1級管工事施工管理技士 過去問
令和元年度(2019年)
問11 (問題A 問11)

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問題

1級 管工事施工管理技術検定試験 令和元年度(2019年) 問11(問題A 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

三相誘導電動機に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • インバータによる運転は、電圧波形にひずみを含むため、インバータを用いない運転よりも電動機の温度が高くなる。
  • スターデルタ始動方式は、全電圧直入始動方式と比較して、始動電流を 1/√3 に低減できる。
  • トップランナーモータは、銅損低減のため抵抗を低くしている場合があり、標準モータに比べて始動電流が大きくなる傾向がある。
  • インバータで運転すると、騒音が増加することがある。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.設問の通りです。
 
2.誤りです。
 スターデルタ始動方式の始動電流は直入始動方式の1/3になります。

3.設問の通りです。

4.設問の通りです。

インバータ制御方式のメリットは、速度を連続的に変化させることが可能で、常に最適の速度での運転を選択できることです。
そのため、省エネ、省電力の観点から広く普及していますが、選択肢1、3、4のようなデメリットもあるため、注意が必要となります。

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02

三相誘導電動機に関する問題です。

選択肢1. インバータによる運転は、電圧波形にひずみを含むため、インバータを用いない運転よりも電動機の温度が高くなる。

適当です。

インバータによる運転は常に一定の運転をしないことにより電力の消費量を抑える運転ですので、電動機の温度に関しては常に一定の運転をするインバータを用いない運転よりも高くなります。

選択肢2. スターデルタ始動方式は、全電圧直入始動方式と比較して、始動電流を 1/√3 に低減できる。

適当ではありません。

「スターデルタ始動方式」は、「全電圧直入始動方式」と比較して、「始動電流を1/3」に低減できます。

選択肢3. トップランナーモータは、銅損低減のため抵抗を低くしている場合があり、標準モータに比べて始動電流が大きくなる傾向がある。

適当です。

電流は、電圧/抵抗なので、抵抗が低くなるならば電流は大きくなります。

選択肢4. インバータで運転すると、騒音が増加することがある。

適当です。

インバータ運転は、常に一定の運転をしないので、本文のとおり騒音が増加することがあります。

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03

三相誘導電動機に関する問題です。

選択肢1. インバータによる運転は、電圧波形にひずみを含むため、インバータを用いない運転よりも電動機の温度が高くなる。

問題文の内容通りです

 

誘導電動機の回転数は、次式で表されます。

n=(120f/P)・(1-S)   n:回転数、f:周波数、P:極数、S:すべり

回転数を変えるために、周波数を変えれば連続的に回転数が変えられます。

周波数の変換は、交流をコンバータで変えて直流とし、直流をインバータで変えます。

 

インバータを使用し回転数を変えて電動機を運転すると、電動機への出力電圧波形に歪みを含み、電動機の温度が高くなります。

選択肢2. スターデルタ始動方式は、全電圧直入始動方式と比較して、始動電流を 1/√3 に低減できる。

スターデルタ始動方式は、全電圧直入始動方式と比較して、始動電圧を 1/√3 に低減できる

 

三相誘導電動機の始動には、直入れ方式(最初から電源電圧で始動)する方式と、スターデルタ方式で始動電圧を下げて(58%)、それにより始動電流が下がって(33.3%)運転し、回転数が落ち着いてから、スターデルタ回路を外して元の電源電圧で運転する方式があります。

 

三相誘導電動機の直入れ方式始動では、大きな電動機では始動時に大きな電流が流れ、負荷変動などが生じるため、始動時には大きな電流を流さないように、スターデルタ方式で運転します。

選択肢3. トップランナーモータは、銅損低減のため抵抗を低くしている場合があり、標準モータに比べて始動電流が大きくなる傾向がある。

問題文の内容通りです

 

モータの消費電量を減少させて省エネルギーに貢献するモータが、トップランナーモータです。

・トップランナーモータは約35%の損失低減効果が期待できます。

・発生損失の抑制のため、標準モータに比べて回転速度が速くなり、ポンプなどの負荷で、モータの出力が増加します。

・モータ効率は高いので、出力の増加により、消費電力が増加します。

・銅損低減のため一次及び二次抵抗を低くしているため、標準モータに比べ始動電流が高くなるため、ブレーカの変更が必要になります。

選択肢4. インバータで運転すると、騒音が増加することがある。

問題文の内容通りです

 

誘導電動機にインバータを用いて運転すると、騒音がやや大きくなります。

特に、正弦波パルス幅変調制御時の低速運転には注意が必要です。

可変速運転時には、固有振動による共振が起こり、回転体がアンバランスとなって、異常振動が起こることがあるため、バランスの修正が必要です。防振ゴムも有効です。

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