保育士の過去問
令和5年(2023年)前期
社会的養護 問10
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問題
保育士試験 令和5年(2023年)前期 社会的養護 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
S児童養護施設のグループホーム(地域小規模児童養護施設)に勤務している新人のL保育士は、中学生のY君(14歳、男児)を担当している。Y君は、学校以外のほとんどの時間は自室で過ごし、他児とも関わろうとしない。L保育士はY君と話をしようと声掛けするが「お前に話すことなんてない」と返答され、Y君へどのような支援を行えば良いか悩んでいる。
【設問】
次のうち、L保育士がY君の支援を検討するために行うものとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A L保育士が自らの関わりについて日誌を通して振り返る。
B 基幹的職員にスーパービジョンを依頼する。
C Y君の通う学校の先生と連絡をとり、Y君の学校での様子を聴く。
D 今までY君を担当した職員から、入所までの経緯やこれまでの関わりに関する情報を得る。
【事例】
S児童養護施設のグループホーム(地域小規模児童養護施設)に勤務している新人のL保育士は、中学生のY君(14歳、男児)を担当している。Y君は、学校以外のほとんどの時間は自室で過ごし、他児とも関わろうとしない。L保育士はY君と話をしようと声掛けするが「お前に話すことなんてない」と返答され、Y君へどのような支援を行えば良いか悩んでいる。
【設問】
次のうち、L保育士がY君の支援を検討するために行うものとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A L保育士が自らの関わりについて日誌を通して振り返る。
B 基幹的職員にスーパービジョンを依頼する。
C Y君の通う学校の先生と連絡をとり、Y君の学校での様子を聴く。
D 今までY君を担当した職員から、入所までの経緯やこれまでの関わりに関する情報を得る。
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この過去問の解説 (2件)
01
本問の事例において、ポイントとなるのは以下の2点です。
・L保育士が新人であること
・取り付く島もないY君に対し、保育者としてどう支援を行うべきか悩んでいること
A:適切です。
保育者として自らを振り返ることは、とても大切なことです。
振り返りをおこなうことで、自分の保育を客観的に分析することができ、結果的に保育の質を高め、自身の成長にも繋がると言えます。
B:適切です。
保育者として悩んだときには一人で抱え込まず、職員どうしで協力して対応することが肝要です。
とくにL保育士は新人であることから、ベテラン職員(基幹的職員)のサポートやアドバイスを受けることが大切です。
*福祉におけるスーパービジョンとは、新人が熟練した指導者によるサポートを得たりアドバイスを受けたりしながら、専門スキルの向上を目指すことを意味します。
C:適切です。
Y君がグループホーム以外の場所(この場合は学校)ではどのように振る舞っているかを知ることは、Y君の言動やその原因を理解し、対応を検討するうえで重要だと言えます。
D:適切です。
Cと同様、Y君がグループホームに来る以前の様子を知ることは、Y君をよりよく理解し、適切な対応を行うために必要だと言えます。
正解です。
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02
児童養護施設のグループホーム(地域小規模児童養護施設)に入っている子どもに関する問題です。
まず、グループホーム(地域小規模児童養護施設)とは、どのような施設でしょうか。
・2000年から制度化されたもので、原則として定員6名である。本体の児童養護施設とは別の場所に、既存の住宅等を活用して行う。大舎制の施設では得ることのできない生活技術を身につけることができ、また家庭的な雰囲気における生活体験や地域社会との密接な関わりなど豊かな生活体験を営むことができる。2009年度は全国で190箇所(1施設で複数設置を含む)。 (ウィキペディア参照)
・職員と密接な関係を築きながら家族的な生活を送ることで子どもの心の安定をはかり、成長を育んでいくのがグループホームです。 少人数の人間関係の中で、より家庭的な生活経験を通して自立につながる力をつけていくことを目標にしています。
(「児童福祉の架け橋 」参照)
では、事例・設問・選択肢をみていきましょう。
[事例] グループホーム(地域小規模児童養護施設)勤務の新人保育士の悩み
・14歳 中学生 男児担当
・学校以外ほとんど自室で過ごしている
・他児と関わろうとしない
・この男児と話をしたい保育士
・声掛けするも、保育士との話を拒否
→ この男児への保育士としての支援方法について
[設問] 保育士が男児の支援を検討するために行うものについて
[選択肢]
A. 子どもが表出する感情や言動のみを取り上げていては悩み解消につながりません。
日誌などを通して振り返り、保育士と男児との関わりでひっかかる点はなかったかチェックをし、男児の言動の理由や背景を理解する必要があります。
よってAは適切です。
B. 設問の保育士は新人保育士なので、経験も浅く、知識もベテラン保育士に比べると少ないため、悩んでいるのかもしれません。一人で抱え込まず、グループホーム内部で基幹的職員など、経験豊富な職員からアドバイスをいただき(スーパービジョン)、悩み解消の方向へ持っていくことが大切です。
よってBは適切です。
C.男児の学校の様子を、男児の通う学校の先生から聴くことは、男児の言動の理由や背景を理解する上でも重要なことです。悩み解消の糸口になる、何らかの情報を得られる可能性があるからです。
よってCは適切です。
D. 男児の入所までの経緯やこれまでの担当職員とのかかわりに関する情報を得ることは、男児の言動の理由や背景を理解する上でも重要なことです。悩み解消の糸口になる、何らかの情報を得られる可能性があるからです。
よってDは適切です。
「児童養護施設運営指針」(厚生労働省 H.24.3.29) 第Ⅰ部 総論 5.養育のあり方の基本
(1) 養育を担う人の原則 には次のように書かれています。
「養育者は、子どもたちに誠実にかかわりコミュニケーションを持てない心情や理屈では割り切れない情動に寄り添い、時間をかけ、心ひらくまで待つこと、かかわっていくことを大切にする必要がある。分からないことは無理に分かろうと理論にあてはめて納得してしまうよりも、分からなさを大切にし、見つめ、かかわり、考え、思いやり、調べ、研究していくことで分かる部分を増やしていくようにする。その姿勢を持ち続けることが、気づきへの感性を磨くことになる。」
これより、正解は「A 〇 B 〇 C 〇 D 〇」です。
正解の選択肢です。
Dが誤りです。
C、Dが誤りです。
B、Dが誤りです。
A、Cが誤りです。
児童養護施設のグループホーム(地域小規模児童養護施設)とはどのような施設か、理解しておきましょう。また、「児童養護施設運営指針」(厚生労働省)にも目を通し、内容把握に努めましょう。
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