保育士の過去問
令和4年(2022年)後期
社会的養護 問10
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問題
保育士試験 令和4年(2022年)後期 社会的養護 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Yくん(4歳、男児)は、食事が与えられないなどのネグレクトを理由に児童養護施設に入所して半年になる。両親共に養育拒否の意向を示し、また他に養育できる親族等がいないため、児童相談所は児童養護施設に入所後に措置変更し、養育里親に委託をするとの方針を立てた。里親委託に対して、両親は同意している。その後、委託候補の夫婦が決まり、夫婦とYくんの交流が始まった。
Yくんには施設の担当職員が里親について事前に丁寧に説明をした後、週末に園内で顔合わせをして、公園に出かけるという交流を行った。交流後にYくんは、「とても楽しかった」「おばちゃんのお家に遊びに行ってみたい」と前向きな反応を示した一方、「お母さんに会いたい」と実親を思い出し泣き出す場面が見られた。
【設問】
次のうち、「里親委託ガイドライン」(平成30年3月厚生労働省)に照らした際、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 両親共に養育拒否の意向を示しているが、子どもは実親の元で暮らすことが最優先されるため、里親委託を方針としたのは不適切である。
B 里親候補であることを伝えることは、委託がうまくいかなかった場合にダメージとなる可能性があるため、Yくんには里親委託が検討されていることは伏せて交流すべきである。
C 「お母さんに会いたい」というYくんの意向を尊重し、方針を変更し、実親との家族再統合に切り替える。
D 担当保育士はYくんの気持ちに寄り添いつつ、里親との交流を継続した。
【事例】
Yくん(4歳、男児)は、食事が与えられないなどのネグレクトを理由に児童養護施設に入所して半年になる。両親共に養育拒否の意向を示し、また他に養育できる親族等がいないため、児童相談所は児童養護施設に入所後に措置変更し、養育里親に委託をするとの方針を立てた。里親委託に対して、両親は同意している。その後、委託候補の夫婦が決まり、夫婦とYくんの交流が始まった。
Yくんには施設の担当職員が里親について事前に丁寧に説明をした後、週末に園内で顔合わせをして、公園に出かけるという交流を行った。交流後にYくんは、「とても楽しかった」「おばちゃんのお家に遊びに行ってみたい」と前向きな反応を示した一方、「お母さんに会いたい」と実親を思い出し泣き出す場面が見られた。
【設問】
次のうち、「里親委託ガイドライン」(平成30年3月厚生労働省)に照らした際、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 両親共に養育拒否の意向を示しているが、子どもは実親の元で暮らすことが最優先されるため、里親委託を方針としたのは不適切である。
B 里親候補であることを伝えることは、委託がうまくいかなかった場合にダメージとなる可能性があるため、Yくんには里親委託が検討されていることは伏せて交流すべきである。
C 「お母さんに会いたい」というYくんの意向を尊重し、方針を変更し、実親との家族再統合に切り替える。
D 担当保育士はYくんの気持ちに寄り添いつつ、里親との交流を継続した。
- A:○ B:○ C:○ D:○
- A:○ B:○ C:× D:×
- A:○ B:× C:○ D:○
- A:× B:○ C:○ D:×
- A:× B:× C:× D:○
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この過去問の解説 (2件)
01
A 両親共に養育拒否の意向を示しているが、
子どもは実親の元で暮らすことが最優先されるため、里親委託を方針としたのは不適切である
→×です。
「里親委託ガイドライン」(平成30年3月厚生労働省)、
「2.里親委託優先の原則」の項目には
「③家庭生活での人間関係を学び、地域社会での社会性を養い、生活技術を獲得できる、
などが期待でき、社会的養護では、里親委託を優先して検討するべきである。 」
とあります。
乳幼児は安定した家族の関係の中で、愛着関係の基礎を作る時期であり、
子どもが安心できる、温かく安定した家庭で養育されることが大切です。
何らかの事情により家庭での養育が困難となった子ども等には、
子どもの健全な育成を図る為に特定の大人との愛着関係の下で養育され、
安心感、自己肯定感、基本的信頼感を育むことができる里親委託が優先されます。
B 里親候補であることを伝えることは、委託がうまくいかなかった場合にダメージとなる可能性があるため、Yくんには里親委託が検討されていることは伏せて交流すべきである。
→×です。
「里親委託ガイドライン」(平成30年3月厚生労働省)、
「5.里親への委託」の項目には、
「子どもに対し、面会につい ての事前説明や、里親や里親家庭についての紹介をした上で
、里親との面会 がうまく進むよう支援する」
とあります。
子ども本人の明確な否定があった場合の里親委託の中止や、
里親候補との面会や外出、宿泊などを行い子どもの様子を把握することに努め、
子どもの気持ちを大切にしながら、子どもが安心できるよう支援することが明記されています。
C 「お母さんに会いたい」というYくんの意向を尊重し、方針を変更し、実親との家族再統合に切り替える。
→×です。
里親と委託する児童との適合を調整することが重要であり、丁寧に準備を進めることが大切です。
Yくんは委託候補の夫婦との面会で楽しむ様子が見られ、
「おばちゃんのお家に遊びに行ってみたい」と前向きな反応を示す姿もあり、
明確に里親委託を拒否しているとは捉えられません。
D 担当保育士はYくんの気持ちに寄り添いつつ、里親との交流を継続した。
→〇です。
ガイドラインにも
「子どもの不安感等にも配慮し、 里親と子どもの両方の気持ちや状況を十分に把握し、
交流を進める。」
とあります。
長くても2.3か月という期間の中で里親と委託する児童との適合を調整していきます。
よって、
A × B × C × D 〇
となる選択肢が正解です。
不適切です。
不適切です。
不適切です。
不適切です。
適切です。
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02
「里親委託ガイドライン」(平成30年3月厚生労働省)によって、定められています。
A:両親共に養育拒否の意向を示しているが、子どもは実親の元で暮らすことが最優先されるため、里親委託を方針としたのは不適切である。
→×です。
「里親委託ガイドライン概要」「2.里親委託優先の原則」の項目に、「③家庭生活での人間関係を学び、地域社会での社会性を養い、生活技術を獲得できるなどが期待でき、社会的養護では、里親委託を優先して検討するべきである。」と掲げられています。
B:里親候補であることを伝えることは、委託がうまくいかなかった場合にダメージとなる可能性があるため、Yくんには里親委託が検討されていることは伏せて交流すべきである。
→×です。
「5.里親への委託」「③子どもと里親の面会等」の項目に、「子ども担当は、子どもに対し、面会についての事前説明や、里親や里親家庭についての紹介をした上で、里親との面会がうまく進むよう支援する。」と一文があります。
C:「お母さんに会いたい」というYくんの意向を尊重し、方針を変更し、実親との家族再統合に切り替える。
→×です。
「5.里親への委託」「③子どもと里親の面会等」の項目に、「子どもの気持ちを大切にしながら、子どもが安心できるよう支援し、里親と委託する児童との適合を調整することが重要であり、丁寧に準備を進めることが大切である。」と一文があります。
D:担当保育士はYくんの気持ちに寄り添いつつ、里親との交流を継続した。
→〇です。
「5.里親への委託」「③子どもと里親の面会等」の項目に、「子どもの不安感等にも配慮し、里親と子どもの両方の気持ちや状況を十分に把握し、交流を進める。」と一文があります。
交流は長い場合でも概ね2、3ヶ月程度を目安としています。
よって、
A:× B:× C:× D:〇
となる選択肢が正解です。
A、B、Cの選択肢に誤りがあるため、不適切です。
A、B、Dの選択肢に誤りがあるため、不適切です。
A、Cの選択肢に誤りがあるため、不適切です。
B、C、Dの選択肢に誤りがあるため、不適切です。
全ての選択肢が一致するため、適切です。
里親になるためにも条件があり、その後特別養子縁組を成立させるにあたって、さらに講習や実習が追加されます。
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