保育士の過去問
令和6年(2024年)前期
子ども家庭福祉 問15

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問題

保育士試験 令和6年(2024年)前期 子ども家庭福祉 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第18次報告)」(2022(令和4)年9月 厚生労働省)の2020(令和2)年4月から2021(令和3)年3月までの1年間の死亡事例についての記述である。適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A  「心中以外の虐待死」と、「心中による虐待死」を比較すると「心中による虐待死」の方が多い。
B  「心中以外の虐待死」で、加害者で最も多いのは「実母」である。
C  「心中以外の虐待死」で、最も多い子どもの年齢は「3歳」である。
D  「心中による虐待死」における加害の動機(背景)は、「保護者自身の精神疾患、精神不安」が最も多い。

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この過去問の解説 (1件)

01

子ども虐待による死亡事例等の検証は、社会保障審議会児童部会に設置されている「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」において毎年行われています。この問題は、その第18次報告を元に作られています。


 

A→×

第5次報告から第17次報告までの虐待死事例は、「心中以外による虐待死」の総数が698件、「心中による虐待死」の総数が464件です。

よって、「心中以外による虐待死」が「心中による虐待死」よりも多いので、Aは誤りです。

 

B→

心中以外の虐待死事例では「実母」が29人(59.2%)と最も多く、次いで「不明」が11人(22.4%)、「実父」が4人(8.2%)です。

よって、Bの「心中以外の虐待死」で最も多いのは「実母」であるは、正しいです。

 

C→×

死亡時の子どもの年齢構成は「心中以外の虐待死」の約半数が0歳(0日を含む)である。次いで、1〜2歳(18.2%)、3〜5歳(15.9%)と年齢が上がっています。

よって、「心中以外の虐待死」で、最も多い子どもの年齢は0歳であるため、Cは誤りです。

ちなみに、「心中による虐待死」は、6歳以上が半数を占め、次いで3〜5歳(22.8%)、1〜2歳と0歳が大体同じ割合と、年齢が高い程多い傾向にあります。


D→

「心中による虐待死」における加害の動機(背景)は「保護者自身の精神疾患、精神不安」が86件と最も多く、次いで不明79件、保護者自身の病気(精神疾患を除く)・障害等が68件と続きます。

よって、「心中による虐待死」における加害の動機(背景)は「保護者自身の精神疾患、精神不安」が最も多いのは、正しいです。

ちなみに、「心中以外による虐待死」では「不明」が241件と最も多く、次いで「保護を怠ったことによる死亡」104件、「その他」94件と続いています。

選択肢4. B,D

B、D→

まとめ

子ども虐待の報告件数は、年々増え続けており、保育士にとっても身近になりつつある問題です。

核家族化、片親家庭の増加、共働き世帯の増加など、虐待の背景には余裕を持った子育てがしにくい現状があります。そのため、保護者の子育てをサポートし、悩みを聞いてあげるのも保育士の大事な業務です。

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