管理栄養士の過去問
第32回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問25
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問題
第32回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
肥満と代謝疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 肥満者は、インスリン感受性が高い。
- 肥満者は、レプチンの分泌が低下している。
- 二次性肥満は、原発性肥満より多い。
- クッシング症候群は、中心性肥満を起こす。
- メタボリックシンドロームの診断基準項目に、BMIが含まれる。
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この過去問の解説 (3件)
01
(1)誤り。
感受性ではなく、抵抗性の方が高い状態にあります。
インスリンの効きが悪くなり、血液中の糖が上手に利用されていない状態になります。
(2)誤り。
肥満者はレプチンの分泌が【過剰】に出ている。
レプチンは肥満細胞から分泌されているアディポサイトカインの一種です。
食欲抑制作用や脂肪分解作用があります。
これらの効果から、肥満者はレプチンが少ないと考えてしまいがちですがその反対で、肥満の人は正常に比べて血中のレプチン濃度が高いのに、レプチンの作用が認められていません。
よってレプチン抵抗性(レプチンの効きが悪い状態)が発生しているとされています。
(3)誤り。
肥満者の大半は【原発性肥満】です。
■原発性肥満
肥満や疾患などなく、生活習慣、環境などが原因んで生じます。
■二次性肥満
何らかの疾患が原因で生じる肥満です。
(4)正解。
クッシング症候群は中心性肥満を引き起こします。
クッシング症候群は女性に多く、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の産生などの原因による【コルチゾール過剰症】です。
中心性肥満の他に、満月様顔貌や水牛様肩、浮腫、高血圧、またアンドロゲン過剰症状の多毛やにきびなどの特徴があります。
(5)誤り。
メタボリックシンドロームの診断基準
●内臓脂肪蓄積
ウエスト周径男性:85㎝以上、女性:90㎝以上
●上記に加えて以下2項目以上リスク該当
①血中脂質
中性脂肪値(TG値):150㎎/dl以上
かつ、または、
HDL-コレステロール値:40㎎/dl未満
②血圧
収縮期血圧値:130㎜Hg以上
かつ、または、
拡張期血圧値:85㎜Hg以上
③血糖
空腹時血糖値:110㎎/dl以上
☆BMIはあくまでエネルギー収支の結果を表しているもので、メタボリックシンドロームの診断基準には用いられません。
あくまで参考として使用されるべきのもの。と認識しておくと良いでしょう。
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02
1.肥満者は、インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態になります。従って、インスリン抵抗性は高くなります。
インスリン抵抗性が出てくる原因として、遺伝や肥満、運動不足、高脂肪食、ストレスなどがあります。
2.レプチンとは、脂肪組織で作られる食欲抑制とエネルギー代謝の調節に関わるホルモンのことです。
肥満が進むと脂肪細胞内の脂肪が増え、それに伴い、脂肪細胞から分泌されるレプチンも増加します。
しかし、肥満者は、レプチンの働きが悪くなるレプチン抵抗性の状態となっており、満腹サインが感じにくく、食欲が抑えられなくなると言われています。
3.原発性肥満とは、過食や摂食パターンの異常、遺伝、運動不足、エネルギー生産機能の異常などのことです。
何らからの疾病や薬剤の副作用などが原因の二次性肥満と比べると原発性肥満より少ないです。
4.クッシング症候群の人は、コルチゾールが過剰分泌するため、中心性肥満(体幹の周りに過剰な脂肪がつく状態)や、顔が丸く膨らむ満月様顔貌、高血圧などの症状がみられます。
5.メタボリックシンドロームの診断基準項目は、ウエスト周囲径、血圧、血糖値、血中脂質が含まれますです。
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03
クッシング症候群は、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが異常に分泌されることで起こります。コルチゾールは、インスリン感受性が低いので、血糖が上がり、脂肪が蓄えられます。脂肪がつきやすい顔や腹部が太り、筋肉の多い腕や脚が細くなる中心性肥満を引き起こします。
1.誤りです。
血液中のブドウ糖は、インスリンと結合し、それを受け取るインスリン受容体とのバランスがうまく働くことで、血糖値を下げることができます。このことを「インスリン感受性」と言います。肥満になると高血糖になり、インスリンを大量に分泌しなければならないので、感受性が低いと言えます。
2.誤りです。
肥満者は、レプチンの分泌が増加します。そもそもレプチンは、食欲を抑え、脂肪の燃焼を促すホルモンではありますが、肥満者のように脂肪増加が多くなると、レプチン分泌が増加し、食欲抑制が効かなくなります。
3.誤りです。
原発性肥満が95%を占めます。原発性肥満の原因は、過食・摂食異常・遺伝・運動不足などです。
5.誤りです。
BMIは含まれません。
●メタボリックシンドロームの診断基準項目
◎ウエスト周囲径
男性ー85㎝以上
女性ー90㎝以上
◎高血圧・高血糖・脂質代謝異常
(3項目のうち2項目以上該当)
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