管理栄養士の過去問
第36回
午後の部 問110

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問題

第36回 管理栄養士国家試験 午後の部 問110 (訂正依頼・報告はこちら)

小学4年生児童に、給食の残菜を減らすことを目的とした食育を行った。食育前後の変化と、評価の種類の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 給食を残すことがもったいないと思う児童の割合が増加した。 ―― 影響評価
  • 給食室から出たごみの内容を理解した児童の割合が増加した。 ―― 結果評価
  • 給食を残さず食べる児童の割合が増加した。 ―――――――――― 経過評価
  • 給食をおかわりする児童の割合が増加した。 ―――――――――― 形成的評価
  • 学習内容について、手を挙げて発言する児童が増加した。 ―――― 企画評価

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この過去問の解説 (4件)

01

1 .給食を残すことがもったいないと思う児童の割合が増加した。 ―― 影響評価

 ⇒影響評価/比較的短期間に生じる変化についての評価であるため、影響評価であると考えられます。

2 .給食室から出たごみの内容を理解した児童の割合が増加した。 ―― 結果評価

 ✖⇒影響評価/比較的短期間に生じる変化についての評価であるため、結果評価ではなく影響評価であると考えられます。今回の食育の最終的な目的は給食の残菜を減らすことであるため、結果評価は給食の残菜量で評価できると考えられます。

3 .給食を残さず食べる児童の割合が増加した。 ―――――――――― 経過評価

 ✖⇒影響評価/比較的短期間に生じる変化についての評価であるため、結果評価ではなく影響評価であると考えられます。経過評価はプログラムの運営や経過についての評価などがふさわしいため、プログラムの進捗や参加人数などが経過評価の例に上がります。

4 .給食をおかわりする児童の割合が増加した。 ―――――――――― 形成的評価

 ✖⇒影響評価/比較的短期間に生じる変化についての評価であるため、形成的評価ではなく影響評価もしくは総括的評価であると考えられます。形成的評価とはプログラムの開発、改善等を基底とした評価であり、企画評価と経過評価を行うプログラムの企画から実施の間で行われます。

5 .学習内容について、手を挙げて発言する児童が増加した。 ―――― 企画評価

 ✖⇒影響評価/比較的短期間に生じる変化についての評価であるため、企画評価ではなく影響評価であると考えられます。企画評価は計画段階についての評価となるため、本選択肢ではふさわしくないと考えられます。

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02

解答は【1】です。

評価の種類について、復習をしましょう。

 ・企画評価:実態把握は適切か、目標設定・学習内容は適切かどうか。

 ・形成的評価:プログラムの参加率や、予定通りプログラムを実施しているかどうか。 

 ・経過評価:教育は企画どおり実施したかどうか。目標行動の要因に関する学習はできたかどうか。

 ・影響評価:個別目標は達成できたかどうか。

 ・結果評価:一般目標は達成できたかどうか。プログラム目標は達成できたかどうか。

 ・経済評価:費用効果分析、費用効用分析、費用便益分析など。

 ・総括的評価:栄養教育による学習者の変化はどうか。

1.

最も適切です。

2.×

影響評価です。

3.×

影響評価です。

4.×

影響評価です。

5.×

形成的評価、あるいは影響評価です。

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03

栄養教育では、より良い教育プログラムを作成するために、実施したプログラムの有効性を評価します。

▼評価の種類

・企画評価ー計画段階についての評価

・経過評価ープログラムの運営、経過についての評価、参加者の学習状況についての評価

・影響評価ー比較的短期間に生じる変化についての評価

・結果評価ー最終的な目標の達成度合いについての評価

・経済評価ープログラムの実施にかかった費用と得られた効果の評価

・形成的評価ープログラムの開発や改善を目的とした評価(企画+経過評価)

・総括的評価ープログラムの効果についての評価(影響+結果評価)

・総合評価ープログラム全体についての評価

選択肢1. 給食を残すことがもったいないと思う児童の割合が増加した。 ―― 影響評価

正解です。

選択肢2. 給食室から出たごみの内容を理解した児童の割合が増加した。 ―― 結果評価

経過評価もしくは影響評価と考えられます。

選択肢3. 給食を残さず食べる児童の割合が増加した。 ―――――――――― 経過評価

影響評価と考えられます。

選択肢4. 給食をおかわりする児童の割合が増加した。 ―――――――――― 形成的評価

影響評価と考えられます。

選択肢5. 学習内容について、手を挙げて発言する児童が増加した。 ―――― 企画評価

経過評価もしくは影響評価と考えられます。

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04

栄養教育は、より良い教育プログラムを作成するため、実施したプログラムの有効性を8つの項目に分けて評価しています。

 

企画評価:「設定目標が適切な内容であったか」という企画段階の評価です。(設定目標や人材、問題点の優先順位など) 

 

形成的評価:プログラムの開発、改善を目的とした評価です。

 

経過評価:プログラムの運営や、経過に関する評価です。

 

影響評価:短期間の学習目標行動目標環境目標などの変化に対する評価です。(態度、スキルの変化など)

 

結果評価:最終的な目標の達成度についての評価です。

(健康指標の改善や、客観的、主観的健康、生活の満足度の改善など)

 

総括的評価:プログラムを実施後、全体を通しての評価です。

 

経済評価:プログラムのを実施した経費と得られた効果についての評価です。

 

総合評価:全ての評価を考慮したプログラム全体についての評価です。

 

選択肢1. 給食を残すことがもったいないと思う児童の割合が増加した。 ―― 影響評価

〇 「給食を残すことがもったいないと思う児童の割合が増加した。」は、学習目標に関する変化なので、影響評価です。

 

選択肢2. 給食室から出たごみの内容を理解した児童の割合が増加した。 ―― 結果評価

✖ 「給食室から出たごみの内容を理解した児童の割合が増加した」は、結果評価ではありません。

 

結果評価は、最終的な目標の達成度について評価です。

選択肢3. 給食を残さず食べる児童の割合が増加した。 ―――――――――― 経過評価

✖ 「給食を残さず食べる児童の割合が増加した」は、経過評価ではありません。

 

経過評価は、プログラムの運営や経過についての評価です。

選択肢4. 給食をおかわりする児童の割合が増加した。 ―――――――――― 形成的評価

✖ 「給食をおかわりする児童の割合が増加した」は、形成的評価ではありません。

 

形成的評価は、プログラムの開発、改善を目的とした評価です。

選択肢5. 学習内容について、手を挙げて発言する児童が増加した。 ―――― 企画評価

✖ 「学習内容について、手を挙げて発言する児童が増加した」は、企画評価ではありません。

 

企画評価は、「設定目標が適切な内容であったか」という企画段階の評価のことです。

まとめ

栄養教育の評価は、教育プログラムの企画から実施後まで各段階に応じて評価を行っています。この問題は、何を評価しているのかを考えると答えを選択しやすくなります。

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