管理栄養士 過去問
第39回
問114 (午後の部 問17)
問題文
傷病者のエネルギー必要量に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
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問題
管理栄養士試験 第39回 問114(午後の部 問17) (訂正依頼・報告はこちら)
傷病者のエネルギー必要量に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- ハリス−ベネディクト(Harris−Benedict)の式で算出された値は、推定エネルギー必要量である。
- ハリス−ベネディクト(Harris−Benedict)の式には、体表面積を用いる。
- 脳梗塞により意識障害をきたした患者のエネルギー必要量は、基礎代謝量の1.5倍とする。
- 安静時エネルギー消費量は、間接熱量計で測定できる。
- 重症熱傷患者では、NPC/Nを健常時より高くする。
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この過去問の解説 (2件)
01
この設問では、基礎代謝量(BEE)の求め方と、推定エネルギー必要量(TEE)の求め方について理解しておく必要性があります。
不正解です。
ハリスーベネディクト(Harris-Benedict)式では、基礎代謝量(BEE)を算出することができます。
推定エネルギー必要量の算出には、BEEにさらに活動係数・ストレス係数を乗じます。
不正解です。
ハリスーベネディクト(Harris-Benedict)式では、体重・身長・年齢を用います。
男性: BEE = 88.362 + (13.397 x 体重kg) + (4.799 x 身長cm) - (5.677 x 年齢)
女性: BEE = 447.593 + (9.247 x 体重kg) + (3.098 x 身長cm) - (4.33 x 年齢)
不正解です。
脳梗塞後はストレス状況によって、推定エネルギー必要量が亢進しています。一般的に基礎代謝量(BEE)の1.1~1.3倍とします。
正解です。
効果的な栄養管理のため、間接熱量計を用いた安静時エネルギー消費量の算出が注目されています。
不正解です。
重症熱傷患者では、体タンパクの異化は亢進しており、主に筋タンパクを分解しエネルギー源としています。そのため栄養管理においては、高タンパク質投与を行うことが推奨されています。
NPC/N比とは、「非タンパク質エネルギー量(糖質+脂質)」と「タンパク質エネルギー量」の比率です。高タンパク質投与を行う重症熱傷例では通常時よりNPC/N比は低く設定します。
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02
エネルギー必要量は様々な方法で算出できます。この設問で代表的な計算方法を見ていきましょう。
不正解。
ハリス−ベネディクト(Harris−Benedict)の式は基礎エネルギー消費量(BEE)の算出に使用されます。
不正解。
ハリス−ベネディクト(Harris−Benedict)の式では、年齢・性別・体重・身長に基づいて計算します。
式は以下の通り。
男性の場合
BEE = 66.47 + (13.75 × 体重[kg]) + (5.0 × 身長[cm]) - (6.76 × 年齢[歳])
女性の場合
BEE = 655.1 + (9.56 × 体重[kg]) + (1.85 × 身長[cm]) - (4.68 × 年齢[歳])
不正解。
傷病者は健康的な体を維持するためにエネルギー必要量が多くなります。
エネルギー必要量を求めるためには、基礎エネルギー消費量に活動係数・ストレス係数を乗じて算出します。
脳梗塞により意識障害をきたした患者の場合、
活動係数は1.1~1.2となり、ストレス係数は設問中から有意な情報を読み取れないため術後の合併症無しと仮定し1.0。
よって、1.1~1.2倍が適切と言えます。
正解。
間接熱量計は、呼気中の酸素と二酸化炭素の量を測定することでエネルギー消費量を算出する装置です。
不正解。
NPC/Nは、非たんぱくカロリー(糖質と脂質)と窒素量
(たんぱく質)の比率です。
重症熱傷患者は炎症反応や患部の治癒過程で代謝が更新し、たんぱく質の分解が促進されます。
よって、たんぱく質の消費が亢進するため、たんぱく量を増やし、NPC/Nを健常時より低くする必要があります。
傷病者に適切なエネルギー量・栄養素量で食事を提供することは非常に重要なことです。
各栄養素の必要量の算出方法を覚えておきましょう。
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