公立学校教員の過去問
平成28年度(H29年度採用)
共通問題 問15
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成28年度(H29年度採用) 共通問題 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
次の表は、我が国の主なキャリア教育推進施策の展開をまとめたものである。表中のア~ウと、その内容についての記述A~Cとの組合せとして適切なものは、下のうちのどれか。
A 「キャリア発達にかかわる諸能力(例)」(4領域8能力)をキャリア教育の枠組みの例として取り上げ、「各学校においてキャリア教育を推進する際の参考として幅広く活用されることを期待したい」と指摘した。
B キャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義し、四つの能力によって構成される「基礎的・汎用的能力」を示した。
C 「キャリア教育を小学校段階から発達段階に応じて実施する必要がある」とし、さらに「キャリア教育の実施に当たっては家庭・地域と連携し、体験的な学習を重視するとともに、各学校ごとに目的を設定し、教育課程に位置付けて計画的に行う必要がある」と提言した。
A 「キャリア発達にかかわる諸能力(例)」(4領域8能力)をキャリア教育の枠組みの例として取り上げ、「各学校においてキャリア教育を推進する際の参考として幅広く活用されることを期待したい」と指摘した。
B キャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義し、四つの能力によって構成される「基礎的・汎用的能力」を示した。
C 「キャリア教育を小学校段階から発達段階に応じて実施する必要がある」とし、さらに「キャリア教育の実施に当たっては家庭・地域と連携し、体験的な学習を重視するとともに、各学校ごとに目的を設定し、教育課程に位置付けて計画的に行う必要がある」と提言した。
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この過去問の解説 (3件)
01
ア:平成11年12月、中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」では、文部科学行政関連の審議会報告等において、「キャリア教育」という用語が初めて登場しました。また、「①キャリア教育を小学校段階から発達の段階に応じて実施する必要がある」、「②家庭・地域と連携し、体験的な学習を重視する必要がある」、「③各学校ごとに目的を設定し、教育課程に位置付けて計画的に行う必要がある」との方針が出されました。
そのため、アの内容に当てはまる説明はCです。
イ:平成16年1月、文部科学省「キャリア教育に関する総合的調査研究協力者会議」報告書は、学校や教育関係者等における「キャリア教育」推進の指針となる提言についてまとめられたものです。この報告書では、「キャリア発達にかかわる諸能力(例)」(4領域8能力)をキャリア教育の枠組みの例として取り上げました。
そのため、イの内容に当てはまる説明はAです。
ウ:平成23年1月、中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」では、キャリア教育の定義を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」としました。また、「基礎的・汎用的能力」を示したことでも知られています。
そのため、ウの説明に当てはまる説明はBです。
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02
ア:中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」
この答申によってキャリア教育という言葉が初めて公的に登場しました。この答申では「キャリア教育を小学校段階から発達段階に応じて実施する必要がある」とし,さらに「キャリア教育の実施に当たっては家庭・地域と連携し,体験的な学習を重視するとともに,各学校ごとに目的を設定し,教育課程に位置付けて計画的に行う必要がある」と提言しました。
したがって、この答申にあてはまる記述はCです。
イ:文部科学省「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書」
これは、初等中等教育における「キャリア教育」を推進していくための基本的な方向等について総合的に検討するためにつくられた協力者会議の報告書です。
「キャリア教育を理論的枠組みとする」という理念を実現するためには、「各発達段階における『能力や態度』」を明確化し,それらを獲得し,実践に移せることを目標とした学習プログラムの開発が必要であるという結論に至っています。その一つとして「キャリア発達にかかわる諸能力(例)」(4領域8能力)をキャリア教育の枠組みの例として取り上げて、「各学校においてキャリア教育を推進する際の参考として幅広く活用されることを期待したい」と述べています。
したがって、この報告書にあてはまる記述はAです。
ウ:中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」
この答申は、平成18年に改正された教育基本法や、平成20年に策定された教育振興基本計画に掲げられている「学校教育における職業に関する教育の推進する旨」についての現状把握を含めて、これまでのキャリア教育の取り組みを鑑みて出されました。
その中で、「キャリア教育」を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な碁盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発逹を促す教育」とした上で、キャリア教育と職業教育の基本的方向性を3点提示しています。1点目は、「幼児期の教育から高等学校まで体系的にキャリア教育を進めること。その中心として、基礎的・汎用的能力を確実に育成するとともに、社会・職業との関連を重視し、実践的・体験的な活動を充実する」こと。2点目は、「職業教育においては実践性をより重視すること、また、職業教育の意義を再評価する必要がある」こと。3点目は「学校は、生涯にわたり社会人・職業人としてのキャリア形成を支援していく機能の充実を図る」こととしています。すなわち、理論と実践の両輪を充実していくことを重点として、体系的なキャリア教育を目指していくことが目標となっています。
したがって、この答申にあてはまる記述はBです。
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03
ア:中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」第6章第1節の中に、Cの文言が含まれています。
イ:文部科学省「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書」の中でAの(4領域8能力)について書かれています。この4領域とは、「間関係形成能力、情報活用能力、将来設計能力、意思決定能力」であり、これらをそれぞれ2つずつの能力で示したものが8能力となります。平成23年にはこれが「基礎的・汎用的能力」という文言としてまとめられました。
ウ:イで説明した通り、中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」の中で4領域8能力が「基礎的・汎用的能力」とまとめられているため、Bとなります。
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