管理栄養士の過去問
第38回
午前の部 問96

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問題

第38回 管理栄養士国家試験 午前の部 問96 (訂正依頼・報告はこちら)

運動・スポーツと栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • グリコーゲンローディングは、瞬発力を必要とする短時間の競技に適している。
  • 運動後のたんぱく質と炭水化物の摂取は、筋損傷の回復に効果的である。
  • 溶血性貧血の主な原因は、銅の摂取不足である。
  • 瞬発力を必要とする短時間の競技直前には、高脂肪食を摂取する。
  • 女性アスリートの3主徴は、葉酸の十分な摂取により予防できる。

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この過去問の解説 (3件)

01

運動・スポーツと栄養管理に関する記述です。

問題をみていきましょう。

選択肢1. グリコーゲンローディングは、瞬発力を必要とする短時間の競技に適している。

× 間違いです。

 

グリコーゲンローディングとは、運動前に筋グリコーゲンを蓄えることで、運動能力を高めて疲労を防ぐ方法のことです。

マラソンやトライアスロンなど、激しく長時間に及ぶ運動に適しています

 

選択肢2. 運動後のたんぱく質と炭水化物の摂取は、筋損傷の回復に効果的である。

〇 正解です。

 

運動後は筋グリコーゲンが消耗しています。

疲労回復には、早いタイミングで炭水化物を摂取すると筋グリコーゲンの回復に効果的です。

運動による筋肉の体たんぱく質の分解を回復するためには、運動後のたんぱく質摂取が効果的です。

選択肢3. 溶血性貧血の主な原因は、銅の摂取不足である。

× 間違いです。

 

溶血性貧血の主な原因は、足底部における血球の破壊です

選択肢4. 瞬発力を必要とする短時間の競技直前には、高脂肪食を摂取する。

× 間違いです。

 

瞬発力を必要とする短時間の競技直前には、グリコーゲンを多く摂取します

選択肢5. 女性アスリートの3主徴は、葉酸の十分な摂取により予防できる。

× 間違いです。

 

激しいトレーニングを続けている女性アスリートには、「エネルギー不足」、「無月経」、「骨粗鬆症」のリスクがあります。

これらのことを「女性アスリートの3主徴」といい、女性アスリートの健康管理において重要な問題となっています。

葉酸の十分な摂取により予防はできません

まとめ

運動時は安静時と比べて多くのエネルギーを消費します。

運動と栄養補給の種類やタイミングについて理解し、適切な栄養補給方法を覚えましょう。

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02

正解は、「運動後のたんぱく質と炭水化物の摂取は、筋損傷の回復に効果的である。」です。

選択肢1. グリコーゲンローディングは、瞬発力を必要とする短時間の競技に適している。

分解が容易で速やかに吸収されやすいグリコーゲンは、貯蔵できる量が脂質に比べると少ないです。

グリコーゲンローディングとは、そのグリコーゲンをより多く体に貯蔵し運動エネルギーとして利用するための栄養摂取方法です。

 

エネルギーを多量に消費する、高い持続性を必要とするスポーツに有効とされています。s

選択肢2. 運動後のたんぱく質と炭水化物の摂取は、筋損傷の回復に効果的である。

筋肉の回復にはたんぱく質が必要です。

ただし、体のエネルギーが不足していると体たんぱく質の分解が亢進してしまうため、十分なエネルギーを得ることも重要です。

速やかにエネルギーとなる炭水化物と筋肉の生成に必要なたんぱく質の摂取が、筋損傷の回復に効果的です。

選択肢3. 溶血性貧血の主な原因は、銅の摂取不足である。

溶結性貧血はビタミンEの欠乏などにより起こります。

銅の摂取不足により起こるのは低色素性貧血です。

選択肢4. 瞬発力を必要とする短時間の競技直前には、高脂肪食を摂取する。

人間の身体がエネルギーとして利用する栄養素の優先順位は、糖質>脂質>たんぱく質の順です。

炭水化物は他の栄養素と比べ、摂取してから最も早くエネルギーに変換される即効性のある栄養素です。

そのため、瞬発力を必要とする競技の場合には高脂肪食は薦められません。

選択肢5. 女性アスリートの3主徴は、葉酸の十分な摂取により予防できる。

女性アスリートの3主徴は、「エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」です。

これらはそれぞれに関係し合っており、「エネルギー不足」により「無月経」を引き起こし、「無月経」のためエストロゲンが低下し骨量の低下を招き「骨粗しょう症」の一因となります。

そのため葉酸の十分な摂取では予防が難しいです。

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03

運動・スポーツと栄養管理についてまとめておきましょう。

選択肢1. グリコーゲンローディングは、瞬発力を必要とする短時間の競技に適している。

(×) グリコーゲンローディングは、持久力を必要とする長時間の競技に適しています。

 

長時間の運動にはグリコーゲンを必要とします。

グリコーゲンローディングは競技の数日前から高糖質食を摂取し、グリコーゲンを蓄える方法です。

このことからグリコーゲンローディングは持久力を必要する長時間の競技に適しています。

選択肢2. 運動後のたんぱく質と炭水化物の摂取は、筋損傷の回復に効果的である。

(〇)

 

筋損傷の回復にはたんぱく質が必要となります。

しかし、エネルギーが不足していると異化がおこるため、たんぱく質と炭水化物を摂取する必要があります。

選択肢3. 溶血性貧血の主な原因は、銅の摂取不足である。

(×) 溶血性貧血の主な原因は、赤血球の物理的破壊です。

 

足底の強い衝撃によって赤血球は破壊されることを溶血性貧血といいます。

選択肢4. 瞬発力を必要とする短時間の競技直前には、高脂肪食を摂取する。

(×) 発力を必要とする短時間の競技直前には、高脂肪食を控えます。

 

短時間競技では、エネルギーを蓄えておく必要がないため、高脂肪食の必要はありません。

高脂肪食は胃腸の負担になるため、競技直前には控える方が有効とされます。

選択肢5. 女性アスリートの3主徴は、葉酸の十分な摂取により予防できる。

(×) 女性アスリートの3主徴は、「エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」です。

 

女性アスリートの3主徴は、「エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」であるため、エネルギーとカルシウムを十分摂取する必要があります。

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