保育士の過去問
令和5年(2023年)前期
教育原理 問5

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

保育士試験 令和5年(2023年)前期 教育原理 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述に該当する人物は誰か。正しいものを一つ選びなさい。

イギリス産業革命期にスコットランドのニュー・ラナークの紡績工場の経営に従事した。この工場での労働者教育の経験から、人間の性格が環境の産物であり、環境を整えることで性格形成が可能であるとの考えをもつに至り、『新社会観』を執筆した。また性格形成学院を開校。彼は、人間の性格形成において幼児期の環境の影響をとりわけ重視し、性格形成学院内に今日の保育所的機能を果たす幼児学校を設け、労働者の子どもを1歳から預かった。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

問題文をみてキーワードをピックアップすると、

・『新社会観』を執筆

性格形成学院を開校 (環境整備で性格形成可能との考え)

・保育所的機能を果たす幼児学校を開設

これより、正解は「オーエン(Owen, R.)です。

では、残りの選択肢の人物の主な功績をみていきましょう。(ウィキペディア参照)

1.ベル(Bell, A.) 19~20世紀 スコットランド・カナダ・アメリカ合衆国の科学者・教育学者

スコットランド生まれの科学者、発明家、工学者。世界初の実用的電話の発明で知られている。

その後もさまざまな発明をしており、光無線通信・水中翼船・航空工学などの分野で重要な業績を残した。1888年にはナショナルジオグラフィック協会創設に関わった。その生涯を通じて科学振興および聾者教育に尽力し、人類の歴史上もっとも影響を及ぼした人物の1人とされることもある。

2.コメニウス(Comenius, J.A.)  16~17世紀 オランダ・チェコで活躍した哲学者・教育学者

現代の学校での教育すなわち学校教育のしくみを構想した。同一年齢・同時入学・同一学年・同一内容・同時卒業といったしくみの構想もした。女子教育の必要性を説いた。コメニウスは、こうした学校のありかたを通じ、人びとがすべての知識を共有することによって、戦争が終わり、ヨーロッパが一つになると考えた。この考え方は、現在のユネスコに受け継がれている。

コメニウスの主著は、ラテン語教育の手法を軸に教育学そのものの体系を考案した『大教授学』『開かれた言語の扉』の他に、世界初の子供のための絵入り子供百科事典『世界図絵』が含まれる。この世界から人体、職業、徳目や世界的な諸宗教に至るまで、偏見のない普遍的な教養のありようを、絵、説明を配している。

また、コメニウスは、発達段階の全般を通しての生涯学習を初めて体系的に語った教育学者でもある。

4ランカスター(Lancaster, J.) 19世紀イギリスの教育学者

貧困地区サウスワーク(Southwark) のポロー・ロード(Borou Road)に小学校を開設した。教師の人件費を節約するために、年長の生徒たちに、下級生たちの面倒を見させることにした。ひとつのクラスの中に、いろんな年齢層の子どもたちが寄せ集められていた。

ランカスターの教育理念は、19-20世紀の教育学に顕著な影響を及ぼし、いわゆるベル・ランカスター法(助教法、en:Monitorial System)は、欧米諸国のみならず20世紀半ばまで1クラスしかない田舎の小さな小学校の教育にはその影響を残した。

5 .ロック(Locke, J.) 17~18世紀 イギリスの哲学者・倫理学者

哲学者としては、イギリス経験論の父と呼ばれ、主著『人間悟性論』(『人間知性論』)において経験論的認識論を体系化した。また、「自由主義の父」とも呼ばれ、政治哲学者としての側面も非常に有名である。『統治二論』などにおける彼の政治思想は名誉革命を理論的に正当化するものとなり、その中で示された社会契約や抵抗権についての考えはアメリカ独立宣言、フランス人権宣言に大きな影響を与えた。1693年には『教育論』も出版した。

選択肢1. ベル(Bell, A.)

誤りです。

選択肢2. コメニウス(Comenius, J.A.)

誤りです。

選択肢3. オーエン(Owen, R.)

正解の選択肢です。

選択肢4. ランカスター(Lancaster, J.)

誤りです。

選択肢5. ロック(Locke, J.)

誤りです。

まとめ

教育に貢献した人物名・主な功績・主著を整理して覚えておきましょう。

参考になった数18

02

正解は、オーエンです。

人物に関する問題では、その人に関わるキーワードを正確に覚えておくことが重要です。

オーエン:産業革命期のイギリスの実業家

紡績工場を経営

・環境が性格形成に与える影響を重視

・工場内に性格形成学院幼児学校を開設

『新世界観』

では、正解以外の選択肢の人物についてもキーワードを確認しておきましょう。

ベル:スコットランドの科学者

世界初の実用的電話機を発明

聾者教育に尽力

コメニウスチェコ生まれの教育学者

近代教育の父(三十年戦争と宗教戦争による混乱を背景に、近代教育の礎を築く)

・直観教授

『大教授学』

『世界図絵』(世界初の絵入り教科書)

ランカスター:イギリスの教育学者

・「ベル・ランカスター法(助教法)」を提唱(上級生が下級生を世話し、助け合う学習方法)

ロックイギリスの哲学者

イギリス経験論の父

白紙説子どもの心は白紙のようなもので、経験により知識が書き込まれていく)

「健全な身体に宿る健全な精神」

・『人間悟性論』

選択肢1. ベル(Bell, A.)

誤りです。

選択肢2. コメニウス(Comenius, J.A.)

誤りです。

選択肢3. オーエン(Owen, R.)

正解です。

選択肢4. ランカスター(Lancaster, J.)

誤りです。

選択肢5. ロック(Locke, J.)

誤りです。

参考になった数12