますが、この対応では和やかな雰囲気にはなりません。


 

選択肢5. A:×  B:×  C:○  D:×

A「今はS君の思いや気持ちを満足させることが重要であり、応答的に言葉をかけながら手づかみ食べを見守っていく。」は記述の通りなので○が答えです。

子どもの思いや気持ちが満たされると意欲が育ちます。とても大切な対応です。

まとめ

1歳児に関わらず、楽しく食事をすることが何よりの食育につながります。

保育士は、励ましたり食事のルールを伝えたりしながら、子どもが自分で食事する大切さや楽しさに気づけるように見守ります。

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