管理栄養士の過去問
第27回
公衆栄養学 問153
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 公衆栄養学 問153 (訂正依頼・報告はこちら)
国民健康・栄養調査(国民栄養調査)結果の栄養素摂取量について1950年を100とした場合の年次推移を図に示した。図の a~dに相当する栄養素の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
- a: 脂質 b: カルシウム c: たんぱく質 d: 炭水化物
- a: 脂質 b: カルシウム c: 炭水化物 d: たんぱく質
- a: カルシウム b: 脂質 c: たんぱく質 d: 炭水化物
- a: 脂質 b: たんぱく質 c: カルシウム d: 炭水化物
- a: カルシウム b: 脂質 c: 炭水化物 d: たんぱく質
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この過去問の解説 (4件)
01
国民健康・栄養調査は、健康増進法に基づき厚生労働省が毎年11月に行うものです。
国民の健康状態や食品・栄養素摂取量等の実態を把握し、その後の健康増進対策に活かすのが目的です。
昔に比べて、脂身の多い肉や油分の多い菓子類などの摂取量が格段に増えていることから、aは脂質と考えられます。
一方、白米ではなくパン食の増加や、朝食欠食に伴い炭水化物の摂取量は減少傾向にあるため、dは炭水化物と考えられます。
bとcに関しては見極めが難しいところですが、昔に比べて乳製品等の流通・確保がしやすくなっていることから、bはカルシウム。
昔は魚や植物性、近年は肉などの動物性と、内訳に変化はあるものの数値は横ばいなので、cはたんぱく質となります。
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02
国民健康・栄養調査は、国民の健康増進の推進を図るための基礎資料として、
国民の身体状況、栄養摂取量、生活習慣の状況を明らかにするため、
毎年実施されているものです。
以下、栄養素別の説明です。
a.脂質
食の欧米化に伴い、脂質の摂取量は大きく上昇傾向にあります。
1950年の脂質の摂取量は18gでしたが、ピークの1995年には60gと約3倍になっています。
その後やや減少し、2009年は54gでした。
b.カルシウム
戦後の乳・乳製品の普及により、カルシウムの摂取量は1975年で550mg、1999年で578mgと上昇傾向にあるものの、
依然として不足している人が多いのが現状です。
c.たんぱく質
たんぱく質の摂取量は戦後から大きく変化はしていませんが、その内容は変化しています。
1950年は動物性たんぱく質の比率が25%でしたが、2009年には52%となっています。
d.炭水化物
炭水化物の摂取量は、1975年で340g、1999年で270g、2009年で260gと、
年々、減少傾向にあります。
要因として、米をはじめとした穀物離れが推測されます。
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03
1950年代中盤から高度経済成長期に突入し、それに伴い国民の食事内容も変化しました。
経済成長期以降、肉類、乳・乳製品の消費が増加したことにより、脂質の摂取量もおのずと増加しました。ですので、aは脂質と考えられます。
植物性から動物性へ内訳は大きく変わりましたが、摂取量自体は横ばいなのはcのタンパク質です。
食事の欧米化により、乳・乳製品の摂取量も増加しました。よって、bはカルシウムと考えることが出来ます。
dは炭水化物です。かつて、主なエネルギー源はコメから摂る炭水化物でしたが、食の多様化により、畜肉製品の消費量が増えた結果、日本人の主食であったコメの消費量は減少しました。
それに伴い炭水化物の摂取量も減りました。
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04
昔と比較すると脂肪分の多い食事や菓子類が豊富になり、グルメ志向で食の簡便化も進んできているため、aは脂質と考えられます。
動物性食品の摂取が増え、米の摂取量が減少してきているのでdは炭水化物と考えられます。
たんぱく質は昔は魚などから、現代では肉などから摂取しているため摂取量自体はほぼ横ばいと考えられ、乳・乳製品は食の欧米化にともない流通も多くなったと考えられるのでbがカルシウム、cがたんぱく質になります。
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