大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問11 (世界史B(第2問) 問5)
問題文
B 次の資料は、1831年のアメリカ合衆国大統領による一般教書演説の一節である。(引用文には、省略したり、改めたりしたところがある。)
資料
先住するインディアンの居住地が合衆国の州内に存在することは、合衆国の平和にとって危険であり、インディアン自身にとって有害である。以前の議会での私の提案に従って、複数の部族による合衆国の州外への移住を促すために、50万ドルが支出された。前回の議会では、チカソー族とチョクトー族が政府の寛大な提案を受け入れ、ミシシッピ川を越えた移住に賛同したことを報告した。これによって、ミシシッピ州全域とアラバマ州西部からインディアンの居住地がなくなり、両州は文明化した住民に委ねられることになる。これらの部族との協定は実行の過程にあり、1832年のうちに移住が完了する見込みである。
資料の演説が示す政策が実行された結果、大統領が言及している人々を含む多くの先住民が古くからの居住地を失い、過酷な境遇に追いやられることになった。
資料の演説を行った大統領の時代のアメリカ合衆国では、白人男性の間で選挙権の拡大が見られた。イギリスでも男性の選挙権拡大は少しずつ進んだが、次の年表に示したa~dの時期のうち、イギリスで21歳以上の男性に選挙権が拡大された時期として正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問11(世界史B(第2問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
B 次の資料は、1831年のアメリカ合衆国大統領による一般教書演説の一節である。(引用文には、省略したり、改めたりしたところがある。)
資料
先住するインディアンの居住地が合衆国の州内に存在することは、合衆国の平和にとって危険であり、インディアン自身にとって有害である。以前の議会での私の提案に従って、複数の部族による合衆国の州外への移住を促すために、50万ドルが支出された。前回の議会では、チカソー族とチョクトー族が政府の寛大な提案を受け入れ、ミシシッピ川を越えた移住に賛同したことを報告した。これによって、ミシシッピ州全域とアラバマ州西部からインディアンの居住地がなくなり、両州は文明化した住民に委ねられることになる。これらの部族との協定は実行の過程にあり、1832年のうちに移住が完了する見込みである。
資料の演説が示す政策が実行された結果、大統領が言及している人々を含む多くの先住民が古くからの居住地を失い、過酷な境遇に追いやられることになった。
資料の演説を行った大統領の時代のアメリカ合衆国では、白人男性の間で選挙権の拡大が見られた。イギリスでも男性の選挙権拡大は少しずつ進んだが、次の年表に示したa~dの時期のうち、イギリスで21歳以上の男性に選挙権が拡大された時期として正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

- a
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、アメリカ合衆国で白人男性に選挙権が広がった19世紀前半の動きと対比させて、イギリスでの男性選挙権の拡大がいつ実現したかを問うものです。
アメリカでは1830年代に多くの州で白人男性に普通選挙が広がりましたが、イギリスでは段階的な選挙法改正を通じて徐々に拡大していきました。
このうち、「21歳以上の男性に選挙権が広がったのはいつか」というのが問われています。
誤りです。
これは1832年の第1回選挙法改正に相当します。
このとき選挙権を得たのは、主に都市の中産階級男性であり、労働者や農民の多くは依然として選挙権を持ちませんでした。
誤りです。
これは1867年の第2回選挙法改正の頃です。
都市部の労働者の一部に選挙権が広がりましたが、依然として財産要件があり、21歳以上のすべての男性には拡大されていません。
誤りです。
これは1884年の第3回選挙法改正の時期で、農村部の労働者にも選挙権が一部与えられました。
しかし、この時点でも完全な普通選挙ではなく、財産や居住年数などの制限が残っていました。
正解です。
この時期は、1918年の第4回選挙法改正の時期にあたります。
この改正では、21歳以上の全ての男性に財産要件なしで選挙権が与えられました。
それまで除外されていた労働者層を含む、実質的な男性普通選挙が実現した重要な改革です。
イギリスで21歳以上の全ての男性が選挙権を得たのは1918年(第4回選挙法改正)。
それ以前は選挙権拡大が段階的に進められていたが、完全な普通選挙ではなかった。
時代の流れと改正の段階を整理しておくと、こうした問題に対応しやすくなります。
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02
【問題のポイント】
・資料に出てきたアメリカ(ジャクソン時代:1830年代)は男性の普通選挙が進んだ時代
・イギリスでは「21歳以上の男性に選挙権が拡大されたのはいつか?」を問うています。
1832年
第1回選挙法改正により一部の中産階級男性に選挙権が拡大されましたが、21歳以上のすべての男性には拡大されていません。
1870年
初等教育法の制定により教育改革が進みましたが、選挙権の拡大とは直接関係がありません。
1916年
第一次世界大戦中の徴兵制導入であり、選挙権拡大とは関係がありません。
1916年直後→1918年
1918年に人民代表法が制定され、21歳以上の男性に広く選挙権が付与されました。【正解】
イギリスでは、第一次世界大戦後の1918年に制定された人民代表法により、21歳以上の男性にほぼすべて選挙権が付与されました。
資料の大統領(ジャクソン)が活躍したアメリカでも同様に、男性普通選挙が拡大していたことと時期的に近いです。
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