大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問87 (地理B(第4問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問87(地理B(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

ラテンアメリカに関する次の問いに答えよ。

ラテンアメリカの自然と社会に関する次の問いに答えよ。

次の図4は、ブラジルの農産物の輸出額と、輸出総額に占める農産物の割合の推移を示したものであり、後の図5は、1971年と2019年におけるブラジルの農産物の輸出品目の内訳を示したものである。図4と図5から読み取れることがらとその背景について述べた文章中の下線部①~④のうちから、適当でないものを一つ選べ。

ブラジルでは、農産物が重要な外貨獲得源であり、1970年代初頭の農産物の輸出は、大土地所有制を背景とした商品作物の生産に支えられていた
1990年代にかけては、工業化が進展して輸出に占める農産物の割合は低下した。2000年代には、農業が輸出指向型産業の性格を強めていった。1971年と比較すると、2019年には穀物や肉類の輸出額が増加するとともに、コーヒー豆の輸出額は減少し、モノカルチャー経済からの脱却が進んでいる。
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この過去問の解説 (2件)

01

ブラジルにおける農産物の輸出額と輸出総額に占める農産物の割合についての出題です。

選択肢1. ①

①は正しいです。ブラジルでは大土地所有制の農園が発達した歴史があり、その農園はファゼンダと呼ばれます。

選択肢2. ②

②は正しいです。1970年代後半から90年代にかけての「農作物の輸出額」(棒グラフ)はほとんど変化していませんが、「輸出総額に占める農作物の割合」(折れ線グラフ)は低下しています。農作物以外の輸出品(工業製品等)が増加したためです。

選択肢3. ③

③は正しいです。2010年代から「農作物の輸出額」(棒グラフ)が増加しています。広大な土地を生かした企業的な農業がさらに発達し、輸出が強くなっているためです。


 

選択肢4. ④

④は誤りです。「農作物の輸出額」×「農産物の割合」でその産品の輸出額が求められます。1971年は約10億ドル×50%=約5億ドル、2019年は約470億ドル×10%=約47億ドルとなっています。輸出額は増加しています。

まとめ

与えられた資料の統計を、計算を用いてその産品の額を求める内容が出題されました。このような計算をたびたび出題されますので、確認をしておきましょう。

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02

この問題において問われているポイントは、

割合と実際の数量の違いを理解できているかという点になります。

 

 

選択肢1. ①

ブラジルでは植民地時代に大土地所有制の農業生産が盛んであり、

1970年代の経済を支えました。(ファゼンダ)

 

選択肢2. ②

折れ線グラフから農業の占める割合が低下したことが読み取れます。

 

選択肢3. ③

大規模農業や遺伝子組み換え作物の発展、

大豆・肉類等の輸出用作物の割合が増加していることから記述が正しいことがわかります。

選択肢4. ④

「農産物輸出に占める割合」としてのコーヒー豆の比率は1971→2019年に低下していますが、

輸出額自体は増加しているという点がこの問題のポイントです。

 

1970年と2019年の輸出額を比較すると非常に大きな差があり、

割合の減少にかかわらず輸出額は大きく上昇していることがグラフから読み取れます。

まとめ

したがって④が誤りであるとなります。

 

 

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