保育士 過去問
令和6年(2024年)前期
問60 (子ども家庭福祉 問20)
問題文
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
H保育所では、週に1回園庭開放と子育て相談を実施している。そこに母親のMさんとK君(2歳、男児)が何度かやってきて園庭開放を利用している。園庭開放を担当するN保育士は、K君が他の子どもと関わらずに、園庭の隅で耳を塞いでじっと座っている姿が多いことが気になっていた。
ある日、N保育士がMさんに声をかけ、話を始めた。子育てのことに話が及ぶと、1歳6か月児健診の時に、Mさんが保健師にK君の発達の遅れについて相談すると、保健師に「様子を見ましょう」と言われたことを教えてくれた。
【設問】
次のうち、N保育士の対応として、適切なものを一つ選びなさい。
【事例】
H保育所では、週に1回園庭開放と子育て相談を実施している。そこに母親のMさんとK君(2歳、男児)が何度かやってきて園庭開放を利用している。園庭開放を担当するN保育士は、K君が他の子どもと関わらずに、園庭の隅で耳を塞いでじっと座っている姿が多いことが気になっていた。
ある日、N保育士がMさんに声をかけ、話を始めた。子育てのことに話が及ぶと、1歳6か月児健診の時に、Mさんが保健師にK君の発達の遅れについて相談すると、保健師に「様子を見ましょう」と言われたことを教えてくれた。
【設問】
次のうち、N保育士の対応として、適切なものを一つ選びなさい。
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問題
保育士試験 令和6年(2024年)前期 問60(子ども家庭福祉 問20) (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
H保育所では、週に1回園庭開放と子育て相談を実施している。そこに母親のMさんとK君(2歳、男児)が何度かやってきて園庭開放を利用している。園庭開放を担当するN保育士は、K君が他の子どもと関わらずに、園庭の隅で耳を塞いでじっと座っている姿が多いことが気になっていた。
ある日、N保育士がMさんに声をかけ、話を始めた。子育てのことに話が及ぶと、1歳6か月児健診の時に、Mさんが保健師にK君の発達の遅れについて相談すると、保健師に「様子を見ましょう」と言われたことを教えてくれた。
【設問】
次のうち、N保育士の対応として、適切なものを一つ選びなさい。
【事例】
H保育所では、週に1回園庭開放と子育て相談を実施している。そこに母親のMさんとK君(2歳、男児)が何度かやってきて園庭開放を利用している。園庭開放を担当するN保育士は、K君が他の子どもと関わらずに、園庭の隅で耳を塞いでじっと座っている姿が多いことが気になっていた。
ある日、N保育士がMさんに声をかけ、話を始めた。子育てのことに話が及ぶと、1歳6か月児健診の時に、Mさんが保健師にK君の発達の遅れについて相談すると、保健師に「様子を見ましょう」と言われたことを教えてくれた。
【設問】
次のうち、N保育士の対応として、適切なものを一つ選びなさい。
- MさんにK君の発達障害の可能性を伝え、すぐに療育手帳の取得を勧める。
- Mさんの話を傾聴し、母親のK君の発達の遅れに対する不安を受け止める。
- 他の子どもと遊ぶよう、K君の手を引っ張って集団の中に連れていく。
- 「発達に関することは分からない」と言ってMさんの相談をさえぎる。
- 「発達の遅れの心配はないですよ」とMさんを励ます。
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この過去問の解説 (3件)
01
保育所保育指針の第4章には「保育所は、児童福祉法第48条の4の規定に基づき、その行う保育に支障がない限りにおいて、地域の実情や当該保育所の体制等を踏まえ、地域の保護者等に対して、保育所保育の専門性を生かした子育て支援を積極的に行うよう努めること。」とあります。
つまり、保育士の仕事は保育所保育の専門性を生かした子育て支援です。
「MさんにK君の発達障害の可能性を伝え、すぐに療育手帳の取得を勧める。 」は、誤りです。
この事例の場合、保護者は保健師に検診で「様子を見ましょう」と言われたことで不安な気持ちになっています。
何度か園庭開放に来ており、その様子が気になるとはいえ、保育士は発達障害をその一場面だけで診断できませんし、まだ保護者との信頼関係も築けていません。
よって、不安を助長するような発言は控えましょう。
「Mさんの話を傾聴し、母親のK君の発達の遅れに対する不安を受け止める。」は、正しいです。
母親は、保健師に「様子を見ましょう」と言われたことと、K君の他の子どもと違った様子に不安を抱えています。
保育者にその場でできる子育て支援は、保護者の話を丁寧に聞いて、不安を受け止めることです。
「他の子どもと遊ぶよう、K君の手を引っ張って集団の中に連れていく。」は、誤りです。
他の子どもと関わりたいけれど関わり方が分からない様子であれば、この対応は正しいです。
しかし、この事例には「K君は他の子どもと関わらずに、園庭の隅で耳を塞いでじっと座っている姿が多い」と書かれています。
この場合、そっとしておくか、耳を塞いでいるということは、聴覚が過敏である可能性があるので、落ち着いた静かな場所で遊べるようにしてあげるのが良いでしょう。
「「発達に関することは分からない」と言ってMさんの相談をさえぎる。」は、誤りです。
保育所保育指針にも書いてあるとおり、保育士の専門性を生かした子育て支援は、保育士の重要な任務です。それを放棄するような対応はあってはなりません。
発達に詳しくなくとも、話を聞くことはできると思うので、まずは、保護者の悩みに耳を傾けてみるようにしましょう。
「「発達の遅れの心配はないですよ」とMさんを励ます。」は、誤りです。
検診でも「様子を見ましょう」と言われており、保育者自身も様子が気になっています。
発達の多少の個人差はありますが、K君の様子からして、その範囲内ではなさそうです。「発達の遅れの心配はない」と言いきれる状況ではないので、無責任な発言は控えましょう。
あまり関わりのない、地域の保護者への子育て支援は、難しい業務だと思います。
家庭環境が分からず、子どもと関わる機会もほとんどなく、保護者との信頼関係も築けていない状況で保育者ができることは、話を聞き、少しでも子育てへの不安を減らしてあげることです。
自分の園の保護者ではないからと遠ざけずに、まずは話を聞いてみるようにしたいですね。
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02
以下に解説します。
不適切です。
保育士が発達障害を診断する立場にはありません。また、療育手帳は医師などの専門家の診断を経て取得するものです。このような断定的な対応は、保護者に混乱や不安を与える可能性があります。
適切です。
保護者の話をじっくり聞き、不安を受け止めることは、信頼関係を築きながら適切な支援につなげる第一歩です。Mさんが安心して次のステップを考えることができるようにするための重要な対応です。
この対応は、保護者の心情を理解しながら、次の支援につなげるために重要な一歩です。
不適切です。
子どもに無理やり集団に入るよう促すことは、子どもに強いストレスを与える可能性があります。K君が自分のペースで行動できる環境を整えることが大切です。
不適切です。
保育士は、発達に関する専門的な診断はできなくても、保護者の話を聞き、専門機関につなぐ役割があります。相談をさえぎることは、支援の機会を失わせる行為です。
不適切です。
根拠のない安心を与えることは、保護者が適切な支援を受けるタイミングを逃す原因になります。Mさんの不安を軽視せず、適切な支援や専門機関へのつなぎを考えることが必要です。
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03
この問題では、K君とMさんの様子を見ながら保育士がどのように対応するべきかが求められています。
不適切です。
保育士は医者ではありませんから、診断することはできません。
適切です。
Mさんの言葉を受容する態度で傾聴するようにしましょう。
バイステックの7原則を振り返ると良いと思います。
不適切です。
保育者の勝手な判断でK君を無理やり集団の中に連れていくことは不適切です。
K君の行動をよく観察し、今K君が何を思っているのか、どうしたいのかを考えるようにしましょう。
輪の中へ入ることだけでなく、見ることも遊びの一つです。
不適切です。
「発達に関することは分からない」というのではなく、Mさんに寄り添うような言葉をかけましょう。
もし、わからないのであれば、発達に関する勉強をするなどして、「一緒に考えていきましょう」などと声をかけましょう。
不適切です。
保育士は専門家ではありますが、医者ではありません。
個人的な勝手な判断を伝えてはいけません。
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