管理栄養士 過去問
第39回
問185 (午後の部 問88)

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問題

管理栄養士試験 第39回 問185(午後の部 問88) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

K総合病院の在宅診療部に勤務する管理栄養士である。患者は、76歳、独居男性。脳梗塞後遺症により要支援1。嚥下機能に問題はない。高血圧症のため通院加療を続けていた。最終通院時、血圧112/68mmHg、身長167cm、体重62kg、BMI22.2kg/m2
1週間前に、発熱、咽頭痛が生じ、近医を受診したところ、新型コロナウイルス感染症と診断された。自宅での薬物療法により、発熱、咽頭痛は改善された。解熱鎮痛薬服用6日目に、心窩部痛と食欲不振が出現した。翌日になっても症状が改善しないため、近医から当院に連絡があり、担当医が男性宅を訪問し、診療した。
口渇を訴えているものの、心窩部痛があるため市販のゼリー飲料と経口補水液のみを摂取していた。尿検査を行ったところ、濃縮尿であった。入院加療の必要性はないと担当医が判断し、在宅で加療することとなった。

担当医の指示により、在宅で3日間の対症療法を行った。バイタルサインを確認した後に、把握すべき所見として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 認知機能
  • 下腿周囲長
  • ツルゴール
  • 眼球結膜の黄染

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この過去問の解説 (1件)

01

最も適切なのは ツルゴール です。
発熱や経口摂取量の低下により脱水が疑われるため、皮膚を軽くつまんで戻り具合を見る ツルゴール を確認すると、水分不足を早期に捉えやすいからです。

選択肢1. 認知機能

✕ 不正解です。

脱水と認知機能には一部関連性もありますが、設問では栄養状態の評価を行なうのが優先であり、認知機能の評価ではありません。

選択肢2. 下腿周囲長

✕ 不正解です。

下腿周囲長は筋肉量の指標になり、長期的な栄養状態を見るときに役立ちます。今回は急性の水分バランスを確認する場面なので適しません。

選択肢3. ツルゴール

○ 正解です。

皮膚をつまんで戻りにくければ、細胞外液が不足しているサインです。短時間で確認でき、脱水程度を判断しやすいことから最も実用的です。

選択肢4. 眼球結膜の黄染

✕ 不正解です。

眼球結膜の黄染の観察では、肝機能や胆道系疾患の有無の予測ができます。栄養状態の評価にはあたりません。

まとめ

口渇と濃縮尿は脱水を示唆します。ツルゴール の所見を取れば、在宅でも迅速に水分不足を把握できるため、早めの補水量調整や点滴の判断材料になります。

高齢者は喉の渇きを自覚しにくいこともあるため、皮膚や粘膜、尿量など複数の視点で継続的に観察することが大切です。

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