1級管工事施工管理技士 過去問
令和元年度(2019年)
問38 (問題A 問38)

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問題

1級 管工事施工管理技術検定試験 令和元年度(2019年) 問38(問題A 問38) (訂正依頼・報告はこちら)

遠心ポンプに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • キャビテーションは、ポンプの羽根車入口部等で局部的に生じる場合があり、騒音や振動の原因となる。
  • 同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを直列運転して得られる揚程は、ポンプを単独運転した場合の揚程の2倍より小さくなる。
  • 同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを並列運転して得られる吐出量は、ポンプを単独運転した場合の吐出量の2倍になる。
  • ポンプの軸動力は回転速度の3乗に比例し、揚程は回転速度の2乗に比例する。

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この過去問の解説 (3件)

01

遠心ポンプに関する問題です。

選択肢1. キャビテーションは、ポンプの羽根車入口部等で局部的に生じる場合があり、騒音や振動の原因となる。

適当です。

「キャビテーション」に関して、液体が低圧の状態になった際に気化して気泡が発生する現象をキャビテーションといいますが、ポイントは「どこで生じるのか」、それによって「どんな現象が発生するか」がポイントです。

ここでは、「ポンプの羽根車入口部等」で局部的に生じ、「騒音や振動」の原因となることがポイントです。

選択肢2. 同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを直列運転して得られる揚程は、ポンプを単独運転した場合の揚程の2倍より小さくなる。

適当です。

これはポンプの配置によって揚程が単独運転の「何倍」になるかということがポイントです。

本問では、同じ特性の2台のポンプを「直列運転」していますが、単独運転した場合の揚程の2倍より小さくなります。

選択肢3. 同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを並列運転して得られる吐出量は、ポンプを単独運転した場合の吐出量の2倍になる。

適当ではありません。

これはポンプの配置によって揚程が単独運転の「何倍」になるかということがポイントです。

本問では、同じ特性の2台のポンプを「並列運転」していますが、単独運転した場合の揚程の2倍にとはいかず、1.4倍程度となります。

選択肢4. ポンプの軸動力は回転速度の3乗に比例し、揚程は回転速度の2乗に比例する。

適当です。

これは覚えておきましょう。

ポンプの「軸動力」は回転速度の「3乗」に「比例」し、「揚程」は回転速度の「2乗」に比例します。

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02

1.設問の通りです。
 ポンプの吸込み側の弁で水量を調整する際に生じやすくなります。

2.設問の通りです。

3.誤りです。
 同一配管系で同じ能力のポンプを2台並列運転した場合、
 吐出量は単独運転の2倍より小さくなります。

4.設問の通りです。

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03

遠心ポンプに関する問題です。

選択肢1. キャビテーションは、ポンプの羽根車入口部等で局部的に生じる場合があり、騒音や振動の原因となる。

問題文の内容通りです

 

液体が飽和蒸気圧以下になると液体内部から蒸発気化します。

キャビテーションは、ポンプ内部で流速の急変や渦流により、局部的飽和蒸気圧以下の状態が起こり、液体が空洞を作る現象です。

ポンプでは、羽根車入口部でキャビテーションが起こり易く、空洞が水流とともに移動し、高圧部で急激に壊滅して高い衝撃圧力を生じ、騒音や振動を引き起こして、ポンプの性能や寿命に影響します。

選択肢2. 同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを直列運転して得られる揚程は、ポンプを単独運転した場合の揚程の2倍より小さくなる。

問題文の内容通りです

 

ポンプ直列の状態を下図に示します。

ポンプの揚程曲線を、H1,H2とすると、直列としたときの揚程曲線はH3となります。

ポンプの揚程は単独で、h1,h2となりますが、直列とするとh1',h2’のようにやや小さくなります。

よって直列の時の揚程h3は、h1+h2ではなく、h1’+h2’となって、ポンプ1台の揚程の2倍とはならず、小さくなります

選択肢3. 同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを並列運転して得られる吐出量は、ポンプを単独運転した場合の吐出量の2倍になる。

同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを並列運転して得られる吐出量は、ポンプを単独運転した場合の吐出量の2倍より少なくなる

 

ポンプ並列の状態を下図に示します。

ポンプの揚程曲線を、H1,H2とすると、直列としたときの揚程曲線はH3となります。

ポンプの吐出量は単独で、Q1,Q2となりますが、直列とするとQ1',Q2’のようにやや小さくなります。

ポンプ並列時の吐出量Q3は、ポンプ単独運転時の吐出量の和(2倍)より、少なくなります

選択肢4. ポンプの軸動力は回転速度の3乗に比例し、揚程は回転速度の2乗に比例する。

問題文の内容通りです

 

ポンプの回転速度の変化によりポンプ特性も変化します。

 

吐出量は、羽根車出口の半径方向速度に比例します。

半径方向の速度は外周速度に比例し、吐出量は回転速度に比例します。

揚程の変化は、羽根車の外周速度(回転速度)の2乗に比例します。

軸動力は、吐出量と揚程の積に比例するため、回転速度の3乗に比例します。

 

以上を式で表すと、次のようになります。

Q1/Q2=n1/n2

H1/H2=(n1/n2)2

P1/P2=Q1H1/Q2H2=(n1/n2)3

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