管理栄養士の過去問
第27回
食べ物と健康 問52
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
野菜・果物・いも類の収穫後の変化に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
- さつまいもは、キュアリングにより長く貯蔵できる。
- ほうれんそうは、収穫後の呼吸作用が大きい。
- バナナには、追熟現象が認められる。
- かきは、脱渋の過程でタンニンが水溶性になる。
- きゅうりには、低温障害が認められる。
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この過去問の解説 (4件)
01
さつまいものキュアリングとは、貯蔵前に温度30~33℃、湿度90~95%の状況に3~4日置くことで傷口にコルク層ができることを言います。このコルク層によって傷口からの病原菌の侵入が防がれ、結果保存性が高まります。
2.正解です。
ほうれん草など葉物類の野菜は特に、収穫後も呼吸をつづけることで品質の低下を起こしやすい食品です。
低温化で、MA包装によって低酸素・高二酸化炭素の状態にすることで呼吸作用を抑制することができます。
3.正解です。
バナナは青い状態で収穫され、輸入されます。このバナナを温度管理がなされた室(むろ)に置くことで黄色く色づき、デンプン質が分解されて糖に変わることで甘みが増します。この現象を追熟と言います。
4.柿は脱渋の過程でタンニンが不溶性に変化します。
普通の柿はタンニンが不溶性であるのに対し、渋柿は水溶性のタンニンが多く、口にしたときにそのタンニンを感知してしまうためそのまま食べることができません。
ところが、渋柿の皮をむいて干す、アルコールに漬ける、高二酸化炭素の環境下に置くなどといった過程で柿の呼吸作用が阻害されると、細胞内にアセトアルデヒドが生成され、水溶性タンニンと結合して不溶性に変化します。
(皮をむいて干すと呼吸が阻害されるのは、干した表面部分に薄い膜ができるためです)
タンニンが不溶化した渋柿は渋みを感じなくなるため、食べることができるようになります。
5.正解です。
きゅうりなど温かいところで栽培された植物は、低温化に置かれることによって低温障害を起こします。
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02
【4.かきは、脱渋の過程でタンニンが水溶性になる。】です。
かきの渋みの原因は水溶性のタンニンで、不溶性になると渋みが無くなります。水溶性から不溶性に変える事を「渋抜き」と呼びます。炭酸ガスの中に入れたり、25度程度の場所に保管すると渋抜きができます。
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03
食べ物と健康/食品の分類と食品の成分からの出題です。
1.キュアリングを行うことでコルク層が発達し、貯蔵性が良くなります。
2.青果物はいずれも収穫後も呼吸と蒸散を行いますが、葉物野菜は特に呼吸作用が盛んです。
3.バナナは多くが輸入品ですが、まだ青いうちに収穫して運び、追熟を経て売り場に並びます。
4.タンニンはもともと水溶性で、脱渋により不溶性と変わり、渋味が消えます。
5.きゅうりの最適貯蔵温度は10~12℃くらいで、あまり低温だと組織の軟化や褐変が起こります。
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04
柿は渋味や苦味のもととなる可溶性タンニン(シブオール)を含んでいます。
甘柿は成熟の過程でタンニンが自然と不溶化して渋味がなくなりますが、渋柿は脱渋処理を行ってタンニンの不溶化をする必要があります。
タンニンはアセトアルデヒドと結合すると不溶化するため、アルコールによる脱渋の方法などがあります。
1.さつまいもは切断面からの腐敗を防ぐコルク層を形成させるため、キュアリング(高温多湿処理)を行います。温度32~35℃、湿度90~95%で4~7日間処理します。
2.ほうれんそうなどの葉菜類は呼吸量が大きく、果菜類や根菜類は非常に小さいです。
3.バナナには追熟現象があり、海外から輸入されるバナナは青いうちに収穫され、日本で追熟させてから出荷します。
5.きゅうりは4℃以下になると低温障害を生じます。呼吸による品質低下が大きいので、密封して冷蔵庫に保存します。
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