管理栄養士 過去問
第39回
問25 (午前の部 問25)

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問題

管理栄養士試験 第39回 問25(午前の部 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

脂質代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • インスリンは、リポたんぱく質リパーゼ活性を低下させる。
  • リポたんぱく質リパーゼの異常では、高キロミクロン血症をきたす。
  • 家族性高コレステロール血症は、グルコース─6─ホスファターゼの欠損によって起こる。
  • ネフローゼ症候群の診断基準では、脂質異常症が必須条件である。
  • 著明な高コレステロール血症では、急性膵炎を起こす。

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この過去問の解説 (3件)

01

脂質の代謝と診断基準について理解しておきましょう。

 

<食事由来の脂質代謝>

1.リパーゼにより分解

2.リンパ管から血液中へ

3.リポたんぱく質(キロミクロン、HDL、LDL等)と結合し輸送

4.脂肪組織・肝臓に取り込まれ貯蔵

5.肝臓や筋肉で分解され、エネルギーとして利用

 

<脂質異常症の診断基準>

高LDLコレステロール血症:140mg/dL以上

低HDLコレステロール血症:40mg/dL以下

高TG血症:150mg/dL以上

選択肢1. インスリンは、リポたんぱく質リパーゼ活性を低下させる。

不正解です。

リポたんぱく質リパーゼ活性を上昇させます。

選択肢2. リポたんぱく質リパーゼの異常では、高キロミクロン血症をきたす。

正解です。

リポたんぱく質リパーゼ異常では、高キロミクロン血症をきたします。

選択肢3. 家族性高コレステロール血症は、グルコース─6─ホスファターゼの欠損によって起こる。

不正解です。

家族性高コレステロール血症は、LDL受容体欠損によって起こります。

選択肢4. ネフローゼ症候群の診断基準では、脂質異常症が必須条件である。

不正解です。

ネフローゼ症候群の診断基準は、

①尿たんぱく 3.5g/日以上

②低アルブミン血症 血清アルブミン値3.0g/dL以下

          血清総蛋白質6.0g/dL以下

③浮腫

④脂質異常症(高LDLコレステロール血症)

 

①〜③までは必須条件となっています。

選択肢5. 著明な高コレステロール血症では、急性膵炎を起こす。

不正解です。

著明な高TG血症では急性膵炎を引き起こすことがあります。

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02

脂質代謝に関する問題です。

選択肢1. インスリンは、リポたんぱく質リパーゼ活性を低下させる。

不正解です。

インスリンは、リポたんぱく質リパーゼ活性を上昇させます。

 

選択肢2. リポたんぱく質リパーゼの異常では、高キロミクロン血症をきたす。

正解です。

選択肢3. 家族性高コレステロール血症は、グルコース─6─ホスファターゼの欠損によって起こる。

不正解です。

糖原病はグルコース─6─ホスファターゼの欠損によって起こります。

家族性高コレステロール血症はLDL受容体の変異によって起こります。

選択肢4. ネフローゼ症候群の診断基準では、脂質異常症が必須条件である。

不正解です。

ネフローゼ症候群の診断基準では、脂質異常症が参考条件です。

 

必須条件は

・尿蛋白 3.5g/日以上

・低アルブミン血症 3.0g/dL以下

 

参考条件は、

・浮腫

・脂質異常症

となります。

選択肢5. 著明な高コレステロール血症では、急性膵炎を起こす。

不正解です。

著明な高トリグリセリド血症では、急性膵炎を起こします。

 

参考になった数1

03

脂質代謝に関する問題です。

選択肢1. インスリンは、リポたんぱく質リパーゼ活性を低下させる。

不正解です。

インスリンは、リポたんぱく質リパーゼ活性を上昇させます。

リポたんぱく質リパーゼとは、キロミクロン中のトリグリセリドを加水分解によって細胞へ運ぶ酵素のことです。

選択肢2. リポたんぱく質リパーゼの異常では、高キロミクロン血症をきたす。

正解です。

リポタンパク質リパーゼの異常では、高キロミクロン血症をきたします。

 

選択肢3. 家族性高コレステロール血症は、グルコース─6─ホスファターゼの欠損によって起こる。

不正解です。

家族性コレステロール血症は、遺伝子が変異し、LDL受容体が欠損することで起こります。

若年性で高LDL血症を示し、心筋梗塞などの疾患を引き起こす危険性があります。

治療では食事療法や運動療法、薬物療法を行います。

グルコース-6-ホスファターゼは、グルコース6リン酸からグルコースを合成する酵素のことです。

欠損により糖原病を発症します。

選択肢4. ネフローゼ症候群の診断基準では、脂質異常症が必須条件である。

不正解です。

ネフローゼ症候群の診断基準は、尿たんぱく3.5g/日以上が継続し、血清アルブミン値が3.0g/dL以下に低下することが必須条件です。

明らかな原因疾患がないものを一次性、原因疾患があるものを二次性ネフローゼ症候群と言います。

必須条件ではありませんが、血清アルブミン値の低下による浮腫や脂質異常症が所見に現れます。

血清アルブミン値の低下により肝臓でのタンパク質合成が促進すると、同時に脂質の合成も促進されてしまうため、脂質異常症も発症するといわれています。

選択肢5. 著明な高コレステロール血症では、急性膵炎を起こす。

不正解です。

著明な高トリグリセリド血症では、急性膵炎を起こします。

急性膵炎は、膵液の消化酵素が膵臓自体も消化する状態のことです。

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