ITパスポートの過去問
平成27年度 秋期
ストラテジ系 問3

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問題

平成27年度 秋期 ITパスポート試験 ストラテジ系 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

請負契約によるシステム開発作業において、法律で禁止されている行為はどれか。
  • 請負先が、請け負ったシステム開発を、派遣契約の社員だけで開発している。
  • 請負先が、請負元と合意の上で、請負元に常駐して作業している。
  • 請負元が、請負先との合意の上で、請負先から進捗状況を毎日報告させている。
  • 請負元が、請負先の社員を請負元に常駐させ、直接作業指示を出している。

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この過去問の解説 (3件)

01

請負とは、顧客から業務を委託されておこなうことです。
その中でも、指揮命令に関することが問題となっています。
注文会社である請負元、請負会社が請負先、社員は労働者にあたることで整理できるでしょう。

1 . 請負先が、請け負ったシステム開発を、派遣契約の社員だけで開発している。
請け負った会社が雇用関係のある社員で開発しているため問題はありません。

2 . 請負先が、請負元と合意の上で、請負元に常駐して作業している。
請け負った会社が、注文した会社と同意して、その会社に常駐して作業しているので問題はないでしょう。

3 . 請負元が、請負先との合意の上で、請負先から進捗状況を毎日報告させている。
注文した会社が、毎日状況報告してほしいというのも当然です。

4 . 請負元が、請負先の社員を請負元に常駐させ、直接作業指示を出している。
注文した会社が、請け負った会社に労働者を常駐させてほしいというのは問題ではありません。
ところが、作業指示をしていることが問題です。
そもそも注文した会社と、この労働者には雇用関係がありません。
労働契約以外では、指揮命令という使用従属関係が生まれないため、作業指示することができません。
そのため4は、禁止事項にあたります。

以上の内容から、禁止されている4が正解です。

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02

請負契約とは、「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果(仕事の量、品質、期限)に対してその報酬を支払う」契約です(民法632条)。
この契約形態では、請負先の責任は「仕事の完成」であることから、請負元と請負先の間に指揮命令関係はありません。
このため、本問においては、選択肢の内容が「仕事の完成」の範囲を超え、「偽装請負」に該当しないかどうかが問題となります。

職業安定法44条では、「(中略)労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。」とされており、他社から来た労働者を自社の指揮命令下に置く、「偽装請負」を禁止しています。

選択肢を見ていくと、
「1」については、請負先の責任は「仕事の完成」であり、その仕事を更に他社や派遣従業員に任せることも禁止されていないため、不正解となります。
「2」については、指揮命令を受けていない限りでは、請負元に常駐することは禁止されていないため、不正解となります。
「3」については、長期契約の請負契約など、進捗の報告が「仕事の完成」に必要であると考えられ、請負先との合意の上あれば問題ないため、不正解となります。

正解は「4」となります。請負元が、請負先の社員に直接作業指示を出しているという事実は、請負先の社員が請負元の指揮命令下にあると解されるため、偽装請負に該当することとなります。

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03

請負契約の契約形態では、請負元(発注側)と請負先(業者)の間に指揮監督関係はありません。
しかし、請負先(業者)は、使用する労働者との間には雇用関係が発生し、指揮命令関係にあります。

したがって、4の「請負元(発注側)が、請負先(業者)の社員(労働者)を請負元(発注側)に常駐させ、直接作業指示を出している」は、禁止行為に該当します。

上記の場合、
発注者 → 労働者は、☓
業者 → 労働者が○になります。

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