ITパスポートの過去問
平成28年度 秋期
マネジメント系 問38
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問題
平成28年度 秋期 ITパスポート試験 マネジメント系 問38 (訂正依頼・報告はこちら)
システム開発プロジェクトにおいて、開発用のPCの導入が遅延することになった。しかし、遅延した場合には旧型のPCを代替機として使用するようにあらかじめ計画していたので、開発作業を予定どおりに開始することができた。この場合に、プロジェクトマネジメントとして実施したものはどれか。
- クリティカルパスの見積り
- スコープ定義
- ステークホルダの特定
- リスク対応計画の実行
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この過去問の解説 (4件)
01
『あらかじめ計画していたので』から4.リスク対応計画を選択します。
1.
クリティカルパスは、最も時間がかかる作業経路のことです。
作業の遅れがプロジェクト全体の遅れに直結するcritical(重大な)作業を結んだ経路です。
2.
スコープ定義とは、プロジェクトを通して「なにをやるか」「何をつくるか」を明確にし、その認識を共有することです。
スコープ (scope)は範囲という意味です。
3.
ステークホルダとは、利害関係を同じくする企業の従業員や取引先や株主のことです。
4.
リスクとは、情報資産へ損失や損害を与える可能性のことです。
リスク対応計画には重要度の少ないリスクは許容範囲内とする「リスク保有(リスク受容)」、
リスクの損失や発生確率を抑える「リスク軽減」
リスクの原因を除去する「リスク回避」
契約などを通じてリスクを第三者と共有する「リスク共有(リスク転嫁)」があります。
今回の問題文はPC導入の遅延というリスクに対して、旧型PCで代替することで損害を低く抑えたリスク軽減にあたります。
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02
この設問は『プロジェクトマネジメント』について理解している必要があります。
それぞれの選択肢について説明します。
1.の「クリティカルパスの見積り」とは、クリティカルパス分析(Critical Path Analysis)において、期日内に作業を終わらせるために、作業の遅れが許されない業務を特定することを意味する言葉です。
そのため、「プロジェクトマネジメントとして実施した」内容の適切な説明とは言えません。
2.の「スコープ定義」とは、プロジェクトを開始するにあたり、どのような成果物を作り出すことを目的としてプロジェクトを進めるのかといった「プロジェクトの範囲」を定める行為を言います。
具体的には、「プロジェクトの成果物の範囲を定める(スコープ)こと」と「プロジェクトの成果物を実現するために必要となる作業の範囲を定める(スコープ)こと」 に大別されます。
いずれの場合であっても、「スコープ定義」はプロジェクト開始前に行われるため、「プロジェクトマネジメントとして実施した」内容の適切な説明とは言えません。そのため、正解とは言えません。
3.の「ステークホルダの特定」は、プロジェクトを進めるにあたって、関係性があり、かつ、影響を受ける可能性のある組織や人について、その関係性や影響の度合いについて特定し、文書化する作業を意味する言葉です。
そのため、「プロジェクトマネジメントとして実施した」内容の適切な説明とは言えません。
4.の「リスク対応計画の実行」は、発生したリスクに対して、計画されていた対応計画に基づき対処したことを意味しますから、「プロジェクトマネジメントとして実施した」内容の適切な説明と言えます。
そのことから、4.が正解と考えられます。
この設問では、「プロジェクトマネジメント」で使われやすい語句についての知識が必要となります。
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03
1のクリティカルパスの見積りは、プロジェクトをスケジュール通りに完了させるために遅延が許されない作業を特定する作業のことです。
2のスコープ定義は、プロジェクトの実施範囲を明確にする作業のことです。
3のステークホルダの特定は、プロジェクトの利害関係者を把握する作業のことです。
4は正解の、リスク対応計画の実行です。
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04
よって、正解は4です。
他の選択肢も見ていきましょう。
1.クリティカルパスとは、それ以上遅れるとプロジェクト全体が遅れる作業のことです。今回はプロジェクトの遅延に関する事象ではないため、誤りです。
2.スコープ定義とは、プロジェクトで開発する範囲を明確化することです。要件などに関係します。今回はスコープに関する事象ではないため、誤りです。
3.ステークホルダの特定とは、プロジェクトの利害関係者を明確化することです。今回は利害関係者に関する事象ではないため、誤りです。
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