管理栄養士 過去問
第38回
問110 (午後の部 問13)

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問題

管理栄養士試験 第38回 問110(午後の部 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

栄養教育プログラムの経済評価に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 費用効用分析では、得られた効果を金額に換算して評価する。
  • 費用便益分析では、質を調整した生存年数(quality-adjusted life years:QALY)を指標として評価する。
  • 費用便益分析では、総費用よりも総便益が小さいほど、経済的に有益であったと評価する。
  • 費用効果分析では、一定の効果(1単位)を得るために要した費用を評価する。
  • 費用効果分析では、栄養教育プログラムを1回実施するのに必要な費用を評価する。

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この過去問の解説 (3件)

01

経済評価は、経済の側面から結果を評価し、貴重な財源が最も効果的に活用されるようなプログラムへの改善を図るために実施されます。

費用効果分析、費用効用分析、費用便益分析、の違いを理解しておきましょう。

選択肢1. 費用効用分析では、得られた効果を金額に換算して評価する。

不正解です。

費用便益分析、得られた効果を金額に換算して評価します。

費用効用分析では、質を調整した生存年数(quality-adjusted life years:QALY)を指標として評価します。

選択肢2. 費用便益分析では、質を調整した生存年数(quality-adjusted life years:QALY)を指標として評価する。

不正解です。

費用効用分析で、質を調整した生存年数(quality-adjusted life years:QALY)を指標として評価します。

費用便益分析では、得られた効果を金額に換算して評価します。

選択肢3. 費用便益分析では、総費用よりも総便益が小さいほど、経済的に有益であったと評価する。

不正解です。

総費用よりも総便益が大きいほど、経済的に有益であったと評価します。

選択肢4. 費用効果分析では、一定の効果(1単位)を得るために要した費用を評価する。

正解です。

費用効果分析では、複数のプログラムを用いて教育を行ったときの、効果1単位当たりの費用または費用1単位当たりの効果を算出します。

選択肢5. 費用効果分析では、栄養教育プログラムを1回実施するのに必要な費用を評価する。

不正解です。

費用効果分析では、効果1単位当たりの費用または費用1単位当たりの効果を算出します。

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02

栄養教育プログラムの経済評価とは、プログラムを実施するためにかかった費用に関して、どの程度効果があらわれたかを、経済的な面からも評価することです。

 

評価方法は、

 ・費用効果分析

 ・費用便益分析

 ・費用効用分析

の3つがあります。

選択肢1. 費用効用分析では、得られた効果を金額に換算して評価する。

不適当です。

 

得られた効果をすべて金銭的価値に換算する方法は、費用便益分析です。

選択肢2. 費用便益分析では、質を調整した生存年数(quality-adjusted life years:QALY)を指標として評価する。

不適当です。

 

プログラムの効果を健康成果の質と費用と考慮し評価する方法は、費用効用分析です。

選択肢3. 費用便益分析では、総費用よりも総便益が小さいほど、経済的に有益であったと評価する。

不適当です。

 

総便益のほうが、総費用よりも大きいほど、経済的に有益であったと評価します。

総便益を総費用で割ることで、プロジェクトの実施価値を評価します。

この値が1を超えれば、そのプロジェクトを実施する価値があると判断される材料になります。

選択肢4. 費用効果分析では、一定の効果(1単位)を得るために要した費用を評価する。

最も適当です。

 

一定の効果をだすために、必要とした費用を評価します。

選択肢5. 費用効果分析では、栄養教育プログラムを1回実施するのに必要な費用を評価する。

不適当です。

 

複数の栄養教育プログラムについて、ある一定の効果を得るために必要な費用をそれぞれどの程度異なるのかをまず算出し、比較します。

そして、効果の違いと費用の差を考慮して、最も効果的なプログラムは何か特定する分析方法です。

参考になった数3

03

栄養教育においては、企画したプログラムの実施にかかった費用とその効果度を評価する(費用対効果を評価する)、経済評価があります。

 

<経済的評価の分析方法>

・費用効果分析

 あるプログラムにおいて1単位の効果を得るために要した費用

 例)体重1kgを減少させるために要した費用

・費用効用分析

 あるプログラムにおいて1単位の効用を得るために要した費用

 ※効用:結果に対して持つ望ましさ・好ましさのこと

 「質を調整した生存年(QALY)=生存年数×効用値(QOL評価)」で評価する

・費用便益分析

 プログラムの実施に要した費用と結果を比較した際に、利益が生じたかどうか

 結果も金額に変換し分析する

選択肢1. 費用効用分析では、得られた効果を金額に換算して評価する。

✕ 不正解です。

得られた効果(この場合結果)を金額に換算し評価するのは、費用便益分析です。

選択肢2. 費用便益分析では、質を調整した生存年数(quality-adjusted life years:QALY)を指標として評価する。

✕ 不正解です。

QALYを指標とするのは、費用効用分析です。

選択肢3. 費用便益分析では、総費用よりも総便益が小さいほど、経済的に有益であったと評価する。

✕ 不正解です。

総費用よりも総便益が小さかったということは、言い換えると「たくさんの費用をかけて結果が伴わなかった」ということになるため、経済的に有益とは言えません。

選択肢4. 費用効果分析では、一定の効果(1単位)を得るために要した費用を評価する。

○ 正解です。

選択肢5. 費用効果分析では、栄養教育プログラムを1回実施するのに必要な費用を評価する。

✕ 不正解です。

費用効果分析は、プログラムの実施に要した費用と効果を比較する分析です。プログラムの実施に必要な費用の評価ではありません。

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