管理栄養士の過去問
第24回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問25
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問題
第24回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
脂質に関する記述である。正しいのはどれか。
- ドコサヘキサエン酸は、エイコサノイドである。
- スフィンゴミエリンは、単純脂質である。
- 脂肪酸のβ酸化は、細胞質ゾルで行われる。
- メバロン酸は、コレステロール合成の中間体である。
- 血中のケトン体が増加すると、血液pHは上昇する。
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この過去問の解説 (3件)
01
2.スフィンゴミエリンは、脂肪酸、リン酸、コリンを含む複合脂質です。
3.β酸化はミトコンドリアのマトリックスで行われます。
5.血中のケトン体が増加すると、ケトン体は酸性のためPhは低下します。
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02
エイコサノイドとは、アラキドン酸やEPAのような炭素数20の多価不飽和脂肪酸が、体内で過酸化されてできる生理活性脂質のことです。
ドコサヘキサエン酸(DHA)は炭素数22の多価不飽和脂肪酸なので、エイコサノイドではなく、脂肪酸です。
2.× スフィンゴミエリンは、複合脂質です。
単純脂質とは、脂肪酸とアルコールのエステルです。
複合脂質とは、脂肪酸とアルコールの他に、リン酸、糖、硫酸、アミンなどの親水性の極性基をもつ化合物で、1つの分子内に疎水性と親水性の両方の性質を併せもつ両親媒性物質です。
スフィンゴミエリンはコリンのついたスフィンゴリン脂質で、スフィンゴシンを分子骨格とし、脂肪酸、リン酸及び塩基などから成る複合脂質です。
3.× 脂肪酸のβ酸化は、ミトコンドリアのマトリックスで行われます。
β酸化とは、脂質が分解して生じた脂肪酸を、アセチルCoAに分解する過程のことで、ミトコンドリアのマトリックスで行われています。
4.○ コレステロールは主として肝、小腸壁でアセチルCoAから生合成されます。
その生合成経路において、アセチルCoAから生成されたHMG-CoAがHMG-CoA還元酵素によって還元されるとメバロン酸が生じます。
5.× 血中のケトン体が増加すると、血液pHは低下します。
ケトン体とは、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンの総称です。
脂肪酸のβ酸化によって生じたアセチルCoAのうち、TCA回路で処理できない過剰のアセチルCoAは、主に肝臓のミトコンドリアでケトン体に合成されます。
ケトン体の合成亢進により、血中のケトン体濃度が上昇した状態をケトーシスといいます。
ケトン体のうち、アセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸は酸であるため、ケトーシスが進むと血液のpHが酸性に傾く(=pH低下)アシドーシス(ケトアシドーシス)となり、生命の危機と成ります。
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03
2.スフィンゴミエリンは複合脂質です。
3.脂肪酸のβ酸化は、ミトコンドリアのマトリックスで行われます。
4.肝臓でアセチルCoAからHMG-CoAが生成され、これがHMG-CoA還元酵素により、メバロン酸となり、コレステロールが1日に約1~1.5g合成されます。
よって、正しい答えとなります。
5.ケトン体は酸性なので、血中のケトン体が増加すると、血液pHは低下します。
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