問題
【事例】
Xちゃん(3歳、女児)は、父からの母に対する身体的暴力を理由に、母と共に母子生活支援施設に入所することとなった。暴力被害の可能性が引き続きあることから、父には施設に入所していることや居住場所を伝えていない。母は離婚の意向を示している。また、母は緊急で逃げ出してきたため、経済的に困窮している。さらに暴力の影響により働ける状況にはなく、うつ病と診断され、心療内科に通っている。
【設問】
次のうち、適切なものを一つ選びなさい。
母子生活支援施設とは、児童福祉法に定められる施設です。
<児童福祉法第38条>
母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、
これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、
あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。
不適切です。
〇病気・けがや障害のため保育が困難なとき
〇虐待や配偶者等からのDV(家庭内暴力)のおそれがあるとき
保護者の就労だけでなく、上記の事柄も保育の必要性を認定される理由になります。
不適切です。
母子生活支援施設に入所していても生活保護を受給することができます。
適切です。
「接近禁止命令」とは、6ヶ月間、DV加害者がDV被害者の身辺につきまとったり、
住まい(※同居中の住まいは除く)や勤務先などの近くをうろついたりすることを禁止する命令です。
母子生活支援施設はDV被害者の保護から自立支援を進めるための重要な施設となっています。
不適切です。
必ずしも実の両親と暮らすことが子どもの最善の利益に繋がるということではない。
子どもの最善の利益とは、「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考えることです。
安心安全な環境の下で心身ともに健やかに過ごす為にはどのような支援が必要かを、
子どもや保護者を取り巻く環境を含め、総合的に考えていく必要があります。
不適切です。
厚生労働省による「母子生活支援施設 運営ハンドブック」によると
・母子生活支援施設は、乳児から18歳に至るまでの子どもを対象としている。また1 8歳を超えても、必要があると認められる場合は、20歳に達するまで利用を延長す ることができる。
・退所の時期は、それぞれの抱える課題が解決でき、地域での生活が安定して送ること ができる見込みができた時点であり、それぞれの抱える課題の内容や数、活用できる 資源によって必要な在籍期間は様々である。また、退所については、利用者・福祉事 務所・施設の三者で課題の解決状況について確認したうえで決定することが必要である。
とあります。
よって法律によって入所期間の上限が定められているという事実はありません。
自治体により、おおむねの期間が設定されている地域もあります。
正解は「暴力の被害にあう可能性があるため、裁判所から父に対して接近禁止命令などの保護命令を出してもらうように職員に協力してもらい手続きをすることができる。」です。
母親が働いていなくても、病気・怪我や障害が理由で家庭保育が困難な場合は、保育所への入所は可能です。
また、虐待やDVのおそれがあることも、保育を必要とする事由として定められています。
よって、不適切です。
母子生活支援施設に入所していても生活保護を受給することができます。
よって、不適切です。
適切です。
実の両親と暮らすことが絶対的に最善の利益とは限りません。
よって、不適切です。
不適切です。
【児童福祉法第38条】
「配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。」