保育士の過去問 令和5年(2023年)前期 保育実習理論 問12
この過去問の解説 (2件)
指導計画についての問題です。
保育園の指導計画は、保育を実施する際のより具体的な方向性を示すものです。
実際の子どもの姿に基づいて、ある時期における保育のねらいと内容・環境・そこで予想される子どもの活動やそれに応じた保育士等の援助・配慮すべき家庭との連携を考え、作成されるものです。
その指導計画を展開していく上で、気をつける点を考えて問題を考えてみましょう。
正しい記述です。
職員全体の連携や協働は欠かせません。
適切な役割分担がなされ、職員一人一人がその自覚を持ち、それぞれの力が発揮できるような組織でなければなりません。
また、必要に応じて指導計画の中に職員間の連携についての事項が盛り込まれることが求められています。
正しい記述です。
子どもは、その時の興味や関心によって、様々に活動や行動が変化します。
指導計画を作成した際の保育士の予想する姿や展開でないことも多くありますが、その時に必ずしも計画通りに指導するのではなく、子どもの気づきや思いを尊重し、豊かな経験になることを援助することが求められます。
正しい記述です。
子どもの主体的な活動を促すために、保育士は一緒に遊ぶ、共感する、提案する、見守る、環境を整えるなど多様な援助をします。
同じ子どもでも、その時々の状況によって援助を変えていくことで、子どもの情緒の安定や豊かな経験が得られるようにします。
正しい記述です。
指導計画の保育の見直しを行い、改善をしていくことで、保育の連続性につながり、保育の質を向上させていく基盤となります。
間違った記述です。
正しくは、「子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画とそれに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成して保育が適切に展開されるようにすること」になります。
「指導計画」を「保育計画」と呼ぶことがありますが、内容は同じです。
混同しないようにしておきましょう。
保育所保育指針より、指導計画の展開についての問題です。
一日のほとんどを保育所で過ごす子どもに関して、一人ひとりの心身の発達を支えていくために、保育士は職員全体で連携や協働して子どもを支えていかなければいけません。
この職員全体で連携や協働をしていくために、計画をたてある程度の道筋をつくることで、把握しやすくなります。
このことを踏まえ、問題を解いてみましょう。
適切な記述です。
施設長や主任保育士を中心に、職員の個性が十分に発揮される体制を整えることが大切です。
適切な記述です。
子どもは、その時によって様々な姿を見せます。その姿は時に、計画とは違った展開になる場合もあります。
保育士は、子どもが状況によって姿や捉え方が変わることを認識したうえで、柔軟に対応していくことが大切です。
適切な記述です。
子どもは、同じような場面でも一人ひとり違う捉え方をすることもあります。
同じ保育所で過ごす子どもでも、楽しみながら生活する子どももいれば、不安に感じながら生活する子どももいることから、保育士は、子どもの主体性を発揮できるように、直接関わったり、子どもが過ごしやすい環境を整えたりすることが大切です。
適切な記述です。
子どもが保育所で生活する姿を記録することは、自身の計画を見直す方法の1つといえます。
記録を通じて、指導計画の見直しや改善といったPDCAサイクルは、その後の保育の質の向上に繋がっていきます。
不適切な記述です。
こちらは、2008年の保育所保育指針の1保育の計画(2)指導計画ア指導計画の作成(ア)を基に作成された記述です。
また、「子どもの生活や発達を見通した長期計画」「より具体的な子どもの日々の生活に即した短期計画」となります。
2018年の保育所保育指針には、以下のように記されています。
3保育の計画及び評価(2)指導計画の作成
ア 保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。
この問題では、保育所保育指針から問われている内容でした。
2018年の保育所保育指針の改定により、保育課程から「全体的な計画」に変わったことに気づくと正解を導きやすかったかもしれません。
また、長期計画と短期計画の違いにも気づけるように、学んでいきましょう。
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