1級建築施工管理技士の過去問
平成30年(2018年)
午前 問4

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 平成30年(2018年) 午前 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

木質構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 構造用集成材は、ひき板(ラミナ)又は小角材を繊維方向がほぼ同じ方向に集成接着したものであり、弾性係数、基準強度は一般的な製材と比べ同等以上となっている。
  • 枠組壁工法は、木材を使用した枠組に構造用合板その他これに類するものを打ち付けることにより、壁及び床を設ける工法で、枠組壁は水平力と鉛直力を同時に負担することはできない。
  • 燃えしろ設計は、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証するものである。
  • 直交集成板(CLT)は、ひき板(ラミナ)を幅方向に並べたものを、その繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料であり、弾性係数、基準強度は一般的な製材の繊維方向の値と比べ小さくなっている。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

1:設問通りです。ひき板の節、割れ目、割れ等の欠点の大きさや曲げヤング率などによるひき板の等級区分を行い、その上で適切に配置する事により高強度でバラツキの少ない材料とすることが出来ることから、弾性係数、基準強度は一般的な製材と比べ同等以上となります。

2:誤りです。枠組壁工法は、日本では通称「ツーバイフォー工法」と呼ばれてる木造の構法の一つです。
木材で組まれた枠組に構造用合板等を打ち付け、床と壁を設ける工法で、壁は水平力と鉛直力を同時に負担することができ、耐力壁としても有効です。

3:設問通りです。 「燃えしろ設計」とは、燃えしろを省いた有効断面を用いて許容応力度計算を行い、表面部分が燃えても構造耐力上支障のないことを確かめる方法です。表面が燃えても構造耐力上支障のない大断面とすることによって、石膏ボード等の防火被覆を用いずに木のあらわしを見せたまま木造の準耐火構造とすることが可能となっています。

4:設問通りです。直交集成板(CLT)は、大規模木造建築物の構造材にも使用される木質材料であるため、弾性係数、基準強度は一般的な製材より「とにかく強い」というイメージがあると思いますが、この設問内容は正しいです。
木材の弾性と強度は、繊維方向が最も高く、次いで半径方向が高く、接線方向は最も低いです。CLTは、繊維方向が直交するように積層接着しているため、一般的な製材の繊維方向の値と比較すると、弾性係数、基準強度の値は一般的な製材より小さくなります。

補足情報としまして、木材の基準強度は平成12年建設省告示第1452号(圧縮,引張,曲げ,せん断),および平成13年国交省告示第1024号(めりこみ)に示されています。一方,曲げヤング係数,せん断弾性係数については,日本建築学会の「木質構造設計規準・同解説-許容応力度・許容耐力設計法-」に記載されている基準弾性係数の数値が用いられています。

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02

以下に解説します。

選択肢2. 枠組壁工法は、木材を使用した枠組に構造用合板その他これに類するものを打ち付けることにより、壁及び床を設ける工法で、枠組壁は水平力と鉛直力を同時に負担することはできない。

誤りです。

枠組壁工法は、木材を使用した枠組に構造用合板その他これに類するものを打ち付けることにより、壁及び床を設ける工法で、枠組壁は水平力と鉛直力を同時に負担することができます。耐力壁として有効です。

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