管理栄養士の過去問
第36回
午前の部 問21
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問題
第36回 管理栄養士国家試験 午前の部 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
脂質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- アラキドン酸は、一価不飽和脂肪酸である。
- オレイン酸は、体内で合成できない。
- 腸管から吸収された中鎖脂肪酸は、門脈に入る。
- キロミクロンは、肝臓から分泌される。
- LDLは、HDLから生成される。
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この過去問の解説 (4件)
01
✕1 .アラキドン酸は、一価不飽和脂肪酸である。
→誤りです。
アラキドン酸は、多価不飽和脂肪酸に分類されます。
脂肪を構成している要素である脂肪酸は、分子の構造的な違いから
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。
不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
一価不飽和脂肪酸でよく知られているオレイン酸はオリーブ油に多く含まれています。
✕2 .オレイン酸は、体内で合成できない。
→誤りです。
オレイン酸は、体内で合成できます。
α-リノレン酸・リノール酸・アラキドン酸は体内で合成できないため、
必須脂肪酸と呼ばれています。
〇3 .腸管から吸収された中鎖脂肪酸は、門脈に入る。
→正しいです。
中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸と比較し長さが短く、分子量が小さいため、
水になじみやすい性質をもちます。
そのため、水に溶けやすい栄養素などと同じように、
門脈から直接肝臓に入り、分解されます。
✕4 .キロミクロンは、肝臓から分泌される。
→誤りです。
キロミクロンは、肝臓から分泌されるのではなく、分解されます。
食物から摂取した脂質は消化酵素によって分解され、腸管から吸収された後
小腸上皮細胞でもとの脂質になり、キロミクロンとして血中に分泌されます。
分泌された後は肝臓などで分解されます。
✕5 .LDLは、HDLから生成される。
→誤りです。
LDLは、HDLから生成されません。
肝臓ではコレステロールと中性脂肪が合成され、VLDLが形成され血中に分泌されます。
このVLDLはLPLにより代謝されIDLとなり、更に肝性リパーゼ(HTGL)の作用を受け、LDLへ代謝されていきます。
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02
正答は【3】です。
1.×
アラキドン酸は、n-6系の「多価不飽和脂肪酸」で、必須脂肪酸の1つです。体内では、リノール酸からγ-リノレン酸を経て生成されます。
2.×
オレイン酸は、n-9系の一価不飽和脂肪酸で、体内ではステアリン酸から生成されます。
3.〇
小腸上皮細胞で吸収された中鎖脂肪酸は、門脈を経て肝臓に運ばれます。消化吸収性がよく、効率よくエネルギーに代謝されます。中鎖脂肪酸の吸収には、胆汁酸塩を必要としません
。
4.×
キロミクロンは、「小腸」で合成されます。血漿中で最も大きなリポタンパク質です。
5.×
LDLは、肝臓で合成されたVLDLからトリアシルグリセロールが抜かれて生成されます。LDLの主な構成たんぱく質は、アポたんぱく質Bです。
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03
脂肪酸の種類や働き、コレステロールについての問題です。
× アラキドン酸は、n-6系の多価不飽和脂肪酸です。
体内で合成することができない必須脂肪酸の一つです。
× オレイン酸は、体内で合成できます。
ステアリン酸から合成可能で、植物油に豊富に含まれています。
〇 腸管から吸収された中鎖脂肪酸は、直接門脈に入ります。
その後、肝臓に入り分解されて短時間でエネルギーに変わります。
× キロミクロンは、リポタンパク粒子です。
食事由来の脂肪を腸から体内に輸送します。
× LDLはVLDLから生成されます。
VLDLは、肝臓内で生成し、組織へコレステロールを運ぶ役割があります。
脂肪酸の種類や働き、コレステロールなどを復習しておきましょう。
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04
必須脂肪酸、脂質代謝に関わる物質について確認しましょう。
アラキドン酸は、n-6系の多価不飽和脂肪酸です。
オレイン酸は、体内で合成できます。
必須脂肪酸の、α-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸は、体内で合成できない。
正解です。
キロミクロンは、小腸で生成されます。
LDL は、VLDL から生成されます。
必須脂肪酸、脂質代謝に関わる物質について確認しましょう。
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