1級管工事施工管理技士 過去問
令和2年度(2020年)
問54 (問題B 問54)

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問題

1級 管工事施工管理技術検定試験 令和2年度(2020年) 問54(問題B 問54) (訂正依頼・報告はこちら)

機器の据付けに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • あと施工のメカニカルアンカーボルトは、めねじ形よりおねじ形の方が許容引抜き力が大きい。
  • カプセル方式の接着系アンカーボルトを施工する場合、マーキング位置までアンカーボルトを埋込み後、アンカーボルトの回転により接着剤を十分攪拌する。
  • 地震時にアンカーボルトに加わる荷重は、原則として、機器を剛体とみなし、当該機器の重心の位置に水平及び鉛直の地震力が作用するものとして算定する。
  • あと施工の接着系アンカーボルトの打設間隔は、呼び径の10倍以上を標準とする。

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この過去問の解説 (3件)

01

機器の据付けに関する問題です。

選択肢1. あと施工のメカニカルアンカーボルトは、めねじ形よりおねじ形の方が許容引抜き力が大きい。

適当です。

これはおさえておいてください。

「あと施工」のメカニカルアンカーボルトは、めねじ形より「おねじ形の方が」許容引抜き力が大きいです。

選択肢2. カプセル方式の接着系アンカーボルトを施工する場合、マーキング位置までアンカーボルトを埋込み後、アンカーボルトの回転により接着剤を十分攪拌する。

適当ではありません。

正しくは、

カプセル方式の接着系アンカーボルトを施工する場合、

マーキング位置まで「穿孔後」に孔内を清掃の後、カプセルを挿入し、アンカーボルトを打撃回転しながら打込む、です。

選択肢3. 地震時にアンカーボルトに加わる荷重は、原則として、機器を剛体とみなし、当該機器の重心の位置に水平及び鉛直の地震力が作用するものとして算定する。

適当です。

地震時にアンカーボルトに加わる荷重に関して、

機器を「剛体(力の作用のもとで変形をしない物体)」とみなし、

当該機器の重心の位置に「水平」及び「鉛直」の地震力が作用するものとして算定します。

選択肢4. あと施工の接着系アンカーボルトの打設間隔は、呼び径の10倍以上を標準とする。

適当です。

「あと施工」の「接着系アンカーボルト」の打設間隔は、「呼び径の10倍以上」が標準です。

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02

1.〇

あと施工のメカニカルアンカーボルトは、めねじ形よりおねじ形の方が許容引抜き力が大きいです。

2.×

カプセル方式の接着系アンカーボルトを施工する場合、穿孔→孔内清掃→アンカー筋へマーキング→孔内へカプセル挿入→アンカー筋に回転打撃を与えながらマーキング位置まで挿入→硬化、養生の手順になります。

注意として、アンカー筋の埋め込みの際、接着剤を過剰撹拌しないようにすること。

3.〇

地震時にアンカーボルトに加わる荷重は、原則として、機器を剛体とみなし、当該機器の重心の位置に水平及び鉛直の地震力が作用するものとして算定します。算定は機器の中心ではなく重心になるので注意してください。

4.〇

あと施工の接着系アンカーボルトの打設間隔は、呼び径の10倍以上を標準とします。

※各アンカーはメーカーにより引き抜き強度が違うので、使用する際は現場では必ずメーカーに確認してください。

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03

機器の据付けに関する問題です。

選択肢1. あと施工のメカニカルアンカーボルトは、めねじ形よりおねじ形の方が許容引抜き力が大きい。

問題文内容通りです

 

おねじ型金属拡張アンカーは、ヘッドとボルトが一体化したもので、ナットの締付によってアンカーを躯体に固定します。手順は、躯体穿孔-切粉除去-アンカー挿入-ナット締付けです。

めねじ型金属拡張アンカーは、ヘッドとボルトが分離し、スリーブの打撃によって躯体にアンカーを固定します。手順は、躯体穿孔-切粉除去-アンカー挿入-スリーブ打込みです。

 

2つのアンカーを比較すると、次の表のように表されます。

 

おねじ型

金属拡張アンカー

めねじ型

金属拡張アンカー

使用状況

最も良く使用される

あと施工アンカーです。

同左
信頼性めねじ型より高い信頼性注意が必要
引抜荷重

めねじ型より引抜荷重が

大きい

許容引抜荷重が小さい
注意事項

所定のトルクまで

締めること

安定した許容荷重が

得られないときがある

選択肢2. カプセル方式の接着系アンカーボルトを施工する場合、マーキング位置までアンカーボルトを埋込み後、アンカーボルトの回転により接着剤を十分攪拌する。

カプセル方式の接着系アンカーボルトを施工する場合、マーキング位置までカプセルを埋込み後、アンカーボルトの打撃・回転により接着剤を十分攪拌する

 

カプセル式の接着系アンカーは、コンクリート母材にあらかじめ削孔した孔に、接着剤の入ったカプセルを挿入し、アンカー筋を打ち込むときに回転・打撃を加えて、接着剤を攪拌して、接着剤は化学反応で硬化・固着させます。

 

手順は以下のように行います。

削孔-切粉除去・清掃-カプセル挿入-アンカー筋打込み-回転・打撃・攪拌-硬化養生

選択肢3. 地震時にアンカーボルトに加わる荷重は、原則として、機器を剛体とみなし、当該機器の重心の位置に水平及び鉛直の地震力が作用するものとして算定する。

問題文内容通りです

 

地震力は、機器の重心に作用するとして計算します。

地震力は、設計用水平地震力FHと設計用鉛直地震力FVに分けられます。

直方体の機器を4隅で基礎を固定したとして、アンカーボルトの引抜力は次の4つの回転力によって、バランスが取れていまとして計算します。

重心に働くFHによる時計回りの引抜モーメント

重心に働くFVによる時計回りの引抜モーメント

重心に働く機器本体の重量による半時計回り基礎への押し付けモーメント

・左側軸上のアンカーボルトに作用する引抜に抵抗力による反時計回りモーメント

選択肢4. あと施工の接着系アンカーボルトの打設間隔は、呼び径の10倍以上を標準とする。

問題文内容通りです

 

国土交通省の「あと施工アンカー・連続繊維補強設計・施工指針」の構造細則では、

【 既存躯体への有効埋込み長さ Le は、あと施工アンカーの種類及びアンカー軸部の直径Da に応じて下記の数値とする。

(a) 接着系アンカー:12 Da以上 (mm 】

とあります。

別項には、改定により7 Da以上となったともあり、問題文の10 Da の出典の根拠が不明です。

いずれにしろ、アンカーの間隔で地震力を計算し、安全率を見た間隔とすべきです。

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