公立学校教員の過去問
平成28年度(H29年度採用)
共通問題 問12
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成28年度(H29年度採用) 共通問題 問12 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章は、ある学習指導の方法に関するものである。この学習指導の方法の名称として適切なものは、下のうちのどれか。
学級で、児童・生徒が同じペースで学習を進めようとすると、習熟の差が生じる。こうした状態に対して、一斉学習が可能な枠組みをモデル化した学習指導の方法である。
この学習指導の方法は、次のような手順で実施される。教師は、各学習単元で達成すべき教育目標を明確にして、児童・生徒一人一人の到達すべき最低の基準を決定する。単元又は小単元などのひとまとまりの学習内容を一斉指導で教えた後、児童・生徒一人一人の到逹度を明確にするため、形成的評価を実施して、目標が未逹成の場合には、再学習や補充学習を行い、既に学習が成立している児童・生徒には、一層の定着を目指した学習や発展学習を行う。このようなサイクルを経て一定の学習指導が終了した段階で総括的評価を実施する。
学級で、児童・生徒が同じペースで学習を進めようとすると、習熟の差が生じる。こうした状態に対して、一斉学習が可能な枠組みをモデル化した学習指導の方法である。
この学習指導の方法は、次のような手順で実施される。教師は、各学習単元で達成すべき教育目標を明確にして、児童・生徒一人一人の到達すべき最低の基準を決定する。単元又は小単元などのひとまとまりの学習内容を一斉指導で教えた後、児童・生徒一人一人の到逹度を明確にするため、形成的評価を実施して、目標が未逹成の場合には、再学習や補充学習を行い、既に学習が成立している児童・生徒には、一層の定着を目指した学習や発展学習を行う。このようなサイクルを経て一定の学習指導が終了した段階で総括的評価を実施する。
- 問題解決学習
- 発見学習
- 有意味受容学習
- 完全習得学習
- プログラム学習
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この過去問の解説 (3件)
01
よって、正解は4です。
「完全習得学習」は、ブルームが提唱した学習方法で、
①「各学習単元で達成すべき教育目標を明確にすること」②「評価理論の体系化」③「評価を元に達成できていない場合は補充教材を利用し完全習得」という3つの柱で構成されています。
指導と評価の一体化を考える際によく用いられる理論です。
1の「問題解決学習」は、児童生徒が当面している問題の解決への努力を通して、経験や知識を再構成し、発展させるという学習方法です。
この探究的な活動によって子供の自主的、創造的、批判的な思考能力を高めることができるとされています。
2の「発見学習」は、ブルーナーによって提唱された学習方法で、学習者自身が結論を導く過程に参加することによって、「発見という行為、問題解決の方法の習得」することや、「発見という行為を通じて学習内容を習得」することができるとされています。
3の「有意味受容学習」は、オーズベルが提唱した学習方法で、ある学習の前提となる情報を、生徒が持っている知識に結びつけながら行い、
①教師から教える内容を児童生徒へと提示する(受容学習)、②教師から教わったことを、児童生徒が既知のことに結びつけて「意味づけ」をする段階(有意味学習)という2つの段階を踏みます。
有意味学習と対になる言葉として、「機械的学習(知識の詰め込み)」というものがありますので合わせて覚えておくとよいかと思います。
5の「プログラム学習」は、スキナーによって提唱された学習方法で、一定の学習目標に到達させるために、学習を細かく段階別に分けて行い、そのステップの解答、訂正を即時行うことによって学習事項を理解されるようにつくられている学習プログラムです。この方法は学習者ひとりひとりの能力差・個人差に応じて学習ができるとされています。
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02
1:「問題解決学習」
経験主義者であるデューイが提唱した、子どもの興味や関心を重んじ、生活に関わるさまざまな問題を主体的に解決する学習方法です。
2:「発見学習」
ブルーナーが提唱した、
①課題の把握
②仮説の設定
③仮説の精錬
④仮説の検証
⑤まとめ
という過程を通して学習者が自分で課題を発見し、その解決に至る過程を(追)体験する方法です。
3:「有意味受容学習」
オーズベルが提唱した、学習前に前提となる情報を児童生徒の既存の知識に結び付け(先行オーガナイザ)、学習の認知構造への受容を促進させる方法です。
4:「完全習得学習」
ブルームが提唱した、ほぼすべての児童生徒に学習内容を習得させるべく教育目標を設定したうえで、各単位時間の学習終了後に評価を行い、教育者側の指導法の見直しとともに補助教材等による学習を進め、完全習得に近づける方法です。
①診断的評価(知識や理解の程度をはかる評価)
②形成的評価(到達度評価)
③総括的評価(単元の終了時や学期末の評価)
という段階の評価を実施することも特徴の一つです。
問題文の「教育目標を明確にして」「形成的評価を実施」「再学習や補充学習」などのキーワードから、完全習得学習の説明を示していることが分かるため、4は正答です。
5:「プログラム学習」
スキナーが提唱した、オペラント条件付け(反応の直後に報酬を与えることで、反応が強化される)という学習理論に基づき、ティーチングマシーンを用いた個別学習です。
また、以下のような原理で構成されています。
①スモール・ステップの原理:目標へのステップを細かく設定し、興味を持続させる原理。
②フェーディング:学習段階に合わせて補助(ヒント等)を減らしていく原理。
③即時確認の原理:問題への回答時に正誤や解説等をその場で確認できる原理。
④積極的反応の原理:個々の回答に称賛等のリアクションをとる原理。
⑤自己ペースの原理:自らに最適なペースで個別に学習できる原理。
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03
1:問題解決学習はデューイが提唱した学習方法です。
学習者自らが自身の生活経験の中から問題を発見し、それを実践的に解決していく過程を通して、科学的知識や自主的な問題解決の方法・能力を習得させようとする方法のことを問題解決学習といいます。
問題文の学習方法とは異なるため、1は誤りです。
2:発見学習はブルーナーが提唱した学習方法です。
知識を詰め込んでいくのではなく、知識が生まれてきた過程をたどらせることで、知識を構造として学習し、科学的な概念や法則を学習者自身が発見していく方法のことを発見学習といいます。
問題文の学習方法とは異なるため、2は誤りです。
3:有意味受容学習はオーズベルが提唱した学習方法です。
本来の学習に入る前にレディネスを整えておくことで、本来の学習の理解を容易にして、学習の認知構造への受容を促進させる方法をとることを有意味受容学習といいます。オーズベルは、思考の枠組みとなるような先行オーガナイザーを導入することで、学習への理解を容易にしようと試みました。
問題文の学習方法とは異なるため、3は誤りです。
4:完全習得学習はブルームが提唱した学習方法です。
達成すべき目標を明確にし、合理的評価とそれに基づく適切な指導を行うプロセスを繰り返すことで、学習者に学習内容を完全に習得させる方法のことを完全習得学習といいます。①診断的評価、②形成的評価、③総括的評価を取り入れ、評価と指導の一体化を図るという点が特徴的です。
問題文は完全習得学習の説明を示しているため、4は正解です。
5:プログラム学習はスキナーが提唱した学習方法です。
オペラント条件付けの理論(反応の直後に報酬を与えると反応は強化される)に基づき、ティーチングマシーンを用いた個別学習の方法のことをプログラム学習といいます。学習内容を細分化、正誤判断を速やかに行う、個人のペースで学習を進めるといった部分がキーワードになります。
問題文の学習方法とは異なるため、5は誤りです。
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