1級管工事施工管理技士 過去問
令和元年度(2019年)
問10 (問題A 問10)
問題文
金属材料の腐食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
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問題
1級 管工事施工管理技術検定試験 令和元年度(2019年) 問10(問題A 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
金属材料の腐食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 異種金属の接触腐食は、貴な金属と卑な金属を水中で組み合わせた場合、それぞれの電極電位差によって卑な金属が腐食する現象である。
- 水中における炭素鋼の腐食は、pH4以下では、ほとんど起こらない。
- 溶存酸素の供給が多い開放系配管における配管用炭素鋼鋼管の腐食速度は、水温の上昇とともに80℃位までは増加する。
- 配管用炭素鋼鋼管の腐食速度は、管内流速が速くなると増加するが、ある流速域では表面の不動態化が促進され腐食速度が減少する。
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この過去問の解説 (3件)
01
2.誤りです。
水中における炭素鋼の腐食は、pH4以下の強酸性の水中では、酸化第一鉄の不動態被膜の溶解により増大します。
一方、pH10以上では鋼表面の水酸化物の溶解度の減少のため、腐食も減少します。
3.設問の通りです。
4.設問の通りです。
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02
金属材料の腐食に関する問題です。
適当です。
「異種金属」の接触腐食に関して、本文のとおり貴な金属と卑な金属を水中で組み合わせた場合、それぞれの「電極電位差」によって「卑な金属が腐食する」現象です。
ここでいう「貴な金属」とはイオン化傾向が小さい(溶けにくく・錆びにくい)金属をいいます。
「卑な金属」とは反対にイオン化傾向の大きい(溶けやすく・錆びやすい)金属をいいます。
適当ではありません。
pH4以下ということは「強酸性」になるので、酸性が強いほど腐食しやすいことをふまえると誤った文章です。
pH値は1~14まであり、7が「中性」、7より大きくなれば「アルカリ性」、小さくなれば「酸性」を示します。
適当です。
「溶存酸素の供給が多い」ということは酸素が多く溶け込んでおり、水温の上昇の際の化学変化に多分に影響するのでこの本文は正しいです。
適当です。
本文のとおり、管内流速が速くなると増加するのですが、、ある流速域に入ると、表面の「不動態化」が促進され、腐食速度が減少します。
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03
金属材料の腐食に関する問題です。
正
問題文の内容通りです。
貴な金属とはイオン化傾向が大きい金属で、卑な金属とはイオン化傾向が大きい金属です。
異種金属の接触腐食は、ガルバニック腐食とも言い、銅のような貴な金属と、炭素鋼のような卑な金属の組み合わせ時、それぞれのイオン化による電位差によって電池を形成し、+の陽極となる卑な金属が局部的に腐食する現象です。
誤
水中における炭素鋼の腐食は、pH4以下では、急速に腐食を進行させる。
pH4以下の水中の炭素鋼は、酸化第一鉄の不働態被膜は溶解し、陰極反応で水素ガスを発生して、急速に腐食を進行します。
通常の水は、pH4~pH10にあり、炭素鋼の腐蝕速度はpHとは無関係です。
pH4以下での炭素鋼の腐食進行は、pH10以上になると、鉄表面の水酸化物の溶解度が減少し、腐蝕は低減します。
亜鉛めっき鋼管や銅管は、pH6.5程度の弱い酸性でも、結構高い腐蝕速度を示します。
正
問題文の内容通りです。
水中が常温で、鉄が腐食し続けるのは、溶存酸素の影響です。
・溶存酸素は、陰極に発生する水素原子と結合し、複極によって継続的に腐食させます。
・溶存酸素は、鉄表面を不働態化して耐食性を起こさせます。
・溶存酸素は、錆こぶ内部の酸素が達しない部分と、達しやすい外部間で、酸素濃淡電池を作って腐食を起こします。
炭素鋼の腐蝕速度と水温の関係は下図がその例です。
正
問題文の内容通りです。
流速を増加するに従い溶存酸素の供給量が増え腐食が増加します。
ある流速からは金属面への酸素拡散が広がり金属表面が不働態化して腐食が減少します。
流速がさらに増えると、物理的な浸食によって不働態化被膜が潰食し始め、腐蝕が増加始めます。
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